私の役割
結構前から考えていました。
私は少女漫画が大好きだ!
私の素直になれない心を萌え萌えキュンキュンさせてくれる魔法のアイテム。
そんな私神津麗は、はっきり言ってヒロインではない。
もしここが少女漫画の世界だったとしたら、私はライバルキャラ。
だって家柄も良い、運動も勉強も習い事も完璧。
容姿は黒髪ロングストレート、少し気の強そうな黒目に惹き付けられる者も居るとか居ないとか。
極めつけが、私の婚約者。
私の婚約者の新宮帝様は私には勿体無いほどできた人。
少し茶色がかった清潔感のある短髪。
瞳の色は髪よりも濃い茶色で優しい目元は少しだけたれ目だ。
私と同じように家柄も運動も勉強も何においても完璧なのに人柄も良くて、こんな素直に弱さを見せられない私にも優しい。
「麗。大丈夫?無理してない?僕の前では力抜いて良いよ。」
私が無理してる時は、直ぐに気がつく人。
「大丈夫です。帝様は私の心配などしなくて良いのです。」
素直になれない私。
口走った言葉の可愛くなさに、消えてなくなりたい気分になる。
「じゃあ肩かして?」
「へ?」
「俺が寄りかかるから少しだけ俺に肩を貸して。」
柔らかい笑顔。
いつもこうやって私の素直になれない心をこじ開けていく人。
でも、私は知っている。
少女漫画なら私の帝様へのこの思いは叶わない。
可愛い少しどじで頑張り屋の向日葵みたいなヒロインがあらわれて彼の横に並ぶんだ。
私はライバルキャラ。
選択肢は2つ。
ヒロインを陰湿に苛めて家ごと新宮を敵に回すか?
良い女を装ってヒロインをヤキモキさせるか。
選ぶなら後者でしょ。
だって家まで巻き込めない。
だから、私は頑張る。
帝様が幸せになれるなら当て馬としての職務を全うするべく自分磨きを頑張ります。
私の幸せは帝様が幸せであることなんですから。
コメントいただけたら頑張ります!