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ブラック・ルドべキア  作者: 現実逃避君
3/5

未確認少女

暗い路地裏で少女が一人を柄の悪いチャラ男の3人組が囲み言い寄っていた。

時刻はすでに22時を過ぎていた。

チンピラのリーダー格の男が少女の左手首を掴んだ。

「お嬢ちゃぁぁん俺達と遊びに行こうよぉ。」

圧倒的な小物感満載なチンピラのリーダー格のうざったらしい抑揚の声に一瞬眉を潜める。

少女は、最低限の抵抗をし、なおかつ交渉の余地があるか見極める。

「 やめて下さい、あなた達がしようとしていることは犯罪ですよ‼︎」

少女がチンピラ達を睨む。

「大丈夫だよ。嬢ちゃぁん、俺達とヤッて満足しなかった女なんて居なかったんだから」

ピクッと少女の指が動く。怒りによって。

「こんな事を他の女性にもしたんですか?無理矢理したんですか!?」

少女はすでに怒りを抑えられなかった。

「ヒューこれまた強気な女を捕まえちゃたな〜」

リーダー格の取り巻きのチンピラがニヤニヤしながら舌舐めずりする。

だが、その行動が少女の怒りが高まる。

男達の態度は初めてのそれではなく何度と嫌がる女性に対し罪を犯したものだった。

「掴んでいる手を離しこれからは、女性に対してもう何もしないと約束できるなら見逃してあげますが。どうしますか?」

出来るだけ怒りを抑え冷静に見せる。

「ああ‼︎なんつったテメェ、テメェが偉そうにできる立場か、ああ‼︎」

一気に不機嫌になったリーダー格が少女の手を離し殴り掛かろうとする。

「これだから三下は嫌いなんです。」

誰にも聞こえない声量で呟く。

少女の目から見て明らかに素人の右ストレートを打ってくる。

呆れた顔をして少女は迫り来る右手を最低限の動きで躱しその威力を使い背負い投げをする。背負い投げをされたリーダー格にすかさず心臓の辺りを一撃殴る。内部を破壊する類いの当て方で。

「グハッ⁉︎」

底冷えするほど鮮やかな一撃その美しさの色は武術をしていない、いや達人レベルですら絶望することしか出来ない黒色だった。

「この世のがんを潰すのが私の役目です。なので、あなた達二人も殺させて頂きます。」

たった一言たった一言だそれだけで本能的な恐怖を感じる。

リーダー格がたった一瞬で負けその上自分達も殺すと言われ絶句し呆然としていたが、二人は相手の力量差に気付き顔を見合わせ直ぐさまある行動をとった。

「何してるんですか?」

軽蔑をする目で取り巻き二人に尋ねた。

少女がドン引きするのも仕方がない、何せ彼らがとったある行動というのは、少女に土下座することだったのだから。

「お願いします俺達だけは助けてください。いや、俺だけでも助けてくださいお願いします。」

「お、おい!ふ、ふざけるなよ!俺だけで良いですから助けてください。」

呆れた、ありえないそんな言葉が少女の頭の中を巡った。

だめだこいつらだけは生かして居てはいけないそんな拒絶反応が起きる。

こいつらは、さっき殺したリーダー格の男よりもクズで自分可愛さに他人を蹴り落とす世の中の癌でしかない。ならば、少女がするべきことはたった一つだった。

土下座していてこちらを一切見ていない二人に懐からグロック17LとベレッタM92Fを取り出し頭に向ける。

「あなた達が悪いんだよ、あなた達がね。」

そう言い終わるのと同時に引き金を引く。

二丁の銃声が虚しく路地裏に響く。

「さよなら」

少女がそう無機質な声で言い踵を返し歩くとポチャっと水の音がする。その水の正体は、頭を撃ち抜かれた二つの人間だったものが流したどろっとした血であった。

「口調変えるのメンドくさいなー。仕事だから仕方無いんだけどさー。」

そんな独り言をこぼし闇の中に消えて行くのであった。


その後三つの死体が発見された。一つは、外傷のない変死体。残り二つは、土下座したまま頭を撃ち抜かれて血を流し血溜まりを作り周りにはハエが飛び回る、何とも言い難いしたいだった。


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