3人目 自称紳士
「そういえば次の奴はどんな奴なんだ?」
私はマルスと合流をすると、次の転生者に関する情報を訪ねた。
「時間がありましたのでこちらにまとめてあります。」
マルスは私に書類を渡してきた。
その書類をめくって読んでいくと、
名前は輿水智和で、死因はえーと6歳の少女のみをかばって交通事故で死亡。
うん?6歳の少女のみをかばってってどういう事だ?
「なあ、マルス。これはどういう事だ?」
「ああ、それですか?この交通事故での死人は2人だったんですよ。」
「もう1人は?」
「さっき会ってませんでした?」
さっき会った?
・・・・・ああ!
スライムに転生したやつか!
「まあ、転生にきた時間が同じだからそういう事もあるか。つかなんでこいつに困っているんだ?少女をかばったくらいだから善人だっただろ?」
「いや、それが、まあ、いろいろ問題がありましてアリスフィアの部下達には任せると危険だったので、私の部下に任せたんですよ。性格に問題がありましてね。」
「かなり面倒な性格なんですよ。会っていただければわかりますよ。」
そんな会話をしながら、私とマルスは問題の人物と会うことになった。
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「なんで転生の神様が男なんだー!」
また、このパターンかよ!
つか三連続で同じ場所からの転生だから仕方ないが、どうしてそういう考えが浸透しているのか調べたくなってきたな。
「はあ、まあその質問は時間がもったいないから無視して、何が問題で転生してないんですか?」
「そんなの決まっているじゃないですか!なんか転生先で幼女ハーレム作りたいってお願いしたら今の状態ですよ!」
・・・・・・ああ、自称紳士か!
そういえば交通事故の時も6歳の少女のみを助けてたのは、そういうことだったのか。
こんな奴をそんな状態になれる場所に送ったら問題しかないな。
しかも記憶を消して、転生させても魂の元の性格は変えられないし、なんかいい方法ないかな?
・・・・・・よし!
その根性を叩き直せる場所がいいから転生先はイスタールがいいな!
あそこはこいつの希望に合っているな!
「つまり君の希望は、か弱い漢女が沢山いるところで、その子達に囲まれたいってことでいいのかな?」
「おお!そうですよ!か弱い乙女がいる場所がいいんですよ!いやー、さすが転生の神様ですね!」
「納得してくれるならおまけでスキルもつけてあげるよ。」
「本当ですか!感謝しますよ!それでスキルは何をくれるんですか?」
「うーん、そうだな漢女にのみ発動するようにして、どんな漢女にたいしても出会ってすぐ好意を抱いてもらえるカリスマなんてどうだい?」
「おお!やっぱりあなた様は神様だ!それでお願いします!つか今すぐ転生お願いします!」
そいつは凄い勢いで私に土下座をしてきた。
周りにいるマルスやその部下は、転生先がどんな場所か知っているのでものすごい哀れんだ目線でそいつを見ている。
「そうそう、注意として残念ながら転生先には記憶を持っていけないよ。」
「その程度ならいりません!」
「そうか、なら君の新しい人生に祝福がある事を祈っているよ。」
私が指を鳴らすと男はその場所から消えていった。
「あの、レイナード様。彼大丈夫ですかね?」
「まあ、彼の望み通りだから大丈夫じゃない?」
「けど、イスタールって武術中心なあげく、あの恐ろしい生き物がいる場所ですよ。」
マルスの言う通りで、彼を転生させたイスタールでは、なぜ発生したのか不明な筋肉ムキムキのオカマもとい漢女が大量発生している。
しかもそれらの頂点を決める武闘会が毎日行われ、最強の漢女が日替わりで変わり、最強以外は全員か弱い分類になるらしい。
まあ、私のつけたスキルのおかげで彼は最強以外の全ての漢女に好かれる事になるんだな。
ああ、想像するだけで実に恐ろしい。
これで彼も次にここに来る時には魂の元の性格が変わっているはずだ。
「さてとこれで少しは休めるかな?」
「レイナード様、それフラグですよ?」
「いやー、就任してすぐにこんだけやったんだから大丈夫でしょ。」
「あっ!レイナード様。主神から仕事の書類が来ましたよ!」
私とマルスが話していたら、部下が片手に書類を持ってやって来た。
「レイナード様だからいったでしょ?」
「くっ!次はどんな奴だ!」
私はマルスを軽く睨むと書類を奪うように受け取り内容を確認していった。
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今回の成果
1人目名前未確認、セラスへ転生完了。
彼はそこで唯一の擬態可能のスライムとして大活躍をしていく。
彼の元に集まったスライム達はものすごい数になりその世界にある村を全て統一を果たし王国を築きあげた。
2人目、輿水智和、イスタールに転生完了。
彼はそこで漢女のカリスマというスキルで世界中の漢女を虜にしていった。
やがて彼はその偉業を讃えられ漢女キラーと呼ばれるようになっていった。