第1章 第7話 魔物狩り
虫苦手な方、食事中の方、注意して下さい。
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ーードレグランス視点
俺たちはあの出会いの後ゆっくり過ごした。スレインの魔の森に潜んでいる魔物の紹介と説明、ベリルの気配の消し方講座、スレインのサバイバルにおける料理講座、ベリルのステータス隠蔽講座などなどーーーそんな知力をあげる毎日を送っていた。
そして今日、ついに魔物狩りに出る。制限時間は3時間。ノルマは30体以上の討伐。討伐区域は魔の森内。始まりと終わりに笛が鳴ることになっている。
まず真っ直ぐに走り出す。それと同時に誰でも使える魔法のうちの1つ《気配察知》を展開。すると俺の脳内にゲーム風のマップが表示される。
これはベリルに教えてもらった知識のうちの一つ、《設定》を使ったのだ。ステータスや表示方法などを変えれる魔法で基本的に強いやつは隠蔽しているらしい。
《気配察知》によると1時の方向に5匹、8時の方向に3匹いるな。1時の方向に行こうか。そして俺は駆け出した。そこにいたのは醜い姿の魔物「ゴブリン」。残念な知能と残念な容姿の魔物だが、繁殖能力は異常に高く、初心者や中級者の対魔物の練習相手としてよく狩られるどこまでも残念な魔物だが、ゴブリンAは人から奪ったのかボロボロの鎧と剣を纏っており他は鎧の類はつけずに槍、杖をそれぞれ2匹装備している。
ゴブリンはまだ俺に気づいてないようで普通に歩いている。俺はあらかじめ詠唱しておいた魔法を発動する。
『炎の弾丸』
すると俺の右手に幾何学的な赤い魔法陣が展開され炎の魔力を抽出。そして、形成された炎の弾丸は一筋の光を纏いながらゴブリンE(杖)の頭に風穴を開ける。ゴブリンたちは仲間が唐突に頭に風穴を開けて倒れ伏したことで混乱しはじめたようだ。しかし、音でバレたようで剣や槍、杖を振り上げ襲いかかってきた。
「GUGEGEGEGE」
「焔‼︎」
俺は焔を召喚し、魔力を込めながら相手を斬りつける。ゴブリンは一瞬で灰塵と化しそこに魔石が残される。それを確認しながらその勢いのまま独楽のように回転する。回転しながら足に炎を纏わせ蹴りつける。紅く燃える独楽と化した俺は周りのゴブリンたちを焼き払い・・・戦闘終了だ。
魔石を回収した俺は焔を収納し、炎蛇を腰に帯刀して歩き出す。
この時の俺は知らなかった。不注意が原因であんなミスを引き起こすことになることを。
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ー10分後
「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
俺は絶賛ピンチに陥っていた。コボルトとの戦闘中、素早い動きに翻弄されながらもなんとか勝利を収めた俺だったがその時誤って炎蛇を木に当ててしまったのだ。燃えることこそなかったのだが木に衝撃が加わり、大きいカブトムシ型の魔物「ブショウカブト」が落ちてきたのだ。しかもどうやら睡眠中だったらしくかなり怒りの様子。ブショウカブトが地面を叩くとどこに隠れていたのかわんさかと虫たちが出てくる。焔を召喚し斬りつけるも特にこれと言ったダメージはなし。そして襲いかかってきたので逃げながら戦うことにしたのだ。
『炎斬』
特攻してきたカナブン数匹を切り捨てながらも虫どもが放ってくる弾幕を避けまくる。流石に魔力残量が残り少なくなってきてこの戦いでの消耗が目立ってきた。
『爆発』
虫が数匹同時に吹き飛んでいき、焼滅と同時に魔石と化す。意識が朦朧としてきた。ベリル、スレイン、たす、け、
「しゃーねーな。虫どもを駆逐してやるか。」
意識が途切れる寸前、こんな声が聞こえた気がした、、、