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ハグ

短めです!

お昼休み。

柚君に事務的にハグされてからお弁当を食べ始めました。

「麗姉さんさ、別にハグされても失神しないよね!」

「それぐらい直ぐになれます。」

柚君は私の作ったお弁当を食べながら言った。

「もしかして、みかん兄さんにハグされたから失神したんじゃないの?みかん兄さんだ、か、ら。」

柚君の言葉に私はフリーズしてしまいました。

「図星だ!だよね!麗姉さんってば小さい時から、みかん兄さん以外は男だと思ってないよね。」

柚君の言葉は衝撃的でした。

そうかもしれません。

帝様に抱き締められる事を考えるだけで顔に熱が集まります。

「ガキ!麗を苛めんな!」

「未来ちゃん口悪いよね!そこもキュートだよ。」

「黙れ!芝刈機でその黒髪刈り上げるぞ!」

「未来ちゃんこ~わ~い~!」

「刈る、ぜってー刈る!」

未来ちゃんの顔が本気で怖いです。

「未来ちゃん。今朝ね。剣道部の朝練の見学をさせてもらったの。でね。朝練終わりに帝様にエスコートをお願いして教室に来たんだよ。」

「頑張ったじゃん!麗はできる子。さすが私の親友!」

未来ちゃんの言葉は私を嬉しくさせてくれました。

「良いな~!僕も未来ちゃんにできる子って言われたい!」

未来ちゃんは冷ややかな眼差しで柚君を見据えます。

「できる子にはできる子だって言うさ!お前には無縁の話だ。」

「うん。その顔も好き。」

未来ちゃんは溜め息をついて机に突っ伏した。

「マジムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツク。」

未来ちゃんのイライラが半端ないです。

それでも私や柚君と同じ席でご飯をしてくれるのは私に更なる噂がたたないようにだと思います。

未来ちゃんはそんな優しい人。

柚君もそんな未来ちゃんだから気に入ったのかも知れません。


お弁当を食べ終わると柚君が笑顔を作ります。

「麗姉さん。もっかいハグする?」

「もう、良いです。」

「じゃあ、未来ちゃんハグする?」

いつもの軽口に未来ちゃんは柚君を睨み付けると言った。

「じゃあ、してもらうかな?」

「へ?」

柚君がキョトンとしています。

私もです。

「麗だけハグされるから変な噂が立つんだ!私もハグされれば、ガキがじゃれついてるだけだって思ってもらえんだろ!」

未来ちゃんの言葉も行動も男前すぎです。

「じゃ、遠慮なく。」

柚君は躊躇うことなく未来ちゃんを抱き締めます。

「未来ちゃん思ったより小さい。しかも良い匂い。」

「変態か!離れろ!」

さっきまでの男前が嘘のように未来ちゃんは耳まで真っ赤です。

「未来ちゃん。可愛いです。」

私は友達の真っ赤な顔が可愛くて萌え萌えです。

ようやく解放された未来ちゃんは私を怒ったように見ています。

「未来ちゃんの可愛い所が見れて幸せです。」

「ちょっと~!麗のためにやったんだからね!」

「はい!ありがとうございます!萌え萌えです。」

未来ちゃんは怨めしそうに私を見ています。

「意味が違う!」

未来ちゃんの後ろで柚君がほんのり赤くなっている気がしたのは気のせいでしょうか?


未来ちゃんが好きなんだよ~!



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