2人目 リア充希望
なんか始めから主神に変な奴を仕事に回された感じだな。
まあ、きっと彼も望み通り?に転生できたんだから今頃喜んでいるだろう。
「さてといったん仕事部屋に戻って書類でも片しておくとしよう。」
「ああ、レイナード様それなら私たちの方で全部処分しておきましたよ。」
「アリスフィア、処分って?」
「長い間置いてあって前職も使ってなかったので、全部ちゃんと燃やしましたよ?」
・・・あの書類達燃やしちゃってよかったのだろうか。
確かにアリスフィアの言ってる事も確かだな。
いざとなったら最初から存在しなかった事にすればいいや。
「なら、少しは部屋で休めるかな。」
「そうで・・・すみません、部下から念話が来ましたので少し待ってください。」
アリスフィアはそう断りを入れると、部下との念話に集中してしまった。
そういえば、アリスフィアの部下には転生の際の人相チェックをするように、先に主神が言っていたんだったっけな。
「ちょうどいいところにレイナード様!」
声がした方をみると、そこにはマルスが私に向かって来ていた。
「私に用かな?」
「はい、ちょっと私や部下では扱いきれない転生の人が来てしまったもので。」
「マルスの方もですか?こちらもちょっと困った状態になっているので助けて欲しいとの連絡でした。」
私とマルスの会話に、どうやら部下との念話が終わったアリスフィアが参加してきた。
「はぁ、まさか同時に問題が起きてくるか。まずは優先度の高い方から片付けるとするか。」
「ならレイナード様どうかアリスフィアの方を先に片してしまってください。」
「いいのか?」
「はい、私たちの方は別に危険性がないので後回しで大丈夫です。」
「ありがとうマルス。レイナード様こちらはかなり迷惑な転生の人が来てしまったみたいです。」
「ならアリスフィアの方で決まりだな。マルス、終わり次第念話で連絡する。」
「すみませんレイナード様。では後ほど。」
マルスは来た道を引き返していった。
私とアリスフィアはすぐに転移で問題が起きている場所へ移動をしていった。
「おやー、また可愛い子ちゃんが増えた!ああ!君が転生の神様だね!」
「いえ、私は違います。」
「なんだ違うのか。なら君も俺と一緒に転生しようよ!可愛いんだから俺とイチャイチャしながらスローライフを過ごそうよ。」
また変な奴がいるもんだな。
まあ、概ね転生の際の特典で担当者を連れて行こうとしているパターンか。
さっきと違うのはどの神様からも指示がない以上、単なる転生なんだろうからさっさと片すか。
「待たせたね、私が転生神だよ。」
「えっ!なんだよ男かよ。普通転生の神っつったら女性だろ!」
またこいつもそのパターンかよ!
なんで転生神なら女神が担当だと思うんだよ!
それなら転生神じゃなくて、名前が転生女神になるだろうが!
「はぁ、まあそれは置いといて、で何が不満なんだ?」
「ああ、転生っつったらよー、やっぱチートスキルで俺つえーじゃんか?だからさー、とにかく最強のスキルをくれって頼んでたんだよ!ついでに可愛い女性だったから一緒に行こうっていってたんだよ。なあ、あんた転生神で一番偉いんだろチャッチャッと俺にやってくれよ。」
あー、まあ、転生って言ったらそんなイメージなんだろうか?
つか普通に考えてみろよ!
そんなにチートスキル持ちをホイホイ作ってみろ、人がゲームでやってるインフレクソゲーな世界だらけになるだろうが!
仕方ないこいつは本人の了承を得てから人以外に転生させるか。
確か話題でモンスター、たしかスライムだったっけ、に転生する話があったぐらいだからそんな感じでいいか。
それならどこの異世界がいいかな?
ああ!セラスがいいな!ぴったりだ!
「よし、希望はチートスキルでいいのか?」
「お!話がわかるねー!あとここにいる可愛い子ちゃん全員!」
「後半はここにいるのが天使だから無理だな。」
「へっ?なんで?」
「地上だと生きていけないんだよ。イメージとしては魚が地上に出る感じで呼吸ができない。」
「ちょっ!マジ?」
「ああ、だから代わりに君のいる可愛い子がたくさんいる世界に転生させる。」
「おお!あざーす!でそこはどんなところなんすか?」
「ありきたりなんだが、転生先は魔物が住んでいてよく言う魔王が存在しているんだよ。しかもその魔王が世界征服済み。」
「魔物達も住んでるんすか?どんな魔物っすか?」
「1種類だけでスライムだけだ。」
「ちょー難易度イージーじゃないっすか!」
「しかもそこにはまだ他から転生した者が1人もいないから、支配されている村を開放できればモテモテになれるぞ?」
「いいっすねー!ちなみにスキルは何くれるんすか?」
「そうだなー、それは転生の際姿はその世界に合わせていいのか?」
「そうっすね!その世界のイケメンでお願いしまーす。」
「わかった。その世界の基準に合わせるよ。そうなると魔王に対抗できるように変身だな。どんなものにも変身が可能にしておこう。」
「なんかしょぼくないっすか?」
「使い方では(スライムでは)ものすごく有効だよ。」
「まあ、可愛い子ちゃんとイチャイチャできんならいいっすよ!」
「そうかい?なら転生準備に移ろうか。」
「お願いしまーす。」
私が指を鳴らすと今まで話していた男の姿が消えた。
「あのー、レイナード様。セラスってあそこスライムしか生存してないですよね?」
「そうだね、スライムなら単細胞生物みたいなもんだから、みんな同じだし性別も存在していないから全員彼のいう可愛い子ちゃんだろ?」
「ほとんど騙してますよね。」
「本人が納得しているからいいんじゃない?どうせ今回は転生前の記憶なくなるから大丈夫だろ。」
「まあ、そうですね。こちらはまた仕事の続きに戻ります。レイナード様はマルスの方をお願いします。」
「わかった。すぐに移動しよう。」
しかし就任してすぐに濃い人間が来たもんだな。
この調子だとマルスの方も変な奴なんだろうな。