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こだまこまちと杜人ユウ  作者: こだまこまちProjectもおちゃん
第3章  癒しの里の衝撃
38/51

おむすび

挿絵(By みてみん)



「これが、私めと料理の出会いです。遠い遠い昔のお話です。聴いてくださってありがとうございました」


「ヨ、ヨ、ヨコグラ殿ぉぉぉぉおお!自分は、猛烈に感動してるっす」


挿絵(By みてみん)


「えぇ、いいお話ね。ヨコグラさんは、それからずっとこの森を守ってきたんですね」


「ぼくも、その”おむすび”をつくってみたい。ヨコグラ師匠、よろしくお願いします」



挿絵(By みてみん)



「はい、お任せくださいませ。では、まず手を清めましょう」


ぼくたちは、この部屋にやってきたときに通ってきた、光の沢の中に手を浸した。


「よく星水で手をお清めください。みなさまの手が清められるほど、ご自身のルミナがよく手のひらから食材に伝わっていきます。さあ、こちらをご覧ください。おむすびは、このように三角形のように握っていくのがコツです。やはり、このような山には、神様が住まうと言われております。どんな山にも、神様はおりますゆえ、おむすびもこうして山型にするのです」


「そういえば、西京の都市の真ん中にも大きな山があるなぁ」


「そうですか。トミタ様は山もお好きでしたから、さぞわくわくなさって西京に移られたのでしょう」


んっ!んっ!んっ!


「もう、エノキさんったら、強く握り過ぎじゃない?」


「そうっすか?でも、きっちりギュッとしとかなくては、崩れてしまうっすよ」


「エノキさん、素晴らしいですね。よいと思います。おむすびは、握るだけですが、握るだけにあらず。一人ひとりの生き方やこれまでの経験が入り込んでくるのです。お米同士のルミナとルミナをくっつければ、形も大丈夫です」


「ルミナとルミナをくっつける・・・ヨコグラ師匠、こうでしょうか」


「はい!いい感じですよ。料理は宇宙です。どんなに、私め共が気にしようとも、宇宙の奥深さに比べれば、大した問題ではございません。宇宙の配剤に任せれば、味は自然と導かれるものですよ」


「配剤?配剤ってなんですか?」


「ふふ。いろんなものがほどよいバランスなんです。星も、私たち精霊も、人間も。そして、このおむすびも。無理に、うまくやろうとか、力を入れる必要はないんです・・・」



ドンドンドンっ


ドンドンドンっ



「な、なんの音?」


「さて、お客様でしょうか」



バタンっ!


「なんだか、すごい音がしたけど」

「ちょっと、見に行ってきます。ユウ様方は、このままおむすびづくりをしていてください」


そう言い残して、ヨコグラ師匠は光の粒とともに消えていった。


「何事かしら・・・」


「心配っすね」


しばらくして。

ヨコグラ師匠がまた光とともに現れた。

「ヨコグラ殿ーー!大丈夫っすか?」


「ユウ様!イロハモミジ様!エノキ様!申し訳ありませんが、すぐに来ていただけませんか!!?」


ひどくあわてた様子だった。


ぼくたちは、料理を中断し、ヨコグラノキとともに宿の玄関へと急いだ。


「一体、何があったんですか!」


「とにかく、一緒にお越しください」


玄関に辿り着くと、そこには・・・。


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