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二話


「おはようございます。今年から新体制となりましたが昨年同様、頑張りましょう。先ずは生産部から報告をお願いします」


「はい。塩や砂糖、その他の食品関係の収穫量は例年通りの量が予想されます。タバコの葉についてはタバコの需要が高まり、増産が追いていません。生産部はタバコの値上げをして、需要を抑えつつ、既存の畑を拡張し、今後の生産数を増やしていきたいと思っております」


 年が明け、カラミタ商会もアウルがサージの後を継ぎ、新体制での商会運営が始まっていた。今、行われているのは半年に一度ある、部長会議である。

 

 カラミタ商会は生産、開発、輸送、護衛、事務、販売と六部門に分かれており、この会議でそれぞれの方針や問題を報告している。生産部以外は大きな問題は発生していないようだった。


「販売は生産が言う通りにタバコは値上げしても大丈夫なのか?」


「はい、大衆向けのタバコは若干の値上げでとどめ、貴族などに販売しているものついては大幅な値上げを考えております」


「それで落ちつくならいいがな。まぁ、試してみよう」


 全体の報告が終わり、全員の視線がアウルに集まっていた。


「私はただの商人として終わる気はない。王族は政を配下に任せ、貴族は領民を己の私物のように扱い、傷つける。公平であるべき、騎士や文官は賄賂などで腐敗し、民はそれを当たり前のように生きている。私はこの国を変えたいと思っている。私はこの国を変える為に行動する。そのためにも皆の協力が必要だ。今後ともよろしく頼む」


 アウルの言葉を最後に会議は終了した。書斎に戻り、研究報告書を読んでいた。

 

「開発部はB火薬と雷管、ボルトアクション方式の試作ライフルの開発に成功か」


 五歳から十歳まで夢の中で前世の体験をしている。五歳の時にダンジョンが発見された物の中に銃があり、その銃を見た日の夜から前世らしき夢が始まった。


「本当にドワーフ達は採掘、鍛冶については全員が熟練者ようだ。俺は不器用過ぎて、つくれんしな」


 アウルは夢の中で計算や銃火器、農業などについて学んだが、上手く作ることが出来ずにいた。そこで鍛冶の得意なドワーフや農業に詳しい獣人になどと知識を教え、開発などをしていた。


「しかし、この世界のタバコは害がないのは驚いたな」


 前世では社会問題までなっていたが、この世界のタバコは煙などに有害な成分は含まれておらず、若干の依存性があることが治癒ギルドの鑑定で分かった。タバコ自体も少数民族が儀式に使っていた葉っぱを偶然手に入れたことからアウルの知識をいかし、生産が始まった


「兄さま、お昼の時間ですよ」


「あぁ、ありがとう。ミラ」


 アウルはミラに手を引かれ、食堂に向かうのであった。



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