表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/51

樹木を管理する術を持つ者

挿絵(By みてみん)




ドシーン


ズーン


ドシーン


ズーン


「わわわわ!」


「なんだ、なんだ」


グララララララララ


大きな揺れだ。


「じ、地震か」


逃げ惑う人々が足を止めた。


「違う、何かが歩いてくる。何か、とてつもなく大きいものが、こちらへ向かって、歩いてくる」


ドシーン


ズーン


瞬間。


目の前に信じられない光景が現れた。


巨大なメカが、森の中に突如として現れたのだ。


挿絵(By みてみん)




「まっ、まさか!」


見上げる人たち。


「あぁ」


「あれは・・・じゅ・・じゅ・・・つし、なのか」


「まさか、樹術師(じゅじゅつし)が、起動・・・されたのか・・・」


樹術師と呼ばれた巨大メカは、その大きな爪を開いて、木を引っこ抜き、

大きく振りかぶった。





ヒューーーーン、ドーーーーーン!


「樹木が、根っこごと引き抜かれて、飛んでくる!!!!・・・」


「みんな、伏せろぉぉぉぉぉぉおおお」


グラララララララララ

大地が揺れる。

そして、土埃。


「おい!おい!!大丈夫なのか!」


「うー、いってーーーーーー、いてーーーよーーーー」


「く、足が、足がーーーー!はさまって動け・・・」


「待ってろ、今助けるからな」


森にやってきた男たちは、混乱を極めていた。



「ナンナノ、アレ・・・」


スギは、立ち尽くした。


「アンナニ、オオキイノ、ドウヤッテ・・・」


男たちは、言う。


「樹術師は、樹木を管理する術を持つ者。オレたちの働きが不十分だったから、代わりにスギを殲滅しにやってきたんじゃ」


「もしそうだったとしても、このままじゃオレたちも巻き添えを喰らうだけだ」


「とにかく逃げるぞ」


「逃げろ、逃げろ!樹術師が起動されたら、もう、オレたちの出る幕はない!!」


樹術師は、その長い腕で、ところかまわず木を薙ぎ払っていく。


森の樹木たちが、ドミノ倒しのように倒れていく。


「ワタシノ・・・ワタシタチノ、モリヲ、アラスノハヤメテーーーーーー」


スギは、ムチを握りしめ、果敢に樹術師に挑んでいった。


挿絵(By みてみん)




「ココカラ、タチサレーーーーーーー!」


ビュオン!


カーン!


樹術師の脚部にあたったムチが弾かれる。


「ヤメテヨーーーー!」


ビュオン!


カーン!


ビュオン!


カーン!


ビュオン!


カーン!


「ナンテ、ガンジョうサナノ」


樹術師は、また腕を振り上げた。


そして、スギをめがけて、振り落とした。


「キャャャャャャァァァァアアア」


バリバリバリ・・・


スギは、吹き飛ばされ、周囲の木も粉々に弾け飛んだ。


「アァ、ァァ・・・もうやめて・・・やめてったら」


スギは、その凄惨な光景にショックを受け、渾身の力で立ち上がり叫んだ。


「わたしたちの・・・森が・・・みんなぁ・・・みんなぁ・・・!誰かたすけてよぉぉぉぉぉぉ!」


スギを・・・森を・・・救いに来るものはいなかった。


スギは、ガクリと膝から崩れ落ちた。


薄れいく意識の中。


樹術師の次の一撃。


ミンナ・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

マモレナクテ・・・ゴメン。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ