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34話 これは一つ目の物語
今度は一つ目の物語。
少しさかのぼる。
体に感覚が戻ってくる。
「おい待てよ。まだ終わらねぇ。」
「んっ?まだ生きてたか。」
立ち上がり剣を構え直す。
「こんなんじゃ終われない。」
仲間が戦ってるんだ。
「お前を救い出す。永遠に抜けない闇から。」
「それでどうなる?」
「俺は俺以外の闇をすべて飲み込む。闇は俺だけでいい。」
「昔の俺と同じ事を。」
「ヴァーギルもそう思ってたのか。」
「が、現実はそうは行かない。そんな簡単には、救えない。自分が身を持って実感できるはずだ。」
「そうなったとしても俺は考えを変えない。」
「きっと分かる」
「いや分からない」
一度味わいそうなった少年とまだそこにすら行ってない少年。どちらの方が説得力があるだろうか。
そしてドーピングもあと二分。必殺的になるであろうさらなるドーピングで決めなければならない。
「時を残しさらなる高みを。闇と時がかなさる時、それは誰にも止められない。」
頭に浮かぶ詠唱文。それを口に出す。
「【時空斬・幻影】」
気分が違う。吐き気がする。が、気分の方は悪くない。先程とは全く異なる。
ギィィィィン
再び甲高い音が鳴り始める。




