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プロミステイク ~俺と彼女の中二病的恋愛遊戯~  作者: 阿津沼一成
第1章 スプリング×ビギニング
42/90

第42話 BUrST

いつもの通学路


公園の遊歩道を歩きながら俺は木々の間に覗く太陽の方向を仰ぎ見た


今朝は朝から汗ばむくらいの暑さだった

もう陽気はすっかり夏だ


ここは木々に遮られて強い陽射しは届いてこない

だがここを抜けた先は焼けたアスファルトによる灼熱地獄だろう

それを思うと気が滅入る


「けーご」


背後から聞き慣れた声がかけられた


緩みそうになる頬を引き締め、振り返る

そして・・・心臓が跳ねた


駆けてくる笑顔の園崎


その笑顔の真下で二つの大きな膨らみが身体の振動に合わせユサユサと揺れていた


昨日までは制服のベストで押さえ込まれていた豊満な二つの膨らみがこれでもかと自己主張している


シャツを内側から押し上げているそれは生地の表面に下着のラインをくっきりと刻み、そしてその柄もうっすらと浮かび上がらせていた


男の本能として単純に嬉しがる気持ちと共に・・・複雑な気持ちが心に淀みわだかまる


これを俺以外の男子生徒共の目にも晒すなんて・・・

いや・・・もうすでにここにくるまでに数え切れないくらいの男共の視線に晒されたに違いない


それを思うと胸の内側からムカムカした物が沸いてくる

・・・俺はかなり嫉妬深くて独占欲が強いのかもしれない


「けーご、また邪悪な顔してる・・・」


園崎のうっとりした声に現実に引き戻された


いかん

またヤバい顔してたか俺


「オハヨ、けーご。どんな悪辣な事を考えてたんだ?」

「・・・おはよう園崎。悪辣ってなんだよ・・・ただ『暑いなあ』って思ってただけだよ」


気を抜くと胸に引き寄せられそうになる視線を俺は気力で園崎の顔に固定しながら会話を交わす


「くはは。ホント、暑いよな最近」


園崎はそのシャツの胸元をつまむとパタパタと空気を送り入れた


俺は注ぎそうになる目の動きを眼球の筋肉への無理な命令で留まらせる


園崎の首元にはお決まりのネックレス


これをこのあたりで外してやるのはもう毎日の日課になっていた

そして・・・うなじへの愛撫も


俺がワザとやっていることに園崎はとっくに気付いてると思うのだが一度も咎められたことはなかった

だから俺の方もその度にそこに指先を滑らせ園崎のカラダの反応をみた


「は、外して・・・けーご・・・」


今日もいつものように園崎は僅かに上擦った声でそう要求してきた

見つめてくる瞳には微かな熱と揺らめきがあるように見える


「・・・ああ」


俺は頷くと背中を向け髪を掻き上げた園崎の首筋へと手を伸ばす


金具はとっくに目をつむっていても外せるくらいになっていた

そして・・・うなじだけでは物足りなくも・・・


首筋だと・・・どんな反応するんだろ

新たに沸いた欲望に突き動かされ・・・薬指で右首筋を軽くなぞった


「は・・・・あン!?」


想像以上の反応だった

跳ねた肩に手が当たり、俺はその拍子にネックレスを取り落としてしまった


振り向いた園崎は紅潮した頬で狼狽したように目を彷徨わす


「ゴ、ゴメンねけーご・・・え、えと・・・その・・・いつもと違うとこだったから・・・」

「え?」


「んーん、それよりネックレス・・・とって」

「あ!そうだ。・・・どこ、落ちた?」


俺は慌てて足元に目を動かすがどこにも見当たらない


「けーご。えっと・・・・たぶん、ここ」


そう言って園崎が指で示した先は・・・・自分の胸の中心だった


「ここって・・・・え?」


服の中に落ちたってことか?


「ここに、あるから・・・けーご取って」

「・・・・・え?・・・・ええっ!?」


「・・・・だって、けーごが、落としたん、でしょ?」


頬を紅潮させた園崎が上擦った声でそう責めてくる


「そ、それはそうだけど・・・」

「まず・・・ボタン、外して」


真っ赤な顔で・・・しかし強い口調でそう言ってくる園崎

俺はただ狼狽えるばかりだった


「え、え」

「早く、して・・・誰か、来ちゃう」


「わ、分かった」


園崎に押し切られ俺は思わず頷いてしまった


震える指先を伸ばしボタンをつまむ

他のところに触れないように生地を少し引っ張るようにして・・・ボタン穴からボタンを外していく


上から・・・ひとつ、ふたつ・・・みっつ、外した


だが躊躇いに指がそれ以上動かない

俺・・・ビビってる


「けーご・・・はやく・・・」


園崎が震える声で促してくる

その声には明らかに羞恥が混じっていた


こ、ここで止まってたら園崎が可哀相だ

早く終わらせないと


俺は意を決してシャツの合わせ目を左右に・・・ゆっくりと開いた


目に飛び込んでくる色素の薄い肌色

そしてパステルグリーンのストライプ柄


その布地に包み込まれた膨らみは無理に押し込まれ、こぼれ落ちそうにも見える


俺は前に一度・・・一瞬とはいえ、ありのままのそれを見たことがある


綺麗な薄桃色の膨らみ


その先端の・・・濃桃色の突起・・・


「・・・けーご、そんなじっくり見られると・・・恥ずかしい・・・」


「!・・・・ご、ごごごごめん!見とれてた!!」

「み、見とれ!?・・・そ、そなんだ・・・」


俺のセリフに園崎の頬に益々赤みが増していく

しまった!つい正直に言っちまった


「じゃ、じゃあ・・・取るからな?」

「う、うん・・・お願いします」


ネックレスはそのふたつの膨らみにより形成された谷間と布地の隙間に引っ掛かっていた


ごきゅ


思わず生唾を飲み込み喉が鳴る


俺はネックレスへと震える指先を伸ばした


――――チャンスだ


――――触っちまえよ


――――マンガみたいに『手が滑った』とか言ってさ


――――指先で少しつつくぐらいなら大丈夫だって


――――うなじや首筋くらいで満足してるわけじゃないんだろ?


脳裏に自分の中の欲望が次々言葉になって現れる


いや、駄目だ駄目だ!

園崎の視線を受けながらそんなこと出来るか!


軽蔑されて嫌われたりしたら取り返しがつかない


俺は他のところに触れないよう指先で慎重にネックレスをつまむ


よし、これで・・・・


ふにっ


「ん・・・あッ」

「!?」




「って、うわわわわわわわわわわわわわ!ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴメン園崎!」


俺は謝罪しながら慌てて手を引っ込めた


なんだ!?


触りたいって欲望が高まり過ぎた余り、無意識の内に俺の手が動いてしまったというのか!?


「ん、んーん。け、けーごは悪くないよ!い、今のは、あたしが・・・えっと、バランス?・・・そう!バランス!・・・・・バランス崩して、よ、よろめいたからで・・・」


「そ、そっか・・・でも、ゴメン園崎」


どうやら俺が悪い訳じゃないらしい

・・・でも実際はやっぱり俺が思わずやったことで、気を使った園崎が自分のせいって言ってくれただけかもしれないが・・・


「・・・・・。」

「・・・・・。」


「おっはようございまーす!先輩方!」


「うわわわわわわわわわわわわ!!!!!!!!!」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


突然かけられた声に俺達は飛び上がらんばかりに驚いた


言うまでもなくこの声の主はサクマだ

いつの間にか、すぐそばまで来ていたらしい


園崎はまだ胸をはだけたままだ

俺は慌てて園崎を背中に隠した


「よ、よおサクマ。きょ、今日は早いじゃまいか」

「・・・・・ジャマイカ?先輩、なんで変な噛み方してるんですか?」


自分でも判るくらい不自然な狼狽え方をしてる俺にサクマがジト目を向けてくる


「なんでもないなんでもないなんでもない」

「それにマンガみたいに物凄い汗が滝のように・・・」

「いや、今日って、スゲー暑いじゃん!?」


訝しがるサクマの視線にごまかし笑いをしつつ背後の園崎を伺う

慌てながらもシャツのボタンはすべてはめ直したようだ


「や、やあサクマ。オハヨウ」


俺の背中から出た園崎が僅かに硬い声でサクマに挨拶した


「あ、園崎センパイおはようございま・・・ふあああ!!!!」


挨拶を返すサクマがいきなり素っ頓狂な声を上げた


「そ、そ、そ、園崎センパイ!?その胸・・・」


サクマのセリフに俺は心臓が止まりそうになる


なんだ!?

なにか感づかれたか!?


「お、おっき過ぎません!?・・・確かに前からおっきいなあとは思ってましたけど・・・これほどの超絶ワガママボディを隠し持ってたなんて!?」


「や、やめないかサクマ・・・ヘンな言い方しないでくれ」


サクマのあからさまな反応に園崎が顔を引き攣らせる


「はああああ・・・・身長はあたしと殆ど変わらないくらいなのに・・・少し分けて欲しいくらいですよお」

「むう・・・ボクは胸より身長の方が欲しいけどな・・・」


サクマからの羨望の眼差しにそんな言葉を返す園崎


ふたり連れだって歩きながら、なかなかに際どい内容のガールズトークが始まる


男子的に加わりづらい話題に、俺は二人の後を少し遅れて歩いた


微かに小指に残った甘美な感触を思い出しながら


◆    ◆    ◆    ◆    ◆    ◆


学校に着き教室のドアをくぐった

すでに教室内にはタナカとサトウの姿があり二人でダベっている


「よ、おはよう。タナカ、サトウ」


歩み寄りながら俺はそう挨拶の言葉をかける

俺の声に二人が顔を向けた


「よお、義か・・・おおっ!?」


俺への挨拶もそこそこに、瞬時に園崎の胸に反応したタナカがその視線をそこへと向けた


やっぱりな・・・


コイツにとっちゃ女子の胸は等しく女子の胸だ

それが誰のかなんてのは些細なことなんだよな・・・


他の男子達もタナカほどあからさまではないものの、やはり園崎にチラチラと視線を送って来ていて正直俺の心中は穏やかではない


思わず嘆息を漏らした時、神速の素早さで園崎の身が動いた


ヒュゴ


「ヒッ!?」


短い悲鳴が上がる


タナカの引き攣った顔の目前、文字通りその両目わずか1、2センチの距離に園崎のまっすぐ伸ばした右手の人差し指と中指がピタリと止まっていた


「・・・貴様、穢らわしい目で見るな・・・抉るぞ・・・」


呟くような低く静かな声による警告に背筋が凍る


瞬時に周りの男子の目が別方向へと動いた


「る・・・るっせーな!こ、これは男にとっちゃ本能みてーなモンなんだよ!男なら誰でも女子の胸に視線を引き寄せられちまうもんなんだ!それが例えオメーみてえな狂暴な中ニ病オンナでもな!!」


素直に謝っとけばいいのにタナカがそう言い返す


「なん・・だと・・・」


園崎の声に怒りが混じる


「お、おいタナカ、謝っとけよ」


ヤバそうな空気に俺はタナカへとそう促すが・・・


「なんだよ義川!いい子ぶりやがって。オマエだって巨乳好きじゃねーか!」

「な!?」


コイツ、攻撃対象を自分から逸らすつもりか!?


「そ、そうなのか?けーご」

「そうなの!?義川君!」


園崎と・・・何故か委員長、双方から確認を求められた


「い、いや、俺はその・・・」


ハイ、どちかといえば大きいのが好みです、個人的には


心の中ではそう正直に返答するがそれを口に出すほど俺は愚かではない


「なんだよ義川!前に理想のオッパイシチュエーションについて熱く語り合ったじゃねーか!お前だって、夢を熱く語ってたろ!」

「な!?」


このアホが!


女子も揃ってる教室の中で秘密のボーイズトークの中身を暴露するつもりか!?


「もしいつか彼女が出来たら額を地面に擦り付けてでも頼み込んで憧れのパイズ・・・」


ぎゃあああああああああああああああ!!


「ゴルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


俺は渾身の力でタナカの口を手の平で塞ぐとそのままの勢いで奴を教室の外へと引きずり出した


◆    ◆    ◆    ◆    ◆    ◆


「すまねえ義川、つい熱くなっちまった」


「勘弁しろよなタナカ・・・あんな内容の話、女子の前でしてみろ?ドン引きされて変態の烙印を押されるとこだったぞ」


廊下の隅で俺達はひそひそとそんな会話を交わす


「フッ・・・つい女子胸の事になると我を忘れちまうぜ・・・」


無駄にニヒルな表情でそう語るタナカに俺はジト目を送る


タナカ・・・

コイツの女子の胸に対する執着は異常だ


そのアホさ加減を如実に表すこんなエピソードがある


コイツが中学時代の事だ


『時速60キロにおいて手の平に感じる風圧による抵抗が女子の胸の感触と近似値である』との情報を得たタナカは父親の運転する自家用車の後部座席において実証実験を行った


(危険なのでアホ以外の方は決してマネしないで下さい)


そして擬似的な女子胸の・・・


文字通りエアオッパイの感触を体感し恍惚となる中、奴はその指先をブロック塀ですりおろした・・・


俺はこの話をタナカの中学時代の同級生であるサトウから聞いた時、にわかには信じることが出来なかった


そんなアホな人類がこの世にいるか・・・と


しかし数日後その疑いは間違いだったと思い知らされることになる


アホな人類は確かに存在したのだ


それ以来俺は奴の指先の古傷を目にするたび、固定観念で物を考えることはしないよう己を戒めることにしている


そんなタナカだ・・・


万が一・・・


万が一俺が・・・


園崎の胸に顔を埋めてしまった事や、ナマで見てしまったことや、あまつさえつい先ほど一瞬とはいえその感触を体感してしまったことがバレたとしたら・・・


きっとその妬みからくる怨嗟は並々ならぬものとなるだろう


コイツにだけは決して気付かれないようにしなければ・・・


俺の身に死にも等しい危険が及ぶことになるだろう


胸に抱いたその懸念に俺は思わず身震いした


◆    ◆    ◆    ◆    ◆    ◆


「しかし、お前よく食うよな・・・」


「うん?そうか?」


5つ目のあんパンを開けながらそう言う隣の席の園崎に、俺はげんなりした目を向ける


時間は昼休み、昼食の最中である

ちなみに場所は教室


流石に屋上は暑すぎて行く気にならず、今日は二人ともそれぞれ自分の机で食べることにしたのだ


周りの連中にヘンに勘ぐられないように同じ机でとか、机同士をくっつけたりとかはしていない


園崎もその辺はわきまえており、その口調も二人だけの時と違ってあくまで男口調だ


それにしても・・・


「よくその身体にそれだけ入るもんだよ・・・しかもあんパンだけ」

「今、僕はあんパンがマイブームなんだよ」


そう言いながら1リットルの牛乳パックをあおる園崎


「育ち盛りだからな、すぐ腹が減る」

「育ち盛り・・・ねえ」


俺がげんなりした視線を送るとその視線をどう受け取ったのか園崎はムキになって言い返してきた


「し、仕方ないじゃないか!こうして苦手な牛乳だって毎日飲んでるのにほとんど背が伸びないんだから!」


・・・え?


いつも牛乳ばっかり飲んでるから好物なんだと思ってたけど・・・苦手だったのか・・・


「それなのに何故か胸ばっかり大きくなるし・・・去年までBだったのに、最近じゃもうDがキツいんだぞ!」


「ごふっ!?」


園崎の言葉に俺がむせる


と同時に背後で『ぼびゅっ』という音と、女子数人の『きゃあ!』という悲鳴が上がった


なんだ!?と、驚き振り返ると・・・


委員長が飲んでいた『飲むヨーグルト』のパックを握り潰していて、彼女を含め一緒に昼食を食べていたフジモリさん達に、飛び散った中身がかかっていた


・・・白濁した液体まみれになった顔が絵面的に非常に卑猥だ


視界の隅でガタッと椅子を鳴らして前屈みになるタナカの姿が見えた


「・・・だ、大丈夫か?」


無言で固まっている委員長に俺は恐る恐る声をかける


「くはははは、何やってるんだ委員長。まったくドジな奴だなあ」


そんな委員長の姿に園崎がからかうようなセリフと共に愉快そうな笑い声を上げる







「・・・・・・・・・・・なにが可笑しいのよ?」







低く呟くような声


そして・・・


ゆっくりと振り返った委員長が肩を振るわせながら鋭い視線で睨んでくる


目が据わってて恐ぇ!


いつもと違う妙な凄みにさすがの園崎も顔を強張らせて固まる


フジモリさんが顔にかかった液体をハンカチで拭いながら、そっと憐れむような視線を委員長のその控えめな胸に向けていた


ちなみにフジモリさんは・・・まあそれなりに豊かなものをお持ちだ


「・・・・・・・・ああ、全く可笑しいことなど何ひとつ無いな」

「なっ!?」


突然上がった背後の声に驚いた園崎が振り返る


いつの間に現れたのか、そこには暗い表情をしたホズミ先生が氷のような瞳で見下ろしていた


その右手はすでに園崎の頭部に乗せられている


ちなみにホヅミ先生は・・・無駄な凹凸の無いしなやかでスレンダーなボディの持ち主だ


「園崎・・・・貴様の心無い一言はこのクラスの女子、その過半数の心を深く傷つけた・・・」


ギシ


「く・・・・・ぐああ」


掴まれた頭部が軋み園崎が苦悶の呻きを漏らす


「ちょ・・・先生、それはいくらなんでも理不尽なんじゃ・・・・」


「あ?なんだコラ、義川。あ?コラ?お前この巨乳の肩を持つつもりか?コラ?」


矛先こっち向いた!?


「いや・・・だって、園崎・・・別にたいした事、してない、ですよね?」


突っかえながらも勇気を振り絞りそう言うと、その言葉に担任の頬が引き攣る


「たいした事じゃない、だと・・・ふひひ、Eがたいした事じゃないと・・・じゃあそれ以下はどうなる!?Aなど女じゃない、か?・・・・この巨乳信奉者どもめ!!貴様のような奴がいるから男共の巨乳信仰が無くならんのだ!!!!いいか、胸などただの肉だ!脂肪の塊だ!中年ハゲ親父の三段腹と材質的には同じなんだぞ!そんな物を有り難がるなど愚かの極みだ!!!!!」


そこまで一気に叫ぶように語った後、一度言葉を切る担任


「・・・・・・・この巨乳はこのクラスの女子過半数の心を傷付けた。その心の痛みを代弁するのは担任の役目だ。違うか?・・・・・・・義川、お前まさか・・・」


突然何かに思い当たったような表情で僅かに目を見開くホヅミ先生


それまでの熱く語る様子を一変させると冷たい氷のような口調で俺に問い掛けてきた


「義川・・・・よもや貴様・・・・この女の巨乳に加担してるんじゃないだろうな?」


「・・・・あの、先生?意味わかんないです・・・・」


巨乳に加担て・・・日本語おかしいだろ


「・・・・女の胸は男に揉まれると大きくなるという・・・・義川、お前・・・揉んだか?」


「はあ!?」


何言ってんだこの教師!?


「義川くん!揉んだの!?」

「揉んだのか!?義川!!」


左右から同時に問い詰められた

委員長とタナカだった


二人の鬼気迫る表情に冷や汗が流れる


委員長にしてみれば高校生の男女がそういう不謹慎な行為をしていたら許せないという正義感からなのだろう


そしてタナカ・・・

こいつは多分、嫉妬だ・・・相手が園崎とかは関係無く単純に俺が女子の胸を揉んだ事への・・・


「ま、待て!二人とも落ち着け、俺は・・・」

「待て!経吾は関係ない!」


割って入るように園崎が悲痛な声を上げる


全員の目が園崎に向いた


「け、経吾には別に・・・まだ・・・・揉んで貰ったことは・・・」


しかし途中から急に口籠もり、口だけを『う、あ、う』と動かし、そのままむにゅむにゅとさせると・・・顔中を真っ赤にして俯いてしまった



・・・・・・・・。



彼女の予想外の反応に教室の中の時間が止まる


ガッ


突然両腕の自由が奪われ、気付くと両脇にそれぞれ立ったクラスメイト男子が俺の腕を抱え込んでいた


「教官、義川を尋問したいのですが許可もらえますか?」


タナカ!?


「許可する」


先生!?


「尋問の結果如何ではそのまま処刑に移りたいのですが?」

「許可する」


「え!?ちょ、まっ、うわああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


俺は目の色の変わった男子達に取り囲まれ逃げることも出来ず、ただ引きずられていくしか出来なかった


(・・・つづく?)


<あとがき>

なんとなくアンケート実施中です

よろしければご回答ください

最初はお約束的にキャラ人気投票みたいなのを考えてたんですが、作品の内容的にヒロインとその他のキャラへのウエイトが違いすぎるのでやめました。

それで、どういった方々に読んで貰ってるのか気になっていたこともあり、今回のような読者の実態調査みたいな内容にしました。

結果は非公開ではないのでこちらでご覧になれます。

http://start.cubequery.jp/show-01690937

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