第3話 ~すべては約束の定め~
光を受けて紫色に輝く、ぬばたまのような黒髪に、瑠璃色の瞳。
まるで、ほんとうの親子のようにおそろいだった、お義母さんとぼく。
紅葉の木々の合間を縫って、手を繋いで歩いた。
「ごらん、あのちいさいのがりす、あの耳の長いのがこうさぎ。
あの賢そうなのがめすおおかみ」
「なんで、みんな光っているの?」
「それは、宝石を宿しているからだよ。
その身体のまんなかに、輝く<アルミナ>を宿しているんだ」
「あるみな?」
「そう。生きとし生けるものの、命と証、特別製の心臓。
たとえば、魔法によって作られる、従属の証がそれだ」
「じゃあ、おかあさんが、ますたーってこと?」
「そうだね。……は賢い子だ。
いずれ、お前には……を施してやろう。
――それがわたしとお前を繋ぐ、<最初の約束>だ」
「……やくそく?」
ぼくは無邪気に繰り返し、笑った。
「――そう、“約束”だ。」
そう言って、トウヨウの約束――……
「指切り」をしてくれたお義母さんは、優しく、とても優しく笑んでいた。
思えば、そのときからあの別れは決まっていた。
約束された、別れの運命。
だけど、それでも、ぼくは、――…。