男なれ
だるい~!
帝様に抱き締められて失神してから二週間ほどたったある日。
何時もの様に未来ちゃんとお昼を楽しんでいた時、その人はあらわれました。
「こんなところにいた。」
声のした方を見ると、そこには髪の毛は黒の猫っ毛をショートボブにした黒い瞳が意思の強さをにじませるそんな男の人が居た。
「はい、立って。」
「へ?はい。」
私はその男の人に促されるまま立ち上がった。
そして、そのまま強く抱き締められました。
「ほ、ほえええええ!」
思わず変な悲鳴が口から漏れました。
回りでガタガタバッタンと椅子の音がします。
「変な声。麗姉さんそこまで驚くの?」
私を麗姉さんと呼ぶ人は限られています。
顔を上げて彼の顔を確認して気がつきました。
彼は私の従弟の塚田柚樹君だと解りました。
「ゆ、柚君?」
「うん。姉さん。」
柚君は去年までは私より背の低い男の子でした。
「お、おっきくなってる!」
「うん。1年で15㎝のびたよ!」
嬉しそうな笑顔は私の知っている柚君と何ら変わりません。
「な、何で?………とりあえずはなして!恥ずかしいです。」
私の言葉に柚君はニコニコしながら力をこめて頬擦りしてきます。
「駄目だよ!じいちゃんからの命令だから!」
「お、お祖父様の?」
「そ!免疫無いのは大変だからって。」
心当たりが有ります。
お祖父様は何かすると、におわせていました。
「姉さん良い匂い。」
少し考えにひたっているうちに匂いを嗅がれました。
「ゆ、柚君!怒りますよ!」
私が怒ると言えば柚君は私をはなしてくれ………ません。
少しだけ体をはなしてはくれましたが、手が拘束したままはなれてくれません。
「柚君!」
「だって、姉さんに1日一回以上バグして良いって言われたから僕は転校してきたんだよ。」
少しだけ困った顔の柚君の頬を両手で挟みます。
「私のせいで転校してきたの?」
「麗姉さん。キスして良い?」
「ダメです。」
私は思いっきり柚君の頭に拳骨を落とします。
「痛い~!」
その時、私は柚君から引き剥がされれました。
やったのは帝様です。
「帝様……」
「みかん兄さん!」
どうして私の親戚は帝様をみかん呼ばわりするのでしょうか?
柚君は私からはなれると帝様に抱き付きました。
「………お前、柚か?」
「ピンポン!みかん兄さん久しぶり!」
柚君は帝様の首に腕を回してぎゅうぎゅうしています。
う、羨ましくなんてないもん。
「お前でかくなったな!」
「みかん兄さんもだね。そのうち追い越すからね。」
柚君は嬉しそうです。
帝様は迷惑そうです。
「柚君。帝様が困ってますよ。」
私の言葉に柚君はさらに帝様にくっつきます。
だ、だから、羨ましくなんてないです。
「柚は何しに来たんだ?」
「麗姉さんを抱き締めるためだよ!」
帝様は驚いた顔をしました。
「男なれするようにって。じいちゃんからの命令。ほら僕おっきくなったから。男として意識してね!」
柚君の話に私と帝様は頭を抱えたのでした。
全然頭が働かないです。
熱計ったら38.9℃………
ごめんなさい。
短いです。
日間ランキング一位………
夢だ………
ありがとうございます!
夢じゃないと良いと思ってます。