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第15話「悪役令嬢と使い魔(7歳~10歳の時)」

 戦闘の実績をアキコ団長は高く評価してくれて、初戦闘以降、騎士団への同行を許可された私はルルブ家へ戻るとケティとコウコに戦闘結果の詳細と魔物の考察と、魔法についての発展方法を教えてあげたりした。


 二人とも熱心にわたしの話に熱心に耳を傾けてくれるのがつい熱が入ってしまうことも多い。

 いつものように騎士団が訓練している庭でお土産話を披露する。


「敵は闇の教団と魔王ということですね」

「あたし、RPGゲーム好きだよ。燃える」


 これはゲームじゃないんだけど。


「あと今回気づいたのは魔法にはもう一つ上の段階があるんじゃないかってこと?」


「どういう意味ですか?」


 コウコは可愛らしく首をかしげる。


 わたしはボードを使い、二人への説明を開始した。


「まずわたしは風魔法が得意。魔法の書に記されているのは、風魔法攻撃は弱から最強までの4種。他に防御なんかもあるけど、使っていくとこれだけじゃ物足らない。というか、一番強い風魔法でも闇の教団や魔王に通じるのかという疑問がある。魔法攻撃力を高めてもね」


「だからこその上の段階ですか?」


「そう。具体的にどうすればいいのか、わたしはまだその答えを出せていないけど、自分だけの魔法の開発、それと優れた魔法使いには使い魔がいるらしいの。その子を見つけることが最優先だと思う」


 ケティとコウコはわたしの言葉を聞き、身を震わせ目を輝かせ、


「使い魔、あたしも欲しい! 自分だけの魔法もがんばろう!」


「新魔法の開発、興味があります。私の使い魔もいますかね?」


 大変と思うよりも、好奇心の方が勝るこの二人には魔法使いの本当の才能があるとわたしは思う。


「1人より3人。わたしたち1人1人の魔法の開発、そして自分の使い魔捜しの2つを同時進行でやっていこう」


「おうっ!」

 ケティとコウコは元気よく右手を上げた。


☆ ★ ☆


 わたしが10歳になったときには、ケティとコウコも騎士団に同行するようになっていた。


 3人そろっての騎士団への同行が3度目を迎え、任務を終え無事に戻ってきた夜のこと。

 深夜ぐっすりと自室で休んでいると、なにやら自分を呼んでいる声がして目を覚ました。


「誰かいるの?」


 わたしは体を起こし、真っ暗な室内に向けて声を出す。

 少しすると心地のいい風が頬にあたり、30センチほどの大きさのお化けのようなゆらゆらした生命体が目の前に現れた。


「どなたですか?」


「わたくし、ムクジンとお申します」


 小さな丸い手を合わせ、ぺこりと小さな体を傾ける。


「わたしはカグヤ。あなたはおばけ?」


「いえ、そんな非科学的な存在ではありません」


 いや、どう考えてもその恰好は科学的ではない。ふと思いつきというか、可能性が頭に浮かぶ。


「もしかして使い魔さん?」


「ご名答。貴方様は風魔法の使い手ですね。わたくしも風の加護を受けています。貴方様の風魔法の強化、成長わたくしと契約していただければお力になることをお約束します」


 わたしは好奇心からムクジンという使い魔に人差し指を伸ばし触れてみる。

 柔らかい。お化けではないようだ。ちゃんととした実体。


 見た目は小さなお化けが小さな緑の服で全身を覆っている感じなんだけど。足はゆらゆらで見えないし、手はまん丸だし。


「どうしてわたしの使い魔になりたいとやってきたの?」


「魔法力と一番はその心に引かれて」


「いい答えだわ。契約は明日起きてからにしましょう。睡眠は大事よ。えっとムクジン、どこから来たか知らないけどあなたも休みなさい」


「はいっ。気遣いありがとうございます。では失礼します」


 ムクジンはわたしのベッドへと潜り込んでくる。

 この子、女の子だろうか?


 やっと使い魔がやってきた。これで新魔法の開発に専念できる。興奮する気持ちを今は抑えながら、わたしは目を閉じた。

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