第1話「空白の中で出会ったのは」
エピソード1 目標空白、異世界へ
第1話「出会いが始まり」
とある少年が自宅で録画したあるバラエティ番組を見ていた、その中でアナウンサーがある話題を話してる所になっている。
「私はいろいろと有名俳優ならびに著名人等を取材してきました。そんな中、過去の経済恐慌を上回る黄昏経済が起きた中で彼ら以上に大きな奇跡をもたらした人物がいました」
「彼の名は武培望集時、不治の病にかかり残念ながら16歳という若さで亡くなりました。しかし生前に最後の力を振り絞り、余命僅かである事を様々な人達に伝え大きな支えを生み出し黄昏経済でホームレス達になった人に生きる勇気そして恵みを与え、大きな偉業そして名声の足跡を残しました」
それから、その番組を見終えると父親の西和が扉を開けてやってくる。
「晩餐が出来たぞツギヅテ、しかしまたそれを見ていたのか。」
「有名な一家の一人となる自分の目標は何か、まだそれを迷っているんだ。しかし兄がやり遂げた事を思い出せばやりたいことがいずれわかるだろうと思って」
「そうか…、早くしないとご飯冷めるぞ。」
ツギヅテはリビングに行く前に頭を振り向き棚の上にあった兄の望集時の写真を見る。
(兄さん、俺は何をするか迷い続けてる、どうすればいい…?)
翌日、俺は学校である始ヶ導学園に向かい歩く中、世間で兄の出来事が広まり友達であるクラスメートらに声をかけられた。
「おはよう、どうしたんだ?ツギヅテ?」
「また悩み続けているの?」
「君の兄さんは、かつて黄昏経済で失業した数多くのホームレス達に余命宣告である事を届け他の人と支えあい恵みと生きる勇気を与える奇跡を残した、今もその活動が続いてる中で、満足じゃないのか?」
「ああ、亡くなった兄が奇跡を起こした時点で自分自身は何なのか迷ってるんだ」
「そうか、まだ悩み事あったら僕達がいつも相談するよ」
そんな中、歩きながら会話をしているツギヅテとそのクラスメートの光景をある少女が見ていた。
(見つけた…伝説の候補となる存在、彼はかつての大きな不況時代で大きな奇跡をもたらし不治の病で亡き英雄の弟)
ツギヅテは始ヶ導学園にたどり着き、教室に行くと生徒の話し合いの声が部屋中に響いていた。
「どうしたんだ?今日はやけに騒がしいことになってるけど?」
「ツギヅテか?今日、新しい転校生が来るらしいって」
「しかもその転校生は海外から引っ越してきたらしい。しかもあの大手企業の…」
海外のからの転校生が来る例は少なくはなかった、果たしてどういう生徒なのか。
それから授業前の出席確認時間となるその前に転校生がやってきた。
「それじゃあ、出席確認の前に転校生を紹介します」
入り口から転校生がやってくる、その転校生は女の子で髪は黄緑色であった。
「私の名前は縁葱織利辺と申します。両親は大手ゲーム会社・エデネオメガに勤めており。日本への転勤の事情でここへ転校することになりました。皆さんよろしくお願いします」
オリリベが自己紹介をし終え、それからいつものように午前の授業と給食を経て休み時間になった。
俺はノートに何かを書いて考える中、後ろから誰かに声をかけられた。
「ねぇ、君」
俺は考えてる中、振り返るとそこに転校生であるオリリベがいた。
「オリリベか。でも、授業中に何で俺を見ていたの?」
「あなたは名前はたしか武培継伝ね、かつてテレビ番組やニュースで取り上げられた亡き望集時の弟…」
「勿論さ、でもなんで俺に興味を?」
「あなたの家族が裕福である中で、何をしたいか迷ってるの?」
「ああ、俺は亡き兄の元に届いた沢山の物資などで困ってる人達を家族や仲間である友人やボランティアと一緒に支え合い助けてるだけでは何か物足りなくて…。簡単に言えば、その出来事がハッピーエンドだけで足りない事」
「丁度いいわ。今度、私の家に遊びに来てくれるかしら?。転校記念に友達を作りたいと思ってね、それと…エデネオメガの開発中の試作品のテストをしてもらいたいわ」
「開発中の試作品のテスト?わかった、俺もこういうのやりたかったんだ」
「その件は私の家でやるから、時間があったら来てくれる?」
「わかった、特に用事などが無かったら、来るよ」
それから某日、俺は学校を終えた後、約束通りにオリリベの元へ行った。
「そういえば家族に遊びに行く連絡はした?」
「ああ、両親にメール送っておいたから大丈夫だよ、それからそうと君の家はどういうものか楽しみだ」
「それと私の付き添いが車を用意しておいたから」
「ありがとう」
俺はオリリベと共に高級車でオリリベの家に到着した。
「ここが君の家なの?」
オリリベの家は洋館だった。
大富豪などの別荘も豪邸であることも少なくないだろう。
「ただいま、私が転校した記念としてお友達を連れてきました」
すると執事らしき人間がやってきて俺と目を合わせた、オリリベが海外に転勤したからか両親に仕える執事だろうか。
「そのお方は?」
「同じ学校のクラスメートである武培ツギヅテです。」
「武培ツギヅテ…、まさか武培望集時の弟なのですか、初めまして」
「ええそうです、もちろんこの人にも奢りなどをお願いしていいかしら?」
「わかりました、とりあえずクッキーや紅茶も用意しておきます」
オリリベの家を兼ねて別荘の中は洋風で綺麗だった、一方で俺は差し入れとなるクッキーや紅茶を飲みながら、オリリベと執事や使用人と会話を続けてた。
「失業者や困っている人たち助けるだけでは自身の目標が物足りず迷ってるのですか…」
「ああそうです、執事さん…」
「話はわかりました。とりあえず本件についてはもうしばらくお待ちください。オリリベと相談しておきます」
ツギヅテはリビングで待つ中、オリリベは別の個室で執事や使用人などと何かを話していた。
「あの亡き間際に奇跡を起こした者の弟をあそこの異変を解決する候補ですか?」
「ええそうです」
「たしかに雇用担当のお嬢様の提案通りですが、あの少年を雇うのは…」
「あそこの世界に危機が迫ってる中で、彼は何をするか迷っています。その世界へ案内させて私と国王でなんとか彼を相談させます」
「わかりましたお嬢様」
オリリベがリビングに戻るとツギヅテに声をかける。
「とりあえず準備が終わったわ」
「良かった、俺もゆっくりとクッキーや紅茶を食べ終えた所」
「とりあえず私と一緒についてきて」
俺はオリリベの案内で屋敷の中を歩いて行った。