9話 巨乳たちの酒池肉林
ディラン「クエストに行くぜ!」
ベリア「はい。わたしも行きます」+5万
ディラン「は?お前が何をするとかどーでもいんだけど」
ベリア「きゃあ!かっこいい!」
ダロアとエルナは顔を見合わせた。
しょっぱなからこれだ。
会話の繋がりなんて全く理解していないが
褒める単語がないとすぐキレる。
ディラン「敵のスライムが出た。くらえ無詠唱魔法!!」
構えに合わせてベリアが術式を展開する。
ディラン「バーンすごいストーム!!!」
叫び声に合わせてベリアは小声で火の魔法を詠唱した。
ディランの手元を起点にファイヤーが放たれた。
ベリア(魔法補助、臨時ボーナス獲得と)+1万
スライムが気化した。
ホウ砂を吸わないようにダロアが風魔法を使った。
ディラン「んだようぜー!風ふいてきやがった」
ディラン「また俺の天才メスさばきを見せるとこだったのによー」
エルナ「かっこいい!見たかったなー!」+5万
するとディランが右手にメス、左手に鉗子を持ってエルナに近づいた。
ディラン「よっしゃ!俺は実は天才内科医なんだぜ!見せてやる!」
エルナが引きつった顔でうしろに後ずさりした。
その直後に大きな魔法陣がディランを中央にして展開された。
ベリア「灰は灰に」
見えない熱波が地面から突き上げてディランを飲み込んだ。
次の瞬間には炎が男の全身を包んでいた。
ダロア「ちょ、やりすぎ!そいつ死んだらバイトひとつ減る・・・」
ベリア「まだ心臓は動いてる。生存中に規定セリフ以外を話しかけたら5万入る」
エルナ「よしラッシュかけて一気に稼ごー」
巨乳のワッペンを付けて額に美少女とマッキーで書いたウィッグ付けた三人は
燃える男の隣で短い単語を次々に口にした。
「暗」+5万 「陰」+5万 「運」+5万 「猿」+5万 「怨」+5万
「癇」+5万 「菌」+5万 「訓」+5万 「険」+5万 「困」+5万
「惨」+5万 「辛」+5万 「寸」+5万 「銭」+5万 「損」+5万
「痰」+5万 「沈」+5万 「中」+5万 「店」+5万 「豚」+5万
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冒険者ギルドがディランの死亡認定をするまでに三人は180の特殊セリフを
口にした。
900万が手に入ったのでアントニアを隣町の大きな病院に連れていって、
残りを5人で山分けした。
+ + + + +
ソアラは久しぶりに冒険者ギルドの事務作業をしていた。
アントニアが退院したのだった。
ディランが死んで今ギルドに登録しているナローシュは2人になった。
ぺらいマニュアルに書かれた台詞を口にするバイトを今日も持ち回りでやってる。
ベリアは優秀だと思う。
自分がすごい魔法使いだと一人で思い込んでいるナローシュに夢を見せて
やるためにモーションに合わせて代わりに魔法を唱えてるんだから。
それのオプションが1回1万。
一方で特殊セリフは1回5万。
でもみんな納得してた。ナローシュに自分の言葉を口にするのがやだった。
みんな嫌がるからギルドも単価をここまで上げた。
それでも引き受けるのは社会の底辺の自分らだけだった。
「よしできた」
捨てられてたマネキンに開発中のAIを搭載したロボットができた。
あとは声あてして規程のセリフを言うようにすれば一日1クリックで
ギルドからお金が入ってくる。
ぼろい商売もあったもんだ。ざまぁ。ざまぁ。
抽出:b50-v1 整形:g11-v3, bbtec-v1.3