第1章 第5話 出会い
「聞こえなかったか?そこの人族よ。疾くお前達の住まいし場所へ帰りたまえ。」
そっちを向くと、緑色の長い髪を馬の尻尾のような髪型、そう、ポニーテールにしていて耳がとんがっている色白の美女ーーエルフ族ーーと若い年のどこにでもいる様な、しかしながら気を抜いたら見逃しそうな軽装備の男ーー人族ーーがいた。
「いや、聞こえはしたんだけど……俺、人族じゃなくて、鬼人族なんだけど…」
「・・・え?・・・ほんと?」
「うん本当。というかこれが理由で今自分の家から追われてるんだけど」
そう言った瞬間二人が真面目な顔をして一斉に反応した。
「「それは本当か(なの)!?」
「・・・まぁ、はい。」
「すまん、ちょっと待っててくれ。」
そう言って二人は少し離れた場所に行って相談(?)し始めた。
ーー10分後ーー
二人は何かを相談し終えたらしく、こちらへ歩いてきた。その顔は何かを決心したかという顔だった。
「お待たせ。とりあえず名前教えてくれるかな?」
「人に名前を聞くときは自分から名乗るのが普通だろ?」
「フッ。それもそうか。いいだろう。私の名は、スレイン。レイピアと弓全般、あとは火炎、森林、大地の魔法を使えるが、どれも本職には及ばない。まあ、器用貧乏ってやつだ。あーはっはっは。」
「僕はベリル。剣術しか取り柄がないのだが一応のレベルを持っている。武器は短剣。転職暗殺者だ。で、君は?」
「俺の名は、ドレグランス・アウドバラード。いや、ドレグランスだ。剣術、って言っても日本刀のような魔剣と火炎魔法、そして格闘術を使っている。ああ、あとは炎のスネークソードの炎蛇だな」
その瞬間、二人が身を乗り出してきた。
「っっ⁉︎君、日本刀といったかな?ちょっと見せてくれるかい⁉︎」
そう言われたので念じて魔剣・焔を召喚。そして、見せてみると目の色を変えた。
「この世界ーーコルーアーーに日本刀は無いはず……なんであるんだろ……」
「ちょっと待て。まさか、まさかだけども………コルーアって日本刀無いのか?」
やっべぇ。やらかした。今まで日本刀とか普通にあるもんだと思ってたけど無いのか。あれ?でも、この二人、なんか日本のこと知ってるくね?まさか、日本語伝わる?
【おい、二人とも俺のいってる言語はわかるか?】
「「日本語?」」
やっぱり俺の読み通り、この二人は俺の住んでいた天体・地球の中の国の1つ・日本からの転生者かな?
「1つ聞かせてもらおうか。スレイン、ベリル。君たちは『日本』という国を知っているかい?また俺がそこから転生してきた者と言われて信じるかい?」
「まず一つ身の質問からだ。僕達は日本を知っている。そして2つ目の質問。まだ正直半信半疑なのだが一応だが信じてみせよう。しかし『一応』だ。お前は今から俺たちの家に来て滞在することになる。拒否権はない。」
うっわあ。こいつら強引すぎるだろ。いや、これはいいことじゃね?どっちにしろ俺は住むとこないし、このまま森の中に潜伏してても発見される可能性が高い。よし、乗ろう!
「じゃあ、行くか。私たちの家へ!」
そんなスレインの一声で俺はスレインとベリルの住む家にお邪魔することになった。
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俺は二人の家の一部屋で寝ることになった。本来ここは客人が来たとき用の部屋らしくそれじゃあその重要な客人が来たときどうするのかと尋ねたら、二人は口を揃えて
「別の部屋を使う」
と言った。またまた俺がじゃあその部屋に置くベッドは?と聞いてみると
「新しく用意する」
と言った。
・・・なんか、すみません。