第4話「最初に訓練を経た中で」
近接戦闘訓練を全て終えた俺は一旦休憩した中でオリリベと話し合った。
「まさか最高階級までの相手に勝つとはね…」
「俺がこの世界で特別かもしれない…」
「あなたがここまで簡単に乗り越えたのなら…」
「異世界でお約束の伝説の神器もあるの?」
「そうね…訓練を達成すればわかるわ」
俺はオリリベと話し合う中で遠距離攻撃担当のセーリンティルがやって来た。
「あら、オリリベント。この若者が新人?」
「ええ、そうです」
「初めまして、俺はツギヅテと申します」
「こちらは近接担当のエジレイダーの妹となるセーリンティル・ガーデスパーです。それじゃあ訓練場に行きましょう」
「わかりました」
俺は既に射的やサバイバル・シューティングのビデオゲームなどで銃撃戦を経験したが、実際に射撃訓練を学ぶのは初めてだ。
「まず最初に基本の拳銃タイプの武器で訓練よ。とにかく使ってみて」
「わかりました、セーリンティルさん」
俺はまず最初にハンドガンでの射撃の練習を何度かした。
「合格基準点な上にほぼ正確に命中してるわ…」
「次の銃器も試させていただけませんか?」
「ええ、いいわ。とりあえず、狙撃銃や機銃も色々とあるわ」
次に様々な銃器を試して訓練した末にほとんど外れることなくも無く全ての射撃訓練を終えた。
「将軍…合格基準点を超えたのならまだしも位置に正確に命中しています…」
「こんな若者が初めて合格基準点を記録したのなら…国王…」
「ふむ…。ツギヅテ、全ての射撃訓練のよく終えた。その訓練を続けて疲れているだろう、次の訓練の前に休憩を取るといい」
「わかりました」
国王の言うとおりに俺は1時間程の休息をとった。
「で、最後の全般運動の訓練はどこで?」
「こっちだ」
俺はロッケイン将軍の案内で全般運動の訓練場へ向かった。
「こちらが全般運動の訓練場だ」
場所を見て簡単に言えばアスレチックのような場所でアクションゲームをやるようなものか。
「これが最後の訓練だ、ツギヅテ」
「ルールは簡単、障害物を乗り越えてゴールに到達。水に落ちるなどコースアウトしたらやり直しだ」
「わかりました。ロッケイン将軍」
「がんばってね、ツギヅテ」
俺は最後の訓練となる全般運動を始めた。
子供の頃にアスレチックや学校で体育をしてきた俺には突破できそうだ。
数回は失敗したもののその経験を活かして全般運動をやり遂げた末にゴールに到達した。
「国王、ゴールしました…到達時間は今までより短く、失敗回数も少ないです」
「あんな新人の若者が簡単に乗り越えられるなら…」
「訓練はもう終わりですか?」
「そうだ。これで一応、君はバトメイナーの一員だ」
「実はオリリベントから聞いたんです。伝説の神器があることを…」
「それを言いたかったところだった。案内しよう」
スティーペリオ国王らと共に機密情報などがある地下室へと入った。
「ここに伝説の神器、いわばホーペガシーとなる聖剣・ブレンデッジが保管してある」
「聖剣…?。物凄い力が秘められてるんですか?」
「太古の戦争であるユニティ・ウォーを終結させたメザメイナーと呼ばれる伝説の戦士が所有していたものだわ」
「数百年前に先代の王らが発見して以来、今でもその力は誰にも使いこない者がおらず眠り続けていたままだ」
「ひょっとしてあの剣がそうですか?」
ブレンデッジが眠ってる保管庫に行くと、その中央にはそれと思われる剣があった。
「これがブレンデッジ…」
「君が全ての訓練を簡単に乗り越えたのなら、本来の力を発揮できるかもしれない」
「だったら、この聖剣を俺が貰ってもいいのですか?」
「ああそうだ、この聖剣が真の力に目覚めた時、その所有権をお前に与えよう」
俺は国王から渡されたブレンデッジを手に取るとその装飾となる宝玉が輝いた。
「ブレンデッジの柄の宝玉が光ってる…」
「まさか…選ばれたのか?数千年前のホーペガシーを扱えたのはいつ以来だろうか…」
「どうやら、先代のブレンデッジを使いこなした者の意志が君を選んだかもしれない」
「それじゃ…俺は伝説の戦士の称号となるメザメイナーに選ばれたのですか?」
「国王、これは試して見る機会はありそうです」
「だったら、このホーペガシーをテストしてみたいです」
「わかった、実戦エリアでまず試してみよう」
変わって訓練場の実戦エリアでブレンデッジの力を試すために、通常の武器では壊せないコンクリートなどの固い塊が用意された。
次に俺はブレンデッジで一振りするとそのコンクリートの塊は真っ二つとなった。
「スティーペリオ王、ツギヅテの持つブレンデッジのエネルギーが桁外れです!。ついに彼が伝説の力を蘇らせたのですか!?」
「ロッケイン将軍、間違いなく…伝説どおりかもしれない」
俺がそういう中でブレンデッジを通じて何かがの脳裏に浮かびあがった。
「どうしたのツギヅテ?」
「今のは…。すみません、あの机にあるカセットみたいなもの見せてくれませんか」
「メモロムのことかい?。ああ、今の時代ではホーペガシーに対応されてないものであるが…」
俺は技を習得するアイテムなどに相当するゲームカセットタイプのメモロムを次々と見た。
「色からみて赤色は火属性…緑色は風属性かな…」
俺がブレンデッジと一緒にメモロムを見る中で突然とブレンデッジの宝玉がメモロムが入ってるケースに向けて光が放たれた。
「何だ!?」
俺がそういった後、ブレンデッジが放った光は消えた。
「今のは一体…。無線でデータを読み取る形でメモロムに内蔵されてた能力を習得したのか…?。国王、またこのブレンデッジを試したいです」
「わかった…」
俺は再びブレンデッジの性能を試す中でそれぞれの宿したメモロムの力が発動した。
「信じられん…。ブレンデッジ一つで様々な属性をまとめて扱えるとは…」
「スティーペリオ国王、俺に任務はありませんか?。俺がこの力を目覚めさせたのなら異変を突き止められるかもしれません」
「わかった、ツギヅテ。丁度、明日予定したワイルデザス地方での警備ならびにモンスター討伐などの長期任務があったところだ」
「ありがとうございます」
「さらにブレンデッジを目覚めさせた記念に豪華な夕食を奢ろう」
「これは伝説を目覚めさせた特典ね…」
訓練を経てホーペガシー・ブレンデッジを試した俺は国王からのご褒美として豪華な夕食を食べることにした。
「国王、この肉かなり焼けている上に柔らかいです」
「腕前のある料理人グルスタ・ミチミナが全部作った」
「グルスタさんの料理はいつも美味しいわ」
「ビールもう一杯、くれねえか」
「将軍、いくらブレンデッジを目覚めさせても飲むのは控えろ。明日は任務だぞ」
「わかってます、次の一杯だけにしときます国王」
夕食を食べ終えた俺はお風呂に入った後、明日の任務に備えて就寝した。