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力を重ねる

―日神邸―



「……もう一回だ」



火神 爆が構える。



スルトを握る。



(オド……流れを掴め)



体の中を巡る感覚。



それを――



刀へ。



流す。



ブンッ!!



振る。



ドゴォン!!



爆発。



だが――



「……散ってるな」



日神 烈火が言う。



「力は出てる。だが“まとまってねぇ”」



爆は舌打ちする。



「……クソ」



再び構える。



(剣は……俺そのもの)



(なら――)



(力も全部、一本にまとめる)



踏み込む。



振る。



ドゴォォン!!



今度は――



爆発が“一点”に集中する。



烈火がニヤリと笑う。



「そうだ」



「それが“重ねる”ってことだ」



爆は息を吐く。



「……まだ荒いな」



「当然だ」



烈火が笑う。



「だが今のは――“戦える”レベルだ」




―鬼鼠谷邸―



滝壺が静かに構える。



黒刀『宵丸』を握る。



「……参る」



踏み込む。



ザンッ!!



一閃。



その軌道に――



黒い“無”が乗る。



八兵衛がわずかに頷く。



「……よい」



「ようやく、形になってきたか」



滝壺は構えを崩さない。



「まだ未熟です」



「うむ」



八兵衛は静かに言う。



「ならば、次へ進むぞ」



「……はい」



「呼吸を意識せよ」



滝壺の呼吸が変わる。



「シィィィィ……」



吐く。



その瞬間――



黒い“無”が増す。



濃くなる。



「……ッ」



身体が重くなる。



「それが無限呼吸の入口よ」



低く、静かに言う。



「まだ浅い」



「だが、確かに掴んでおる」



滝壺は歯を食いしばる。



「……使えます」



一歩、踏み込む。



ザンッ!!



先程より速い。



だが――



「……重い……」



膝がわずかに沈む。



八兵衛は頷く。



「然り」



「力は増す。されど、負担もまた増す」



「それを制するが“使い手”よ」



滝壺は静かに構え直す。



「……ならば」



「制してみせます」



八兵衛がわずかに笑う。



「よい覚悟だ」



―不動明王邸―



「“万物斬”を使いなさい」



その言葉。



斬刹が笑う。



「……やってやるよ」



刀を握る。



(何を斬るか……)



一瞬。



父の顔。



母の姿。



過去の記憶。



「……全部だ」



「俺の中の全部を――斬る」



踏み込む。



ザンッ!!



空気が歪む。



「……」



不動明王の瞳がわずかに変わる。



斬撃が届く。



深く。



だが――



止まる。



「……未完成ですね」



穏やかな声。



斬刹が笑う。



「ははっ……だろうな」



だが、その目は確信していた。



「……だが、見えた」




―都市・夜―



照夜が立つ。



「……もう一回だ」



光を巡らせる。



天照。



影を流す。



月詠。



同時に。



「……ッ!!」



痛み。



だが――



止めない。



流す。



混ぜる。



「……いける」



その瞬間――



影が暴れない。



光も崩れない。



「……ッ!」



成功。



まだ一瞬。



だが――



確実な進歩。




―日神邸―



爆が構える。



「……もう一発」



オドを巡らせる。



スルトへ。



振る。



ドゴォォン!!!



爆発。



今度は――



完全に“一点”。



烈火が笑う。



「いいじゃねぇか」



「それが“お前の剣”だ」



爆は息を吐く。



「……まだ未完成だ」



だが――



目は迷っていない。




全員が、“次の段階”に入った。



力は揃いつつある。



だが――



まだ届かない。



あの男には。




次に必要なのは――



“実戦”。

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