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リア充は死ね(再掲載)  作者: 佐藤田中
第二章
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21話 性格ブス

 その日のある休み時間。僕はまたいつものように吉田達三名に絡まれていた。


「おい、モエ!お前最近橘さんとよく一緒にいるよな!昼飯いつもに食ってるしよお!」

「そうだね」

「お詫びとか言ってたけど、絶対にからかってるだけだろw」

「そうかもね」

「小鳥遊の次は橘さんかよ?」

「別にそんなつもりじゃ……」

「お前本当よく女に騙されてるよなw懲りないのかよw」

「向こうが勝手に絡んでくるだけだよ……」

「とか言って、あんな美人に絡まれて喜んでいる癖によお!」

「喜んでないって……」


 あんな性悪のスカトロマニア、こっちからお断りだ。




「つーか橘さんって相沢の元カノだろ?んで、小鳥遊がお前と付き合ったのだって相沢に近づく為って話じゃん?」

「そうだね」

「橘さんも、もしかして相沢とよりを戻したくて近づいてるんじゃねえの?」

「多分そうだよ」

「要するにお前に近づく女って全員相沢狙ってるわけw」

「多分そうだよ」

「てかお前相沢の友達だろ?」

「別にそんなこと……」


 あいつと僕とはそもそも友達ですらない気がする……。


「友達の相沢に好きな子寝取られて嫌じゃないの?」

「嫌に決まってるでしょ……」


 つーか寝取られるも、何も最初から小鳥遊さんは僕のことなんてこれっぽっちも思ってなかったし。

 ってか、寝取ったのはむしろ小鳥遊さんの方だし……。




「相沢ってぱっとしない割に、やけに女にモテてるよな」

「しかも可愛い子ばかりだしw」

「羨ましいよなあ……」


 性格にかなりの難がある人ばかりだけどね……。


「橘さんの次は小鳥遊だもんなあ」

「きっと橘さんと付き合ってた頃は、学校サボって毎日ヤりまくったんだろうなあ……」

「橘さん、パッと見清楚っぽいのに、ヤること何度もやってたんだよな」

「きっと相沢のを何度もしゃぶったんだろうぜw」


 しゃぶるどころかもっと凄い事散々もしてるよ……。


「普段話していても、結構凄い事沢山言ってるしなあ」

「男子でもあそこまで言う奴少ないぜw」


 あの人、口を開けば下ネタばかり言ってるしなあ。

 そこいらの思春期男子よりずっと下品だよ……。

 でもこいつ等的にはそれが逆にいいって思えるのか?




「ありゃきっと相沢に相当仕込まれたぜw」


 むしろ橘さんが直樹を仕込んだんじゃ……。


「橘さん、絶対ベットの上じゃ激しいぜ」


 あれはもう激しいなんて生ぬるい物じゃないだろ……。


「いいよなあ、相沢」

「橘さんと毎日だぜw」

「正直羨ましいわ……」


 橘さん、スカトロマニアだぞ……?

 やりたくもないスカトロプレイを何度も強要してたんだぞ……?

 事あるごとに土下座して、罪悪感に付け込んで直樹を服従させてたんだぞ……?

 それを知らないでこいつ等、こんな事平然と言ってるんだから本当におめでたいよなあ……。




「でも酷いよなあいつ。橘さんみたいな可愛い彼女がいて、小鳥遊に乗り換えた訳だし」


 正確には、小鳥遊さんが橘さんから直樹を寝取った訳だけど、言っても多分こいつ等は信じないんだろうなあ……


「そういえばあいつ、小鳥遊と付き合う前は他にも沢山の女子に囲まれてたけど、最近あまり一緒にいるとこ見ないな」

「ああw最近の相沢、小鳥遊としか一緒にいるとこ見ないわw」

「小鳥遊が彼女になったから、他の女が寄り付かなくなってるんじゃねえの?」

「まああれだけの美人だもんな」

「そりゃ勝てないって思うよなあ」


 つーかこいつら、僕を囲むように立って雑談するのやめろよ。

 雑談するなら僕から離れてやれよ。

 寝れないだろうが。




「で、小鳥遊取られたモエは、相沢とヤってる小鳥遊の事妄想しながらシコってるのか?」


 なに言ってんだこいつ。


「あれだろ!お前みたいなキモイ奴はNTRで興奮して抜くんだろ?」

「抜かないよ……」

「お前みたいなキモオタはそういうエロ漫画で抜くってネットで書いてあったぞw」


 さぞかし酷いインターネットで仕入れた情報なんだろうなあ……。

 つーかこいつら、絡むなら人畜無害な僕よりも直樹に絡めよ……。

 女たらしだしとにかくウザいし、虐めるならあっちにしろよ。マジで。

 まあ、僕の方が雰囲気的に虐めやすいってのが理由なんだろうけどさあ……。




「ってかさ、小鳥遊ってなんか変じゃね?さっきだって私と一緒にいたくないの?とか、相沢と離れたくないとか言って大騒ぎしてたし」

「たまにああいうの見るよなw」

「小鳥遊って変わってるよなあ」

「そういや小鳥遊、相沢と付き合う大分前は色んなクラスの陰キャラと日替わりで飯食ってたっけ」


 僕もその陰キャラの内の一人だよ……。


「友達いない上に一人で飯食うのが嫌だったみたいだけど、だからって毎日陰キャラと日替わりで飯食うってどうなんだよ?」

「そういや小鳥遊、女子からはめっちゃ嫌われてるもんなw」

「俺、最初はあれだけ可愛くて、オマケに勉強も出来て金持ちのお嬢様だから単に嫉妬してるだけって思ってたんだけど、それ以外にも嫌われてる理由ってあるんじゃねえの?」


 沢山あるだろうなあ……。




「案外あれで性格ブスなのかも知れないぜ?」

「そういや告った奴等、全員気持ち悪いって言って振ってたらしいぞw」

「ああ、うちのクラスの奴も何人かそう言われて振られたらしいな」

「そういや去年、A組の中村がバレンタインに逆チョコあげた時も、その場で捨てられたって話聞いたことある。しかも何入ってるかわからなくて気持ち悪いから捨てたって中村に堂々と言ったらしいぞ」

「いくらなんでも酷すぎね?」

「やっぱ性格ブスじゃんw」


 小鳥遊さんの性格は、確かに良いとは言えない。

 酷い言い方だとは思うが、性格ブスだと指摘されてもとてもじゃないが否定はできない……。


「つーか、男子に好かれるの嫌なら、なんで去年ミスコンなんて出たんだ?」

「目立ちたかったんじゃねえの?」

「んな事したら余計に告られるじゃん。女子にも余計に目つけられるだろうに」

「ミスコン出たら女友達が出来るとか思ってたんじゃねえの?」

「出来てないじゃんwつーか余計に顰蹙買ってるじゃんw」

「学年トップの優等生だから頭いい筈なのに、そんな事すら考えられねえのか?」


 小鳥遊さん、かなりのKYだからなあ……。


「そりゃそんなんじゃ虐められるわ。男子だって庇わねえよ」

「性格悪いって言うか、なんかズレてるよな」

「つーか大声ばかり出してて怖いし」

「まる子に出て来る前田さん見たいだよなw」


 こいつ等と意見が合うのは癪だが、僕もそう思う……。




「俺、モエとの一件聞くまでは小鳥遊の事、結構いいって思ってたけど、あれ知ってから普通に引いたわ」

「あれ以来男子からも人気なくなったよな」

「最近じゃ男子にすら無視されてるしなw」

「顔はヤバいくらいに可愛いけどさ、なんつーかあまり関わりたくないタイプ」

「相沢はよくあんなのと付き合えるよなw」

「見た目だけなら確かに小鳥遊の方がいいけどさ、面白いし親しみやすいし橘さんの方がずっといいじゃん」


 小鳥遊さんの性格や日頃の行いって、こいつ等ですらこういう印象持つくらい悪かったのか……。




「つーかお前も騙されてたとは言え、あんなのと良く付き合えてたよなw」

「え……、うん……」

「小鳥遊と付き合ってる時、どんな感じだったんだ?」

「恋人らしい事は何もしてないよ……」

「手もつないでなかったんだっけ?」

「……うん」

「他にはどんな感じだったんだ?」

「昼ごはんだけは絶対に一緒に食べたくないって言ってきたり、一緒に下校は週一回まででそれ以上は絶対に嫌って言ってきたり、デートは月二回までって言ってきたり……」

「なんだよそれ……」

「あと代金僕持ちで一緒に映画見に行ったら途中で帰りたいって言ってきたり、デート中僕がトイレ行ってる間に黙って勝手に帰ったり……」

「マジかよ……」

「僕がご飯奢ったら一口だけ食べてあとは全部残したり、デート中に立ち寄った店で僕を無視して勉強始めたり……、いきなりキレて勝手に帰ったり……」

「ヤベえだろw」

「あと基本黙ってるのに、直樹の事話す時だけ急に饒舌になったり……。直樹と橘さんのデートに出くわした時、僕の目の前で大泣きしたりとか……」

「うわぁ……」

「いくらモエでも流石に同情するわ……」

「つーか、そんなだったら最初から付き合うなよ……。遊びだとしても酷過ぎるだろ……」


 ええ……、何このリアクション……。

 小鳥遊さんの僕に対する態度は、普段僕をバカにしているこいつらでさえ思わず同情してしまうほど酷かったのか……。




「そもそも相沢と付き合いたいからって、わざわざモエと付き合ってたみたいだけど、まずそっから意味わかんねえよ」

「橘さんから相沢取る為にやったみたいだけど、そうまでして相沢なんかと付き合いたいのかよ?」

「つーか相沢やけにモテるよなw」

「そもそも相沢の何が良いんだ?話しててもつまんねえじゃん」


 僕もそう思う。

 小鳥遊さんは一体何が良くてあれ程までに直樹に執着しているのだろうか……。

 



 ちゃんと叱ってくれたのが嬉しかったとか、直樹君は自分を救ってくれるとか、あたしの事を本当にわかってくれる人は直樹くんだけだの、前に色々聞いたけど、正直小鳥遊さんの考えは僕にはさっぱりわからない。


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