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吸血鬼の王は決意する

「す、すごいです!悠様!」



「それほどでも無いよ」



と、言いつつも少し得意げになってしまう。金髪美少女と眼鏡美女に尊敬の目で見られたら少し照れてしまう。

まぁそんなことより、この店内を綺麗にしなければいけないだろう。

というか戦いに夢中で気づかなかったけど周りの住人とかに騒音は聞こえなかったのだろうか、レイスの言っていた結界とかいうやつが効いているのかもしれないと僕は結論づける。



「このオカマどうするの?」



「私が処分いたします」



そうクロエは言ってオカマに近づいた瞬間だった、オカマを中心として黒いモヤのようなものが店内に広がっていった。




「な、何ですかこれは!」



クロエが動揺し、手を使いそのモヤを払おうとしたとき、僕はクロエに向かって砲弾のような勢いで迫り来る小̀さ̀な̀拳̀を見た、その瞬間僕はクロエを突き飛ばし、その拳を受け止めて、


店外に、吹き飛ばされた。



「悠様!」



「うおっと...」



「へぇ...私の拳を見切るだけじゃなく、受け止めて、さらにダメージを抑える為に後ろに飛ぶなんてね...やるじゃない」



そうだ、僕はほとんどダメージを喰らっていない、だが、まさか僕が吹き飛ばされるとは、この銀髪ツインテ娘...何者だ?



「私は聖十字騎士団一番隊隊長、レイチェルよ、私の部下がお世話になったみたいね」



「貴様...」



「うるさいわね、口を閉じなさい羽̀虫̀」



カリスマ溢れんばかりのこの少女もヴァンパイアハンターか、何歳からヴァンパイアハンターってなれるんだろう…。

こんな少女に働かせるなんてやっぱりヴァンパイアハンターは悪だな!ライラが傷つけられたからもしやと思ったけど!あ、こっち向いた



「どいつもこいつも最近は骨のない羽虫吸血鬼が多いと思っていたけど…アナタは違うようね…」



と、恍惚の表情で僕を見ている、ごめんなさい...僕は可愛い女の子は好きだけどそっちの趣味は無いんだ...とかふざけたことを考える。

というか、




「僕はまだ吸血鬼じゃないよ。」




そう言うとレイチェルはさっきまでの恍惚の笑顔をさらに歪ませて、こう言った。



「それ...本当?」



「うん」



そして、また満面の笑みを浮かべながら。




「さいっこうじゃないのぉ!!人間で魔法も使わず、ここまでの強さに至れるなんてぇ!じゃあ吸血鬼化したらどんなに強くなるのかしら!もしかして貴方が私の運命の人...いや、運命の吸血鬼なの!?」




違います、というかただの戦闘狂でしたかあなた。どんな殺伐としたデレだよ。嫌だよそんな運命。




「じゃあ、次会うときは吸血鬼になっててね?私が隅々まで殺し尽くしてあげるからぁ♡」



美しい顔を歪ませながらレイチェルはそう言ってオカマと黒いモヤと共に消えた。また会うの嫌だなぁ…




「は、悠様!怪我は無いですか!?」



レイスが涙目で店外に出てくる、僕のことはいいからライラを治療してあげて。僕はそうレイスに告げた後、あの子の拳を受け止めて痺れた腕を擦った。



「(今まで受けた打撃の中で五番目くらいだったな…)」



とか呑気に思いつつ、店内に入っていった。





======================================







「申し訳ないです...」




ライラが目覚め、目が合った瞬間こんな感じで謝ってきた。だが、どこに謝る必要があるのだろうか、むしろ僕達が感謝しないといけないくらいだ。そう伝えると泣かれた、何故だ。




「ありがとうございます…ありがとうございます…」




ライラがそう言う、まぁいいだろう、もうここまでこれば、僕がライラやレイスやクロエ達を守ろう。王とやらにもなってやろうではないか。




「そういえば」



「なんですか?悠様」



「吸血鬼ってまさかこの三人だけじゃないよね?」



「はい、あちこちに散らばって活動しています。ひとつの所に集まると居場所がバレたとき厄介なので」



まぁそうだろうな、この事務所だと机が八個だから...八人か。




「いえ、三人です」



何故だ、数が合わない。まさかクロエは算数が不得意なのか。




「最初の段階では八人ここに来る予定だったのですが、他の場所に回されてしまって...ここはあまりヴァンパイアハンターも来ないので比較的安全とされているからでしょうね…」



今来てたのは、稀だと言うことか。もしや王関連のことで調査していたのだろうか。




「その可能性もありますが…あの隊長は恐らく知らされていないでしょう」




ん?何故そんなにはっきり言えるのだろうか。もしかしたら調査かもしれないのに。




「王を探せという指令だと悠様と交戦したときに人間のうちに殺そうとしてきたでしょうから」




あぁ、そうか吸血鬼になると強くなってしまうから。



「いくらあの隊長が戦闘狂の強いヴァンパイアを殺すことに快楽を感じているとはいえ、王がいると知れば悠様を全力で殺そうとしたでしょうからね」




まぁ納得だ、あの隊長の上司は色々考えているのだろう。様子見にして生還させることが目的だったのだろうな。




「ですから悠様には早急に吸血鬼になって頂きたい、勝手な申し出ですが何卒…」




「わかった」




「ありがとうございます!」



ここまでくれば腹を括って吸血鬼になろう、こんな即決で決めれるなんて、本当に僕は狂̀っ̀て̀る̀と̀し̀か̀言̀い̀よ̀う̀が̀な̀い̀な̀。まぁ今更だ、別に何も思うことは無い。さて、頑張りますかね。




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