十六話
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「しかし、上手くいきましたな」
「だな。あの剣が役に立つとはな」
アウルがレイから奪い取った剣をアルディートに見せたところ、公国の継承権を証明する剣だった。そして、アウルはこの剣を使い、公国と交渉をした。
「モルトが良くやってくれた」
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「失礼します!銃商人が面会を求めています」
「そうか、通せ」
レイは今回の侵攻での被害に頭を悩ませていた。銃の弾幕を張り、敵歩兵と騎馬を足止めをして、その後、奇襲を行い崩れたところを全軍で叩くというシンプルな作戦だった。
しかし、最初は順調に進んでいた。陣形を変え、突撃しようとした時、敵部隊が前衛を突破してきた。見えたのは長身の騎士が約三十名、騎馬に乗っていないのにとてつもない土煙が上がっていた。
血しぶきがあがり、時折光束が見えた。前衛の被害はまるで地獄であった。即死したらまだ良かったかもしれない。
被害は本陣の近衛兵にも被害が出始めていた。突然、現れた黒い色の騎士が襲いかかってきた。
「初めましてだな!フォルス公国第一王子レイ・R・フォルス!」
「貴様は誰だ!」
「ヘルト王国カラミタ領主アウル・カラミタだ!」
全ていきなりだった。戦場で少数の部隊で敵陣地に殴り込み、敵軍の全体の動きを止める。実際に奇襲攻撃をしていた龍国の遠征軍も本陣の援護のため引き返した。
「銃の運用、竜騎隊を用いた奇襲作戦とても素晴らしい才能だ!」
「くぅぅ!敵に褒めて貰っても嬉しく無いわ!」
あの時は何も思わなかったが何故、アウル・カラミタは銃の事を知っていたのだろか疑問が残る。しかし、切り付けながら話してくるなんて非常識な奴だ。
「竜騎隊が接近!」
「全班、離脱!一機たり置いて帰るな!その剣、貰い受ける!」
「待て、その剣は!」
アウル・カラミタの部隊は竜騎隊の接近を視認したら離脱していった。そこであろうことか、公国の宝剣であるクーアを去り際に奪い取っていた。クーアは公国の継承権第一を証明する剣でもあった。
こんこんとドアをノックする音が聞こえた。
「失礼します。この度の勝利、お喜び申し上げます」
「いや、貴殿が銃を調達してれたおかげだ。今日はどうした?」
「我が商会の会頭からの贈り物と手紙を持ってまいりました」
レイは手紙を受け取り、読んだ。手紙には目を疑う内容が書かれていた。
『この度の戦、大変見事であった。銃を入手してから一年も経たずに三段撃ちを考案する思考、龍国との交渉術、噂通りの稀代の軍略家であった。
歴史には貴軍が有効に銃を利用した軍と歴史に刻まれるようだろう。しかし、その銃はどこの誰が作り上げたかは頭脳明晰な貴方はすでに理解しているだろう。
お願いがあってこの手紙を書き申した。それは撤退中の王国軍に対する襲撃、追撃を停止して頂きたい。もちろん、対価はお渡しする。先ずは贈り物を受け取って欲しい。
ヘルト王国 カラミタ領 アウル・カラミタ男爵』
「ははは、なるほど。銃の横流しは貴様らがしていたのだな。確かに都合が良すぎたな、あんなにも優秀な武器が新興の商会が持っている時点で少しは疑うべきだった。
私はカラミタ卿の手の平に上で踊っていたのだな、笑えてきたわ。で、カラミタ卿はどんな贈り物をくれるのだ?」
「DTR-2です。」
「最新の銃か、確かにありがたい。」
予想外の贈り物にレイは驚いた。しかし、DTR-2はカラミタ領ではもう旧式化していた。単刀直入に言った。
「宝剣を返してほしい」
「宝剣は王国軍の攻撃を停止が確認され、アビスポン領に入ること出来たらお返しすると約束いたします」
フムス地方の占領はすでに終了しており、敗残兵狩りと補給隊の襲撃を行っていたがそろそろヘルト王国と講和をするべきだと思っていた。
「分かった、攻撃を停止しよう」
「ありがとうございます」
「伝えてくれ。貴公の勇気と知識に感服した。今回は貴公の手の上で踊ったが今度は必ず、見抜いてみせるとな」
「かしこまりました。では、私は失礼いたします」
商人が出て行くとレイは手紙を机に叩きつけた。
「クソが!次はないぞ、アウル・カラミタ!」
戦場で出会った黒騎士を思い出して、壁を殴りつけた。




