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変夢奇譚 ~くだらない夢のよせ集め~

直後の出来事 (変夢奇譚 ~くだらない夢のよせ集め~ 第17夜より)

作者: Ak_MoriMori

変な夢を見た。


  私は、部屋の中で、スマートフォンを眺めている。

  ここは、女の子の部屋のようだ。

  私の精神は、この部屋の(あるじ)の中にあるものの、傍観する立場のようだ。


 ・・・・ 

  

  彼女の名前は、空駄(くうだ) 蘭子(らんこ)


  クダラン女子高等学校の三年生。

  クダラン研究同好会の会長をつとめている。


  彼女は、今、動画サイトのくだらない動画をなんとなく、見ていた。

  その時、スマートフォンに通知が入る。


  『クダランコウエンニ ヒトキュウマルマルジニ コラレタシ レイ』


  「お前は・・いつの時代の人間だよ・・・。」と、蘭子はつっこむ。


   メッセージを送信してきたのは、根田葉(ねたば) (れい)

   蘭子と同じく、クダラン女子高等学校の三年生。

   クダラン研究同好会の副会長だ。


   蘭子は、麗にメッセージを送信する。

  『了解』


   一分後、また、別のメッセージを受信する。

  『クダラン公園に、午後七時に来てください。待ってます』 


   このメッセージを送信してきたのは、藁江(わらえ) (まい)

   蘭子と同じく、クダラン女子高等学校の三年生。

   クダラン研究同好会の会計係だ。


   蘭子は、舞にメッセージを送信する。

  『わかった。待ってて』


   一分後、またまた、別のメッセージ。

  『先輩。クダラン公園に、午後七時に来て』 


   このメッセージを送信してきたのは、殿間(とのま) 佳代(かよ)

   クダラン女子高等学校の二年生。

   クダラン研究同好会の下っ端(したっぱ)会員だ。


   蘭子は、佳代にメッセージを送信する。

  『わかった』

 

   なんだろう・・・?

   蘭子は、不安になった・・・。

   同好会の全メンバーが、わたしにメッセージを送ってくるなんて。

   しかも、一分おきに、同じ時間、同じ場所に来いだなんて・・・。

   なんか、怪しい企みを感じる・・・。


   クダラン公園は、クダラン高校のすぐ(そば)の公園だ。

   今から出かければ、ちょうどいい時間に着くはずだ・・・。

   蘭子は、急いで身支度すると、公園へと向かった。


   ・・・・


   電車を一本、乗り過ごしてしまった・・・。

   蘭子は、急ぎ足で、公園へと向かう。

   向かっている間も、蘭子の頭の中は、いっぱいだ。


   最近のみんな・・・様子がおかしかった・・・。

   わたしに隠れて、なんか、コソコソしてる感じ・・・。

   みんな、同好会をやめたいのだろうか?

   たしかに、女子高生がするようなものではないとは思うけど・・・。


   いろいろな考えが、蘭子に襲いかかる。

   急ぎ足のためか、蘭子は、めまいを覚えた。


   午後七時を少し過ぎてしまったが、無事、公園に着いた。

   月が・・・公園内を静かに照らす。

 

  「おーい!こっち、こっち」と、麗の声。

  「あ、来た来た」と、舞の声。

  「先輩・・・おっそーい!」と、佳代の声。


   蘭子は、みんなのところに駆け寄る。


  「ごめーん。電車一本乗り遅れた・・・。それで・・・」


   蘭子は、不安そうな顔で、みんなの顔を見る。

   

  「なんの・・・よう・・・?」


   みんなは、意地の悪そうな顔でニヤニヤ笑っている。

   そして、蘭子の周りを取り囲む。


   そして・・・。


   ・・・・

   ・・・・

   ・・・・

 

   歌い始めたのだった・・・。


    ハッピーバースディー トゥ ユー

    ハッピーバースディー トゥ ユー

    ハッピーバースディー ディアー クダラン()

    ハッピーバースディー トゥ ユー

   

   決して、うまい歌とは言えなかった。

   だけど、蘭子にとっては、今まで聴いた歌の中で、一番心に響く歌だった。

   一点だけ・・・気になるところがあったが・・・。


  「なによ! クダランコって・・・。ひどぉーい!」


   蘭子の目から、涙があふれる。

 

  「でも・・・ありがとう・・・みんな。」


  「フフフ・・・泣くなって・・・クダランコ!」と、麗。

  「おめでとう。蘭ちゃん」と、舞。

  「アハハハ。先輩ィっ、泣きすぎぃッ!」と、佳代。

   全員が、手を取り合い、笑いながら、そして、目には涙を浮かべる。

  

   蘭子は、涙をこぼしつつ、顔をあげた。

  

   ・・・・?

 

  (その時、別の次元で、ある事件が発生していた。

   ある()()()()()が・・・たったのである・・・。)

 

   蘭子は、おかしなことに気づいた。

   なぜ、今まで気づかなかったのか?


   月が二つある・・・?

   さっきまでは、確か・・・一つだったのに・・・。


   一つは、いつもの月だ。

   もう一つは・・・どんどん大きくなっている・・・近づいてる!


そこで目が覚めた。


☆破滅フラグって何?

 気になったなら、第8夜「THE EARTH」をお読みくだされ。


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