第16話「悪役令嬢とオリジナル魔法(12歳の時)
わたしが12歳、ケティとコウコが10歳になったころ、わたしたちは自分だけの魔法開発に熱が入り、その頃ケティとコウコのところにも可愛い使い魔がやってきたこともあって、騎士団の同行とは別にわたしたち3人であちこちへ冒険に出かけたりもした。
3人の中で一番年上なこともあり、そして一番に使い魔ムクジンがやってきたこともあり、風魔法の一段先をこの時すでにわたしは見えてきていた。
「わらわにはオリジナル魔法の形が見えてきました」
二人はその言葉を聞き、眉間にしわを寄せて顔を見合わせる。
「なんかカグヤさん言葉がへんだよ。わらわ」
ケティは今にも吹き出しそうにお腹を抱え、
「言葉遣いの指導をお受けになっているのですか?」
コウコは真面目な顔で尋ねてくる。
「ええ。でもあの人、わたし苦手なの。心の中で何を考えているのかわからない感じがして。だから、従っているふりをして様子を見てる。最近、他の王族の家でも色々事件が起きているって聞いたし」
「そういえばミラ家の旦那様と奥様が呪いにかかったって聞いた、あたし」
「そのこともあるし、目を配っていた方がいいと思う。特によく知らない人は警戒しすぎているくらいでちょうどいい」
「何か出来ることがあれば言ってくださいね」
「あたしも。絶対助けるから」
「ありがとう。二人とも。で、オリジナル魔法のことなんだけど、見ていて」
風の防御を作るイメージで、体全体から手足に風を集める。
「随分スムーズに出来るようになりましたね。インターバルなしです」
「ええ。ムクジンがいうには、火、水、風、土、雷属性の魔法は、その力の源からほんの少し力を借りているだけだっていうのよ。魔法術はその源との契約を意味しているってことね。まあそれはオリジナルとはまた異なる話なのかもしれないけどね、より強くなれる可能性ってところかしら」
わたしは最近手に入れた風魔法の魔法使い専用の武器【風神の鉄扇】を右手に持った。
「まだ未完成だけど、鉄扇の体の一部として、イメージした風魔法を鉄扇に集中……」
鉄扇を見ると、風の渦が出来た。
「すごい。なんか見る限りに威力がありそうだよ」
「利点はいくつかあって、片手でも大技が可能なこととか。ただこれはオリジナルではない気がする。風魔法自体がね。形はこんな風でいいと思うんだけど……そこで各魔法の力の源の話。その源にほんの少しじゃなく、たくさん力を貸してもらえれば、それはすなわちその属性の最強の使い手になれるかもしれないってこと」
「なろほど。カグヤ様は、源の力をより借りたうえで、オリジナルを作りたいと」
「たしかにそれなら最強の使い手だよ」
「各属性魔法の力の源の存在。これから冒険に行くときは、その存在ことも念頭置いて各自強くなっていこう」
「おっ~」
ケティとコウコは元気なお返事をしてくれる。
☆ ★ ☆
魔法の力の源からより魔法力を借りることは簡単なことではなかった。
それでも3人とも少しずつ、多くの力を借りることが出来るようになって、いつしかわたしたちは魔法使いの間で少しは有名になりつつあって、通り名がつくようになっていたようだ。
SSS級ランクの風魔法の使い手。
目にするのもレアな土魔法使い。
博識で水魔法を極めた僧侶。




