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赤き光の声に

挿絵(By みてみん)



チラ

チラ

チラ

ピーーーーン


目の前に赤く輝く小さな光の球が現れた。


「怪異か!?」「怪異!?」「怪異っすか!?」


3人は一同に身構えた。


その球は、ゆっくりと浮かび上がり、僕たちの目の高さで止まった。


「遅かったな。今度の杜人はずいぶんとノロマじゃな」


「なんだと」


「ユウ、ちょっと待って」


「その声は、まさか・・・あぁ、まさか、そんなお姿になられてしまったっすか」


「我が名はアカガシ。小僧、名を申せ」


挿絵(By みてみん)


「は、やっぱり、大精霊アカガシ様でございますか!!」


イロハモミジは、その場にひざまづき、エノキもそれに続いた。


「こら、ユウ殿!頭が高いっす!」


「あんだよ。まったく。大精霊っていうからとんでもないじっちゃんが出てくると思えば、姿は見せないし、急に失礼なことを言うし」


「いいから、早く!」

イロハ先生が、ぼくの手をつかんで引っ張る。


やれやれだ。

ぼくも、2人にならい、ひざまづいた、しぶしぶ。


「もう一度問う。小僧、汝の名を申せ」


その声は、静かでありながらも圧倒的な力を持っていた。


僕は少し緊張しながら、自分の名前を名乗った。


「・・・ユウです」


アカガシは僕をじっと見つめているように感じられた。


そして、その声が再び響いた。


「ユウよ。我を登り、この異変の原因を突き止めよ」


アカガシが僕を試そうとしていることは明白だった。


「ぉい!ぃきなりなんだっていうんだよ」


アカガシの圧倒的迫力に気圧されながらも、

相手につけこまれるようなスキを見せてはならない。


「ぼくが、アンタを登るってこと?」


「あぁ、そうだ、ユウよ。何度も言わせるでない。原因を突き止めれば、これまでの無礼を許そう」


「おいおい、おかしいだろ。無礼はどっちだ」


「ユウ殿。自分からもお頼み申すっす。本来、この鎮守の森は、時空を超えた場所にあるっす。だから、怪異もまた立ち入ることが難しい場所にあるっす。なのに、この異変は明らかにおかしいっす。どこかに、怪異の入り込む隙間か何かがあると思うっす」


「ユウ。大精霊アカガシ様は、この森を拓いた最初の樹木であらせられます。

私たちも一緒にいきたいところなのだけど。大精霊アカガシ様にはだいぶお疲れの色がうかがえます。私たちも一緒に行けば、大精霊アカガシ様に多大なるご負担をおかけしてしまいます。森の声を聞くことのできるユウなら、あるいは・・・大精霊アカガシ様のためにも、ユウひとりで登ってくるしかありません」


「おいおいおい、ぼくだって疲れてるっての。それに一人ってまじかよ!」


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