第四十七話 自分たちで狩りをする
辺境伯領に戻るとコボルト討伐の依頼達成の書類を提出した。俺達は経験値が欲しいのでなにか依頼がないか尋ねた。
「貴方がたに紹介出来るのは現在、ゴブリンの討伐だけになります」
パーティとしてのランクが依然として低い為、ゴブリン討伐しかなかった。
しかもゴブリンが発生しているのは、いつもの如く、俺達が拠点にしているケツァーナ村だった。
辺境伯領から転移魔法陣でケツァーナ村の拠点の近くに転移すると好き放題に暴れまくるゴブリンどもの姿があった。
「師匠、俺に任せて下さい」
そう言うとバズは、ギターを抱えて攻撃用のフレーズを繰り返した。特に詠唱をしている感じでは無かったが、驚くほどの魔法陣が展開された。
そして物凄い数の火炎が発射された。完膚無きまでに降り注ぐ火炎はゴブリンどもを蹴散らし、辺りに自生する樹木すらも軽く焼きつくした。
俺とティナそれにジルは呆気に取られながらその様子を見ていた。
「どうっスか! 師匠」
「どうっすかって、やり過ぎだろう。少しは加減したらどうなんだ」
「これでも加減したっス」
「加減したって、ファイアバレットでもなくファイアランスだろ! あれ……」
「いつもより相当手加減したっス」
「そうか、それよりティナ水魔法使えるか?」
「少しは」
「山火事を消してくれ」
「自信ないわ」
「そん時は俺がフォローする」
「わかったわ!」
そう言ってティナは水魔法を使った。するとバケツをひっくり返したような雨が空から降ってきた。一気に火事は鎮火したが、川が決壊して洪水を引き起こした。
「ティナやり過ぎだろ」
「これでも加減しましたわ」
「そうなのか」
俺は底力がついた二人を頼もしく思うも、しでかした結果に途方にくれた。
倒したゴブリンは焼け過ぎて姿が判別出来なくなったり、洪水で流されたりで数体の死骸しかなかった。
そこから証拠の耳を切り取った。その様子をコボルトのジルがジッと見つめていた。
「これをクランに持って帰るか」
俺はつぶやいた。
「そんな物持って帰って何になるんだ」
ジルが横から口を挟んだ。
「何を言ってるんだ、ジル! 経験値を稼ぐんじゃないか」
「弱い奴の経験値を集めてもしょうがなかろう」
「そんな事言ったってクランが弱い奴しか紹介してくれないから実績作るしか無いじゃないか」
「そんな人間の紹介なんか無視して自分達で狩りをするんだよ! そうしないと経験値なんかすぐにはたまんないぞ」
「言われてみればそうだよな」
俺はジルが言う事に納得したが、疑問があったので口にした。
「けど、紹介もなしにどうやって経験値を稼げる魔物を見つけるんだ」
「任せておけ! お前等の能力はそこら辺の冒険者なんか軽く凌駕している。それに相応しい奴を狩らねばな」
そう言うので俺達はジルの後に付いて行くことにした。




