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起源


時間は少し遡る。

俺たちが、やっと別荘についてひと段落した午後3時ごろ。母親たちは夕食の準備をするために台所へ向かった。もちろん、俺と文はゲージの中に投獄されたけど。

文月生まれだから文ちゃんねー。絶対将来、「なんだし、この名前の由来ー、雑すぎー」とか言うのだろうか。『師走ちゃん』にならなかった事に感謝すべきだと思う。

(それにしても、なんか違和感が拭えないんだよな。まあ、なんにしても、誕生日が同じって運命感じちゃうんだよなー)

そんなことを思いながら、じっと文の顔を見た。


日が落ちた。山の東斜面だから夏にしては少し早い。

それにしても父親たちが2階に行ってから、4時間以上経ったが、何をしているのだろうか?外務官僚と海軍軍人。なんだか少し釣り合わない。どこでどう違ったら幼馴染の間に差が生まれてしまうんだろうか。

俺は遠く、前世に置いてきた思い出を思い出していた。


それは、まだ、幼稚園の年長さんくらいだっただろうか。二つくらい上の年齢の幼馴染のお兄ちゃんがいた。俺は、お兄ちゃんが他の友達と遊ぶ時でも、どんな時でも一緒にいるほど、彼が好きだった。

よく、お兄ちゃんの家に上がっていた。リビングに入ると、ガラスの棚が目に入る。そこには、様々な模型が並べてあった。零戦や紫電、ヘルキャットやメッサーシュミットといった第二次世界大戦中の名戦闘機から、F86セイバーやF35ライトニングという現代の戦闘機まであった。一つ一つ、傷や汚れの再現までされていて、俺は心を奪われていた。

「和也、お前これ好きだなぁ。俺は日本人としては零戦愛に目覚めて欲しかったが、震電をチョイスするとは、なかなか通だな」

そう、俺のオタク魂は幼馴染のお兄ちゃんに仕込まれたものだ。ある日は、近所のおもちゃ屋に行き、ある日は秋葉原まで遠出した。

お兄ちゃんは、大学に進学すると航空研究会(空研)を作った。どうやら、模型だけでは飽き足らず、自分でも飛ばしたくなったらしい。もともと、模型はとても上手だったので、それに動力を合わせて飛ばしてみると、まるで本物のようで、空研はお兄ちゃんのお陰でほぼ毎年、コンテストでは賞を貰っていた。

そんなお兄ちゃんを追いかけて、俺も同じ大学へ進学。サークル探しの時、ラグビー部に連行されかけたが、やり過ごして、空研の門を叩いた。お兄ちゃんは少し嬉しそうだった。

お兄ちゃんが4年生になり、引退した。その時、俺は空研を任されたのだ。そして、3年生になって最後の大作製作に取り掛かろうとした矢先に……。



(あーー、俺本当に転生しちまったんだな。哲太や聡美は元気かな?俺だけが死んだんだよね?)





俺は、昔のことを思い出しながら、文の頰に手を出した。「ぷにっ」って音がなりそうだった。触った瞬間、文が驚いたあと、すぐに嬉しそうな顔になった気がした。


「まあ、あら、カズと文ちゃん。仲良くなったみたいで良かったわぁ。じゃ、2人ともご飯の時間よー。お父さんたち、何を話してるんだか『飯は要らないから、先に食べててくれ』って。本当に失礼しちゃうわ」


(なんで、大人しく言うことを聞かないかな?親父は)

ストレスでご飯がまずくなったら訴えてやる、とか思っている俺を母親は抱き抱えて、ソファに連行した。

タイトル付けはあんまりこだわってないので、内容と合わないことがあるかと思いますがご了承を。


今回はただのほのぼの回+主人公のミリオタ化の原因等々です。


まあまあ大事な回かなあと自分では思っています。



日露戦争突入はまだまだ先になりそう。フェードアウトしないように、休み休み投稿していきたいと思います。

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