第8話「鉱山からの緊急要請」
俺達は目的地に到着した後、トラックから降りて鉱山の採掘場内を見回った。
「緊急信号が発した場所ってここですか?」
「ああ、クリアダヴィン鉱山だ。ここで以前、資源の採掘作業が行われていたが凶暴化したモンスターの襲来が相次いで現在は閉鎖状態となっている」
「将軍、ここに緊急信号があったんですか?」
「ヴィンゼル司令からの連絡によるとここで緊急信号が発したようだ」
「鉱山内にその警備隊達はいるのでしょうか?」
「ああ、信号の反応はあるそうだ」
「ならば、行きましょう。俺とこのブレンデッジがあれば大丈夫です」
「よしわかった、俺も行こう。残りの部隊は入口に残ってトラックの見張りを頼む」
「了解しました。将軍、お気を付けて、そしてその遺産の加護と共に」
「ありがとうございます」
「私も同行します」
俺は将軍、オリリベならびにその部隊と共に鉱山への入口へと入った。
「むやみに動くな。ここがモンスターの巣になっている今、いつ襲撃してくるかわからないからな」
「ええ、いち早く警備隊を救出して外に出ましょう」
俺は部隊と共に鉱山内を探索する中、岩肌に張り付いて待ち伏せしてた蜘蛛のモンスターが襲ってきた。
「モンスターです!気を付けて!」
「わかった!」
「別の方向からも!ここは私が!」
「俺は目の前の敵を一掃します!」
「了解した!俺はこっちの襲撃を抑え込む!」
俺とオリリベとその部隊と共に蜘蛛のモンスターの群れと戦った。
「ふぅ…なんとか倒したな…」
「こっちも終わったわ…」
「みんな大丈夫だったか?」
「ええ」
「マップを見てここの鉱山内は広い、それぞれの部隊は別れて調べろ。何かあったら無線で応答してくれ」
「俺は東を調べます」
「私は北で」
「よし俺は西を調べるとしよう」
俺とオリリベと将軍それぞれ率いる部隊は別々のエリアを調査開始した。
「何か見かけたら、俺に呼んでください」
「了解です。ツギヅテさん」
「モンスターがいつ出ても、あなたを守ります」
「ありがとうございます」
俺とその部隊は東のエリアをそれぞれ調べる中、俺の部隊が呼びかけてきた。
「ツギヅテさん、坑道の入口の先に無線反応が!」
「ひょっとして、例の警備隊ですか?」
「かもしれません、早く行きましょう」
俺は部隊と共に坑道へ行く中、待ち伏せしてた大きい蜘蛛のモンスター何匹が再び襲ってきた。
「また、スパイダージです!気を付けて!」
「了解しました!」
俺は蜘蛛のモンスター・スパイダージを倒した末に無線反応があった場所である倉庫へと到着し入口のドアをノックした。
「誰かそこにいますか?ヴィンゼル司令の緊急要請を受けて救助しに来ました」
俺がそう言うと倉庫のドアが開き、その兵士は片足が負傷していた。
「助かりました。実は警備隊の隊長であるケヴィンジがまだ…」
「わかりました、今すぐ負傷してる兵士を安全な場所である外へ運んで下さい!俺は一人で十分です」
「了解!」
俺の部隊にケヴィンジ隊長率いる警備部隊を外へ出すのを任せ、俺は玄関辺りとなる中央のエリアへ戻ると、オリリベがやってきた。
「オリリベ、そっちはどうだった?」
「ええ、他の部隊達も負傷していて洞窟の外へ避難させたわ。将軍は?」
するとロッケイン将軍が戻って来た。
「ああ、良かった。実はレーダーにケヴィンジ隊長と思われる反応があった」
「それは何処ですか?」
「実は困難なことになって…」
「困難な事?どういうことですか」
俺はオリリベと共に将軍の案内でケヴィンジ隊長がいると思われる広い採掘エリアに行くと、そこにはスパイダージの群れが沢山いた。
「あの奥の厳重な扉にケヴィンジ隊長が?」
「ああ…そうかもしれない。ここの調査に向かった隊員数は隊長含めて7人だで外に出た6人を引けば…確かだ。おまけにIDブレスレットらしき反応が強い」
「どうやって強行突破します?」
「俺にいい考えがあります」
俺はロッケイン将軍と作戦の提案を相談した。
「俺が1人で囮になって敵を引き付けます。その隙に将軍たちは…」
「よしわかった!」
俺はスパイダージに気付かれず、陰に隠れて階段を降りた後、ブレンデッジを叩いて音を鳴らし、スパイダージの群れが一斉にやって来た。
「今です!」
ロッケイン将軍とオリリベとその部隊はツギヅテに向かってくるスパイダージを後ろから射撃ならびに近接の一斉攻撃をした末に倒した。
「ふう、片付きましたね…」
「お前の作戦はたいしたもんだ」
「よくやったわツギヅテ、とりあえずケヴィンジ隊長を…」
「誰かそこにいるのですか?」
すると厳重な鋼鉄の扉が開いてそこにはケヴィンジ隊長がいた。
「助けてくれて、ありがとうございました。あなたはロッケイン将軍…それにこの若者は…」
「武培ツギヅテです。ヴィンゼル司令からの連絡であなた達の部隊を助けに来ました」
「私は自ら軍事配属となったスティーペリオ国王の秘書でもあるオリリベント・シェイディアです」
「私はワイルデザス地方警備隊の隊長ケヴィンジ・サウスペイスだ。ツギヅテ、背中に背負ってるこの剣はまさか…ブレンデッジなのか!?」
「ええ、そうです。俺がバトメイナーになる訓練をすべて終えた後に伝説の力を目覚めたんです」
「こんな新人の若者が…メザメイナーの遺産を…まあ、話は後で中央司令部に戻りましょう」
俺達の部隊はケヴィンジとその部隊を連れて鉱山の外に出て、トラックに乗って中央基地に戻ることにした。