~登場人物紹介~
このオリジナル小説『リシアンの契約』の主人公は、
悪を倒しません。
主人公の役目は、あくまで常闇の世界に光を灯すこと。
怪物や魔王を倒すことではなく、
その怪物や魔王に手を差し伸べることなのです。
武力で制することなく、正義を振りかざすことなく、
知力と優しさのみで歩いてゆこうとする、少年リシアンには、
様々な困難や不幸が襲ってきます。
それでも、リシアンは歩いてゆきます。
傍らには人ならぬ相棒を、
胸に喪ったお義母さんとの約束を抱きながら。
喪失と奪還の物語はまだまだ続きます。
常闇の世界に光を灯してゆくリシアンたちは、
その結末に、はたしてなにをもたらすのか。
どうぞ、あたたかく見守ってあげてくださいませ。
勿論、
作者も彼らに負けないようがんばります!(笑)
リシアン…………主人公。十二歳。
光があたると紫の光沢を放つ濡羽色の黒髪に、
瑠璃色の瞳の少年。
瑠璃の魔女の義理の息子。
亡き義理の母の約束を果たすため、
彼女のなくしたかけらを探す旅に出るとともに、
常闇の世界を照らしてゆく魔法使い、
“蝋燭の灯し人”として生きることを決意する。
リシア・ルチア…通称・瑠璃の魔女。
親を失った幼きリシアンを育てた義理の母親。
リシアンと同じ黒髪と瞳を持つ、妖艶かつ清廉な印象の女性。
青の国・ラズーリ禁猟区の、“禁じられた森”にひっそりと住んでいた。
死に際に、リシアンと約束を交わす。
魔女と呼ばれ人々からは避けられていたが、
深い愛情と包容力を備えた、身も心も大変美しい女性。
紫尾………青いたましい型の使い魔。
(オラシオン)
リシアンの従者で、相棒。
可愛らしいおばけに、ぴょこんと柔らかな触覚が生えたような容姿。
しぐさも小動物のようで、愛らしい。
一方で口調はひどく古臭く、江戸時代の町民のよう。
言葉づかいは少々乱暴ながら、
長い時を生きてきたためか、非常に面倒見がいい。
グリシーヌ………紫の国の若き巫女王。15才。
(ヴィオレッタ・ウィスティリア)
星を散りばめたように輝く美しい黒髪に、
アメジストのような紫の瞳の少女。
神からの託宣を国民に伝える、重大な役割を日々こなしている。
気は強いが誇り高く心優しい。
ツァラトゥストラ…常闇の老賢者。
子ども達を永久の眠りにいざなう、
<ツァラトゥストラの眠り病>
を生み出した魔法使いだといわれているが…。
リキア・エイドス…聖カソリキア教の大司教で、白の聖王。
千年の時を、不老不死のまま、少年の姿で過ごしている。
白髪に、灰がかった薄青色の瞳。
遠い昔、聖ルチアと青の王を殺している。
リシアンを激しく憎んでいるが…
言葉遣いと男装のためわかりにくいが、
実はれっきとした女の子である。
ルキウス・イデア…初代青の王であり、リキアの兄。
(粉雪)
青の神と契約し、 その代償により、悲劇的な末路を迎えた。
銀の髪に瑠璃色の瞳の、凛々しく麗しい青年王だったという。
古の時代、当時孤児だった聖ルチア (瑠璃の魔女の先祖)を育てた。
篠姫之神・・・・・・・・・・青の神。ルキウスの母上。
(しのひめのかみ)
うら若き花の乙女のような、可愛らしい容姿とは裏腹に、
激しい感情を内包する女神。
桜色の髪を頭の上で結い上げ、鮮やかな青い羽衣をまとっている。
ミュステーリオン・・・紫の神。神秘と知恵、知識と謎かけの神。
(リオン)
髪はこっくりとした艶やかな深い紫。
瞳は銀箔を薄く重ねたような切れ長の瞳。
加えて豊かな胸に、くびれた腰、と、完璧な美貌を持つ女神。
内面はお茶目かつ、しとやか。
あらゆる意味で篠姫とは真逆。
リク・アズマ………黄の国の王。20歳~21歳。通称、琥珀の機械王。
異界<アザー>から連れてこられた青年。
太陽の光を集めたような琥珀色の髪に、
ひとなつっこい丸みをおびた黒い大きな瞳。
童顔で、背も小さい。
性格は非常にほがらかで、なつっこい。
機械学に通じ、モンスターテイマーの才能がある。
メイサ・オニキス…黒の国の女王。22歳~24歳。
通称、黒瑪瑙の騎士王。
暁の騎士団<オリハルコン>のリーダーであり、
遊牧民たちの先導者。
女流第一位、国全体でも二位の剣の使い手であり、
その剣舞は息をのむほど美しいと評判である。
戦争で散り散りになった国民を拾いあげ、まとめている。
磨かれた黒曜石のような長いまっすぐの黒髪。
目は黒瑪瑙のように澄んで輝いている。
健康的なスリムでバランスのとれた長身。
性格はおおらかでかなり前向き。
言葉遣いは男のようだが、かなり純真な恋する乙女。
ちょっとドジで天然のところがあり、
騎士団内部やメイドのなかに、自分のファンクラブや、
親衛隊が存在することには気づいていない。
セドウィグ・ダークバルド…黒の国の軍師。
20代後半から30歳前後の男性。
もと死神と呼ばれた軍曹であり、黒の国一番の剣の使い手。
くすんだように深い趣のある、灰がかった短い金髪に、
同じく灰がかったサファイヤの瞳。
無駄のない体つきに、整った顔立ちと、
すべてがギリシャ彫刻のような絶世の美男子だが、
壮絶な目つきの悪さと、危ない言動のせいで、
すべてがだいなしという世にも残念な男性。
クールな皮肉屋だが、 時に驚くほど優しく、情熱的。