表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/30

覚悟の刃

―日神邸―



ブンッ!!


ブンッ!!


ブンッ!!



火神 爆は振り続けていた。



汗が地面に落ちる。


呼吸は荒い。



「……まだ迷ってやがるな」



日神 烈火が腕を組んで見ている。



「……うるせぇ」



爆は睨み返す。



「分かってる」



再び構える。



(俺の剣は何だ)



振る。



(壊すためか?)



振る。



(守るためか?)



振る。



(……違う)



その瞬間。



幼い頃の記憶がよぎる。



――「もっと強くなりてぇ」



――「守りてぇもんがある」



――「負けたくねぇ」




「……ッ」



刀を握る手に力が入る。



(俺は――)



振る。



ドンッ!!



爆発。



だが――



その爆発は、ほんの少しだけ“まとまっていた”。



烈火が笑う。



「いいじゃねぇか」



「“形”が見えてきてる」



爆は息を吐く。



「……まだだ」



だが、その目は変わっていた。




―鬼鼠谷邸―



カンッ!!カンッ!!カンッ!!



木刀がぶつかる音。



千本――を超えている。



滝壺の腕は震えている。



だが――止まらない。



「……いいですね」



鬼鼠谷 八兵衛が静かに言う。



「やっと“思考が消えてきた”」



滝壺の動きが変わる。



無駄が消える。



「次です」



八兵衛が一歩踏み出す。



「実戦に移ります」



滝壺の目が鋭くなる。



「……はい」



八兵衛は背を向ける。



「ついて来なさい」



その先にあるのは――



新たな刀。



黒刀『宵丸』




―不動明王邸―



静かな庭。


風が木々を揺らす。



その中央。



罪道 斬刹が膝をついていた。



「はぁ……はぁ……」



満身創痍。



「……もう一度、いきますか?」



穏やかな声。



不動 明王。



斬刹は笑う。



「当たり前だろ」



立ち上がる。



刀を構える。



「今度は……斬る」



不動明王は微笑む。



「良い目になってきましたね」



一歩踏み出す。



その瞬間――



ザンッ!!



斬撃。



だが――



「……」



不動明王の腕に、浅い傷。



血が滲む。



沈黙。



斬刹の目が見開く。



「……当たった」



不動明王はその傷を見る。



そして――



微笑む。



「ええ」



「今のは、“殺意”ではありませんでしたね」



斬刹が息を呑む。



「……分かったのか」



「はい」



穏やかな声。



「“斬る理由”が変わりました」



「それが、万物斬の本質です」



斬刹は笑う。



「ははっ……面白ぇ」



「まだいけるな」



「ええ、何度でも」



再び構える。




―都市・夜―



「……ッ!!」



暁 照夜の身体が震える。



影が暴れる。



触手のように広がる。



「……抑えろ……!!」



必死に押さえ込む。



だが――



暴走しかける。



その時。



光が流れる。



天照。



影とぶつかる。



「……ッ!!」



激痛。



だが――



止まる。



影が、収まる。



「……はぁ……」



膝をつく。



だが、笑う。



「……やっと、見えてきた」




―鬼鼠谷邸―



滝壺は刀を握る。



黒刀『宵丸』



ゆっくりと抜く。



――瞬間。



空気が変わる。



「……ッ!?」



意識が揺らぐ。



視界が黒く染まる。



遠くで、八兵衛の声。



「それが“試練”です」



滝壺の意識は――



沈む。




修行は、さらに深くなる。



覚悟が試される。



全員が、“次の段階”へ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ