第一亜談
「創作って難しいよね」
そう思う。そうであってほしいとも思う。
そうだね
「一緒に考えましょう、易化にし……。どうやったら楽で早く書けるのか、を」
ええよ、やろう
「やった。よし、では方針を決めます。まず思いついたことは何でも言ってください。」
分かったわ
「まず私からぬたまいます。噛んだ。えっと…」
ははっ
「笑ってもいいですよ。笑い返してやりますから。……あれ、なんだっけ。何喋ろうとしてたんでしたっけ?」
言われても、私にはわかんないよ
「思い出すから、あなたから話してみて」
え。なんだろうね。文を書くとき文体を会話調じゃなくて、ちゃんと小説っぽくするとか
「いいわね。私、小説は書いたことないのです。考えたことありませんわ。漫画描きたいのです。下手くそなものしか、生涯描けなかったとしても!一番良いものを描きたいのです」
そうだったんだ。
「私、私思い出しましたわ!かっこいい必殺技の名前です!♡!電撃光底。」
おお、そうか。よかたな。四字熟語系を言っていくのか?
「いや、何でもいいんですよ。よかたなとか言っていいんですよ。最初に言ったでしょ、思いついたことは何でも言ってくださいって」
ごめんよ。私も思いついたから言ってみるよ。ダジャレみたいなものだけどね。イズコレンジ
「よろしい。ところでイズコレンジってどういう意味?聞いてもよろしい?」
良いけど、ほんとに聞きたいのか
「じゃあご遠慮しておきますわ。/ホントハキキタイナ~」
イズコレンジは何処と書いてイズコと読むだろう。それと範囲を表すレンジを繋げただけ
「かっこよく言うと何処圏。なかなかいいですね。どこか分からない場所みたいに聞こえますわ。不思議な感じだけど字面は私の言葉で語れぬ良さを感じます」
すごい褒めてくれるね。
「貶してもどうにもなりませんわ。」
そう思っているのか
「ええ、そうです。申しました通りよ。また一つ私のアイデアについて述べさせてもらってよろしい?」
ええ、どうぞ。ご自由になさって
「有り難く貴方の限りある人生のひとときをいただきますわ」
大げさじゃないか。気にしてないよ
「お気遣いに感謝します。聞いてください。電撃光底の元ネタです!なんと流星光底という四字熟語が元ネタなのです」
ふ、初めて聞いたな。
「この四字熟語には剣が速く振り下ろされるといった意味があった、筈!つまり、ただでさえ速い電撃がより速く届くイメージを与えられると言うわけでしてよ!」
電撃を相手に浴びせる技なんだ。浴びる技だと思ってた。光の底だし
「いーや、その推察ご明察。これは自身に電撃を浴びせる技でも有るのめす……」
私めは笑えばいいのでありましょうか?
「です!……違うんです。続けます。この技の使い手について話さなければなりません。長くなりそうなので止めときます。次よろしい?」
え……。じゃあ神韻縹渺と書いてマジヤバイと読むとか。言葉に言い尽くせない感嘆みたいな意味だからほとんどヤバイと同じ……使い方〜みたいな?
「いいわね。いいんじゃない。そのアイデア、あれねえーと、神韻縹渺わね」
口頭で言ったら単に語彙力の無い人だね
「まあ、使って覚えるみたいなものですよ。ちょっと気に入りましたわ。あなたとメールするときこれ使いますわ」
お気に召すまま、どうぞご自由に
「じゃあ、私も言わせてもらいますよ。とびっきりの創作論」
!……駄洒落バトルじゃないのか
「駄洒落も好きよ。……あ。私は創作したいと思う人には書きたいシーンが有ると思っています」
まあ、それなりに有るだろうね。君は?
「私にだって有りますよ。もちのろんですわよ。唐突ですが、創作論一つ目は書きたいシーンを箇条書きにして整理する!です」
よく聞くやつだね。良いと思う。普通に、物語に整理をつけやすくなるな
「そうなんですよね。もう一個発表!デデデデ〜デン!物語の最初と終わりを一番最初に作るということです」
聞いたことあるわ。ちょっと違うけど、漫画家がいつ打ち切られても良いように途中で終われるようにしてるみたいなことでしょ?
「そうですわ、そうですわ。本質はきっと同じでありますわ。思い出したのでもう一つ。設定なしにいきなり書きだすことです」
あまり聞かない気がするな。大抵設定を詰めてから書きなさい。そういった内容の助言が多い気がする。……でも言われてみれば、そんなことも書いてたような?
「多分、書き出して分からない所を把握せよ〜みたいなやつだと思いますわよ〜ん。私もこれと言いたいことは同じですね。」
へあ。そうか。
「そう、で〜。私思うんですよ、あ、ちょっと良くない癖ですね。あ〜創作が難しいと思うのは主観的な話ですよね?」
他に何かあるということか?
「単なる同意の要請でして。言いたいことはまだですわ。多分要因の一つに何を実行すればよいのか分からない、が有ると思いますのよ。」
まあ、よくあることだろうね。人によるだろうが
「はい、そうです。これに陥るときに役に立つのがとにかく書き連ねるということだと思います。」
書いている内に課題点が分かるから、解決しろということか?
「いい考えですね。想定外ですわ。私の考えは書いている内に書きたいものが頭に浮かぶと思うんです。するとそれを書くために色々やることが分かって〜って貴方と同じ考えですね。」
帰結は同じだが、私には無い要素があるから同じではない。
「そう……ですね。少し違いますかね。」
語る言葉が一字一句同じだとしても、別個体が抱く考えが全く同じではないだろう。誤差だが
「それもSFっぽくて良いですわ。」
結局は知性は孤独に過ぎない。差異を理解して自己と他者の境界を作っていく。
「まあ、そうですね。私たちはあくまで理解していくだけで、一つにはなれない」
他には、創作の時展開というものが大事だと思う。展開は変化とも言えて展開は創作のすべてに近い。
「何も変わらない物語は聞いたことないし、そうなのかしら。まあ面白い展開とかよく聞くし物語の要素として主要なものかな〜……?」
でも展開が面白くても、理解できない展開の表現をしたらつまらない。当たり前だけど伝わる言葉の使い方をしないと作品としては評価されない。と思うよ。
「ああ、でもやっぱりどんなに酷くても作れないと評価もできませんわ。一つのことだけでなく色々なことが創作には必要なのだわ。何度も持ちうる限りの今できる今できた作品を作って言って、足りないところを少しずつ探していくしかないんだわ。」
一番大事という訳では無いけど、強い動機による使命的な創作が出来ないなら、自分が見たい景色を作っていくのがいいんだろうと思う。結局何がしたいかは永遠に付き纏うと思う。
「創作をする前に私たちは生きていて、熱望ではないかもしれないけれど、死にたくはなくて、生きていたいのよね?……生きていたいと欲するからここに居て創作をしたいと思うこともできるという欲望の現れ……う〜ん。まあ、したいと思う訳は少なからずあるわね」
後は、何をしたいか、というテーマが大事だと思う。作品のテーマを決めてそれに従いたいなら良いけど、自分がやりたいことをテーマにしていく方が気持ちがいいと思う。やりたいことがあるなら、やり終えたなら作品は終了でまだやりたいことが終わらないなら、続ければいい。
「でも、人にも見てもらって評価してもらいたいわ。評価されるにはやりたいことだけやってもうまくいきそうにはないわ。分析して合わせたり、読者層の好みとか世相を見ないといけないのではないかしら?」
他人から作品を評価してもらいたいなら、他人が評価できる要素を入れるのは間違いなく大事だろう。他人が見たいテーマについて考えていくのが大事だ。流行りに合わせるのとは違うけど、需要の見極めは大事と思う。
「ちょっと、話を変えてもいいかしら?私かっこいい言葉を思いついたの。批評してくださいまし」
良いよ、考えてきたか




