【二年の情景】第26話:『放課後ヘドバン』
『放課後ヘドバン』
https://youtu.be/PtzEj_gYwKQ
※こちらで視聴可能です
日常の風景、そして放課後の魂
凛の知的な魅力が炸裂した新曲『私、結構優等生』が完成し、バンドのレパートリーに加わった数日後。いつもの練習スタジオで、メンバーたちはその新曲について話していた。
「いやー、それにしても凛の『勉強は青春の快感!』ってやつ、マジで名言だよね。尊敬するわ」
ミオがしみじみと言うと、ユメカも「うんうん!凛先生、かっこよかったー!」と純粋な瞳で頷く。葵も静かに同意している様子だ。
しかし、その会話を聞いていたドラムのルナが、スティックをカツンと床に打ち付け、立ち上がった。
「私は、勉強なんかクソくらえだね!」
その突然の、そして過激な発言に、スタジオの空気が一瞬凍り付く。
「ちょ、ルナ!?どうしたの急に!凛のことディスってるわけじゃないよね!?」
ミオが慌てて割って入る。
ルナは、そんなミオの心配を笑い飛ばすように、ニヤリと歯を見せた。
「違う違う!凛はすげえよ、マジで。でも、私は私。勉強も大事なのはわかるけどさ、今の私にとっちゃ、もっと大事なことがあるんだって話!」
ルナは、自分の胸をドンと叩きながら、熱く語り始めた。
「だってさ、毎朝、目覚ましとガチバトルして、どうにか布団から這い出して、遅刻ギリギリで学校に駆け込む毎日だよ?メイク?してる暇なんかあるわけないっての!」
ルナのリアルな日常の描写に、ミオが「わかるー!」と激しく頷く。
「ノート?出席?テスト?正直、そんなことより、今すぐ食べたい焼きそばパンのこととか、好きなアイツの横顔のこと考えてる方が、よっぽど大事じゃない?」
「めちゃくちゃわかる!私も授業中、ノートの裏は全部新曲の歌詞で埋まってるもん!」
ミオも負けじと叫ぶ。
「でしょ!?『大人になれ』とか『ちゃんと将来考えなさい』とか言われるけどさ、うちらの人生、まだこっちのターンじゃない?今を楽しまないで、いつ楽しむんだよ!」
ルナの言葉に、ミオのテンションも上がっていく。
「そうそう!制服着てるこの時間って、最強に無敵な気がしない?校則とか、くだらない授業とか、全部ぶっ飛ばして遊びたい!」
「うんうん!放課後って、なんかキラキラしてるよね!」
ユメカも目を輝かせて二人の会話に加わった。
「だからさ、私にとっては勉強なんかより、今、この瞬間が宝物なんだよ!」
ルナはスティックをマイクのように握りしめ、叫ぶ。
「キスしたっていいし、ケンカしたっていいじゃん!失恋したって3秒で復活!全部ライブのノリで、全力でぶつかって、全力で立ち直ればいいんだよ!」
普段はどこか飄々としているルナの、内に秘めた熱い魂が爆発していた。
「…ヘドバン」
今まで静かに聞いていた葵が、ボソリとつぶやいた。
「そう!ヘドバン!命削ってヘドバンするくらい、このどうしようもない放課後を愛したいんだよ!」
ルナが葵の言葉に乗っかると、ミオは雷に打たれたような顔をした。
「ルナ…あんた、最高だよ…」
凛は、くすくすと笑いながら、そんなルナを温かい目で見つめていた。
「ルナさんらしいですね。その生き方、私は好きですよ。私とは正反対ですけど、だから面白いです」
その言葉に、ルナは少し照れたように「まあね」と笑った。
ミオは、感動を隠しきれない様子で叫んだ。
「その魂、曲にするしかないっしょ!あんたのその叫び、最高のロックナンバーにしてやる!」
「出たよ、ミオの口癖」
ルナは笑いながらも、まんざらでもない表情だ。
「タイトルは『放課後ヘドバン』だ!笑って怒って泣いて歌って、全部ひっくるめて青春に変えてやる!そんな曲にしようぜ!」
「いいね!制服のまま叫びたい!『一生、放課後でいたい!!』って!」
ミオとルナの声が、スタジオに力強く響き渡った。
こうして、また一つ、「東京たんこぶ」に新しいナンバーが追加されることになった。
ルナの、今この瞬間を全力で生きるという魂の叫びが詰まったこの曲は、きっとライブでオーディエンスの頭を激しく揺らす、最高のアンセムになるだろう。
『放課後ヘドバン』
https://youtu.be/PtzEj_gYwKQ
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