26話 ハルキVSヴァーギル
カキンッ
一回目の剣のぶつかり合い。風の加護を乗っけた斬撃すらもなんなく受け止める。
「前と変わってねぇんじゃねぇか?」
「ふっ、ぬかせ」
ぬかせと言う言葉初めて使ったかも。
一度間合いを取り右手を後ろに構えもう一度近づく。
重心を前に。地面からの熱が感じられる。そして剣を降るタイミングになるが前にはいない。
「ほら後ろを取った。やっぱり変わってないんじゃ…」
「そのままそっくり言葉を返すっ!」
まだ風の加護の魔法はきれてない。ならば後ろに回るのは容易い。
「風の精霊よ、より鋭く、より速く、刃を風とせよ。【風の加護・刃】」
頭に浮かんだ魔法。刃物系の武器だから使えらしい。この魔法を急ぎ、早口で唱える。
「っ!!」
その剣筋の速さにガードしきれず避けきれず、体に1つめの斬撃が刻まれる。
「この魔法は、一度じゃきれないっ!」
ニ度目、三度目とどんどんと刻まれていく斬撃の痕。やめない限り終わることのなく、切り刻んで行く斬撃のはずだった。
「明るき場所を闇とかし、姿をくらませ。【ブラック・ミスト】」
それは初めて聞く魔法だった。【デス・スラッシュ】の時はそれの下位の技を使えたから強化だけだった。だが、俺の権限だとそこまでしか使えない。だから初めてでもおかしくないが、得体の知らない魔法。唱えていた、詠唱時の単語を思い出し、どんな感じかどんな効果か思い浮かべても悪いものだらけだ。
「消えたっ!?」
急に目の前にいたヴァーギルが消える。気づけば周りにミスト。黒い霧が広がっている。
「ちっ段々と見えなくなってきやがった。」
霧が濃くなっていく。霧が薄い状態でも霧自体が黒いせいかあんまり見えなかったのに。
「見えたっ!」
闇の力のせいなのか、薄っすらとヴァーギルが見える。
「そこだぁっ!」
剣を深々と刺す。が手応えが無いままヴァーギルは影に飲まれていく。どうやらミスト、霧で作った偽物のようだ。
「闇には勝てないっ!」
後ろに気配がし、回避するも、しきれずヴァーギルの剣がかすめて行く。
「闇でも本当の闇には勝てねぇってか。」
が、所詮ミスト。ただの霧だ。
「風よ吹け!「ウインド・ア・ガード」」
使える属性の1つ。風。その属性で思い浮かぶ魔法。つまり使える魔法。それを使った瞬間ハルキを中心とし、そこから外側に向かって勢いよく、風が吹く。この魔法は今みたいな霧や炎みたいなものから身を守るのに使えそうだ。
「さぁ、俺はかすめただけでヴァーギルはその傷!前とは違うってことを説明できたんじゃないか?」
「ちっ、これからだよ」
強がりにも、事実にも、どちらにも聞こえたような感じがした。
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