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Re:サイクル  作者: yuu
〈2.地雨〉
4/7

{ユミ side}

高校に入って、およそ一年と四ヶ月がたった日のこと。

『千早つぐみって人知ってる?』

初めてその名前を耳にした瞬間だった。

その一瞬で、まるで走馬灯のように、中学時代が脳裏を駆け巡った。


まさか、またその名前を耳にする時が来るなんて…。


心の焦りは抑えることができず、自然と息をするかのごとく表情に出てしまった。

"中学の時のただのクラスメート"

自分で放ったその言葉が、自分の心を容赦無く突き刺した。

早くこの場から立ち去りたい。

私はそそくさと彼に背を向ける。

彼の停止の声を遮り、最後に一言残して逃げた。



彼があの名前をしっていた理由。

それはきっと由佳利だと思った。

今日の朝、由佳利はいつもより元気がないように見えた。

そのことに気づいたのは、きっと私だけ。

私は由佳利と中学からの付き合いだけど、他のみんなは違う。

気づかなくても無理はない。

だから、もしも彼が、本当に由佳利を経由してその名前を知ったのなら、話の辻褄が合う。

だったら、私のすることは二つだけ。

『由佳利が本当に大事なら、その名前はもう忘れて』



教室に戻ると、みんなが私を笑顔で迎えた。

「あ、ユミ帰ってきた」

「遅かったねー」

「何してたの?」

「ごめん。友達と話してた」

みんなとは違う。

由佳利の笑顔が不自然だった。

「ねぇ、今日みんなで遊ばない?」

今は、由佳利と彼を、あまり会わせちゃいけないんだ。

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