プロローグ
最初に言っておく。この物語において僕は主人公ではない。
だから魅力的な美少女達にモテまくることもないし、スポーツに勤しむ訳でもないし、事件を解決する訳でもないし、ロボットに乗って戦う訳でもないし、勿論異世界に行ってチートスキルを駆使して大活躍する事もない。
この物語において僕は脇役だ。
モテないオタクが現実逃避の為に読むつもりなら、この物語ではなく他の物語を読んだ方がいいだろう。
クドいようだが俺TUEEE要素やハーレム要素を期待しても無駄だ。この物語において僕が良い思いをしたり、僕が報われるという事は決してない。
だから女の子にモテる事もないし異世界に行ってTUEEEもしない。
この物語において僕は脇役であり、良い思いをするのは常に主人公だからだ。
僕はただのキモオタの脇役。平凡な人間ですらない。
*
今、放課後の空き教室で告白という何とも青春的な光景を繰り広げている男女がいた。
「好きです!付き合ってください!」
そして今告白真っただ中のこの可愛い女の子は僕の好きな人だ。
「え?なんだって?」
そしてそれに対し、よくある鈍感難聴ハーレム主人公のようにダルそうな顔をしながら適当にあしらっている最低糞野郎。こいつは僕の知人以上友達未満の奴でこの物語の主人公。
この物語は僕という脇役の視点から、主人公である彼『相沢直樹』の構築したズレたハーレムライフと彼を取り巻く頭のおかしい美少女達を傍観した物語である。
勿論僕におこぼれが来ることもない。