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プロミステイク ~俺と彼女の中二病的恋愛遊戯~  作者: 阿津沼一成
第1章 スプリング×ビギニング
40/90

第40話 M.M.K.K.

公園の遊歩道途中にあるベンチ


いつもの待ち合わせ場所であるそこに座った俺は園崎のことを待ちながら昨日のことを思い返していた


昨日俺は・・・人生最良の素晴らしい体験をしてしまった

絶対領域を枕に昼寝とか・・・思い返すたびに頬が緩む


惜しむらくはその感触を堪能する間もなく眠りに落ちてしまったことか・・・


いやいや、欲をかきすぎるのはいかん

これ以上の高望みは贅沢すぎるというものだ


その上、更なる禍福


その後に目に飛び込んできたパステルオレンジのシマシマ・・・


園崎のスカートの中・・・今までにも何回か見てしまったことはあるが、あんなにじっくりと見たのは初めてだ


思えばあの時は千載一遇のチャンスだったんじゃ・・・


いやいやいや!


『急いては事をし損じる』って言うじゃないか

あれは何もしないで正解だったはずだ


俺の悪友その2であるサトウ

あいつは膨大な数のエロマンガをコレクションしている


その中の大体のストーリーでは主人公がヒロインに無理矢理エッチすると、最初は嫌がっていたヒロインも次第に感じてきて最後は主人公にメロメロに・・・

その結果、二人は両想いになってめでたくハッピーエンド、っていうのが定番のパターンだ


だが現実ではそんな展開はありえない


そう、この世界はマンガや小説なんかじゃない

そんな美味しい話が起こりえるわけないのだ


俺は偶然の幸運に惑わされることなく堅実に行動することを肝に銘じなければならない


「おはよう、けーご」


声をかけられ俺は顔をあげる

現れた園崎は満面の笑顔だった


「よう、おはよ」


それに対し俺は緩みがちになる頬を引き締めて、わざと素っ気ない返事を返す


最近の園崎はホントに可愛い


もともと美少女には違いなかったんだが『好きだ』って自覚してしまったせいか、前にも増して愛らしく見える


言葉遣いは相変わらず少年のようだし普段の一人称も『僕』なんだがそれもいつからか女の子っぽい感じになったっていうかイントネーションがかわいくなったっていうか・・・うーん、上手く説明出来ない


「ん?どうかした?けーご」

「・・・いや、別に」


横顔に見とれてた、なんて言える訳ないだろ


俺の名前を呼ぶ時も、呼び捨ては変わらないけど・・・なんか恋人を呼ぶような甘えた響きが混じってるような気がする


『そうありたい』っていう俺の願望が、脳内でエフェクトをかけてるだけかもしれないが・・・


いかんな俺


どうも好きな子ができると相手の行動を都合よく解釈してしまうクセがある

中学の時に失敗して懲りた筈なのに・・・


「けーご、外して」


園崎がそんな言葉とともに俺に首元を見せてくる

そこには俺があげたネックレスが光っていた


昨日と同じ・・・俺に外して欲しいということらしい


俺が外すこと前提につけてきたってことか?

昨日帰る時も学校から出てしばらく歩いた辺りで『つけて』と言ってきてつけてあげたんだが・・・


『朝外して帰りにつける』って行為を常態化させるつもりなのだろうか?

何か園崎の中でこだわりの設定があるのかもしれない


俺が苦笑するとそれを承諾と受け取った園崎が背中を向け髪をかき上げた


やれやれ・・・悪いけど俺、この状況につけ入るからな?


俺は昨日と同じように金具を外すフリをしながら小指を使ってうなじを軽く撫でた


「ん・・・ふ・・・・」


園崎が鼻にかかった吐息を漏らし身をよじる


「・・・・・・・。」


俺は素早く周囲を見回した

誰も・・・近くにはいない


園崎が背中を向けてるのをいいことに・・・

俺はそのうなじへと鼻先を寄せた


気付かれないように・・・ゆっくりと息を吸い込む

肺の中一杯に園崎の甘い匂いが満ちた


・・・ああ、まるで変態だな俺


躊躇いと自己嫌悪

だがそれもその行為を止めるほどの抑止力にはならない


ふと視線を下に向ける


シャツの襟の隙間

白い背中とそこを横切る・・・ブラの帯が見えた


「!?」


吸い込んだ息を吹き出しそうになり慌てて身を離す

飛び出そうな心臓の鼓動を抑え、縺れる指先で金具を外した


「は、外れたぞ園崎」


上擦る声でそう告げる


「ん、ありがと。けーご」


振り返り微笑む園崎

俺をカケラも疑っていないその笑顔に軽い罪悪感を覚える


自分の身体に俺が劣情を向けていると知ったら、きっと軽蔑されるだろう


だけどこの欲望は多少抑えることは出来ても消し去ることなんて出来ない


・・・・・・・・・・


「おはよーございます先輩方。今日も朝からラブラブですねえ」


園崎と並び歩き出した時、そんなセリフと共に現れたのは言わずと知れた後輩女子、サクマだ


隣り合って歩いてるだけでラブラブもないもんだ


「よお、サクマ・・・って、お前それ・・・」


彼女が手にしていたのはスクールバックではなく・・・犬のリードだった

足元でミニチュアダックスフントが尻尾を振りながら『ひゃん』と鳴いた


「いまこの子の散歩の途中なんです。これから急いで家に戻るとこなんですよ」


眉を寄せ苦笑いでそう説明するサクマに俺はジト目を向ける


「早くしないとまた遅刻するぞ」

「言われなくても分かってますよお」


そんなやり取りを交わす俺とサクマだったが・・・


「・・・いいなあ」


隣で不意に園崎がそんな呟きを漏らした


「センパイ?・・・犬、飼いたいんですか?」


園崎の呟きにサクマがそう聞いてくる


「え?別に?なんで?」


サクマの問いに園崎がそう素で返した


園崎・・・いまリードを見ていいなあって言わなかったか?


「サクマ、とりあえず早く家戻った方がいいぞ」


浮かんだ疑問については深く考えないことにしてサクマへとそう注意を促した


「はうっ!そうでした。このままじゃ遅刻確定ですよお」


サクマは思い出したように悲鳴のような声を上げると慌ただしく去っていった


やれやれ・・・


・・・・・・・・・・・・


サクマと別れてしばらく歩くと公園を抜けたところで委員長に会った


「おはよう義川くん。それと・・・園崎さん」

「ふふん、今日はちゃんと僕の事が見えてるようで何よりだ、委員長」

「・・・くっ」


「だから会って早々ケンカするなっての・・・・。おはよう委員長」


とりあえず園崎をたしなめて委員長に挨拶する

俺の言葉で委員長は矛を収めてくれた


・・・あれ?なんか委員長、雰囲気変わった?

いつもと何か印象が違うような・・・


「・・・け、経吾?何、委員長のこと見つめて・・・・!?・・・ふーん・・・、委員長。眼鏡を新調して、オトコに媚びを売ろうって訳?」

「!?・・・な、なんですって!?わ、わ、わ、私は別に・・・」


あ、なんか印象違うと思ったら眼鏡が違うのか


いつもは黒縁の眼鏡でいかにも真面目な優等生って雰囲気だったのが、今日は細身の赤いフレームのものでかなり柔らかい印象だ


「そっか。委員長、眼鏡変えたんだな。いいんじゃないか。よく似合ってるよ」

「!?・・・ほ、本当?・・・あ、ありがとう義川くん」

「!?・・・うぐ。ギリ・・・」


俺が感想を述べると委員長が嬉しそうに頬を染め、園崎が絶句して歯を軋ませた


「な、な、な、何だよ経吾!?お前眼鏡フェチだったのか!?」

「オイ・・・、なんだフェチって人を変態みたいに・・・」


・・・はい、女の子のうなじをクンカクンカしました

変態です。ごめんなさい。すいません。


俺は自分の口にしたセリフに対して先刻の行動を思い返しうな垂れた


「ボクがリサーチした限りでは経吾にはそんな性癖ないと思ってたのに・・・!?」

「おい、あのな・・・」


「眼鏡をかけさせたままで咥えさせたり、眼鏡をかけた顔にぶちまけたいとか思ってたなんて!?」

「思ってねえよ!?朝っぱらからナニ口走ってんだオマエ!?」


どこのエロマンガだよそれ


「くっ・・・眼鏡で誘惑とは・・・貴様!眼鏡っ娘だからっていい気になるなよ!!」


何故か園崎は悔しそうな顔で目尻にわずかに涙を滲ませながら委員長に人差し指をビシッと向けて吠えた


「なにそれ・・・意味が解らないわ」


委員長が園崎のわけのわからない言い掛かりに溜息を漏らす


「・・・貴様を二度と眼鏡をかけられない身体にしてやってもいいんだぞ?」


どんな脅しだよ、それ・・・


「バカバカしい・・・どうするつもりなのよ?」

「ククク・・・聞きたいか?なら教えてやろう」


園崎は片頬を吊り上げた邪悪な笑みを作り語り出した


「まず貴様を・・・金で雇った男達を使い、さらわせる」

「な!?」


おい!?

何いきなり物騒なこと言ってんだ!?


「そして誰にも分からない場所に監禁して・・・」

「冗談・・・でしょ?」


「抵抗出来ないよう手足の自由を奪ったうえで・・・」

「ひっ」


「貴様に・・・・レーシック手術を施す!!」


「・・・・・・・・・・・・・・・は?」


「ククク・・・・・当然施術するのはその道の名医だ!万に一つの失敗もない!その結果貴様の視力は劇的に改善することになるだろう!もう二度と・・・・眼鏡をかける事が出来ないくらいにな!!」


・・・・えーと


「それは『眼鏡をかけられない身体』じゃなくて『眼鏡をかけなくてもいい身体』なんじゃないのか・・・・」


微妙にズレた悪の計画を誇らしげに話す園崎に対し、俺はとりあえず冷静にツッコミを入れた


「くっ・・・僕だってその気になれば・・・貸せっ」

「ちょっ・・・何するのよっ・・・!?」


突然園崎が委員長に襲い掛かった


そして委員長からその眼鏡を奪い取ると・・・


スチャ


自分の顔へと装着した


「くははっ、どうだ!これで僕も・・・うっ、うぐっ!?」


高笑いをする園崎

しかし突然苦しみ出すと、がくりと片膝をついた


「な、なんだ・・・?せ、世界が歪む・・・!?」


・・・いや、度が合ってないだけだろ


「ほら、悪戯は止めて返してやれよ」


そう言って改めて園崎を見て・・・心臓が跳ねる


かわ・・・いい・・・


あれ?

俺には眼鏡萌えの属性は無かったハズ・・・


「ほ、ほら・・・外すぞ?」


動揺を隠した声で確認してからそのフレームの両端をつまむ


うん。こうして下に少しずらした時、フレームの上から上目遣いに見つめてくる角度が特にイイな・・・


「・・・・義川くん?」


動きを止めた俺に委員長が怪訝そうな声をかけてくる


いかん!


その声で我に返った俺は手にした眼鏡を外して委員長に手渡した


「ありがとう義川くん・・・眼鏡の扱い、慣れてるの?」

「え?・・・・ああ。俺、姉さんがいてさ。かけたまま寝たりした時、外してやったりしてるから」

「そうなんだ」


そんなやり取りを交わす俺達の背後で園崎がゆらりと立ち上がる


「委員長・・・貴様があんな歪んだ世界に生きていたとは・・・恐るべき奴・・・」

「ちょっと!?変な言い回しやめてよね」


二人は再びおかしな言い合いを始め、俺はまた溜息を漏らすのだった


◆    ◆    ◆    ◆    ◆    ◆


昼になり、俺達はまた昨日のように屋上で昼食を食べていた


ついつい昨日のひざまくらを思い出して頬が緩みそうになる

もし恋人同士になれたら気軽にひざまくらを要求したり出来るのだろうか


パンを食べ終え、パックの牛乳を飲んでいた園崎が俺が食べ終わったのを確認すると、こふんと一つ咳ばらいした


「なあ、けーご・・・」

「ん?」


「これから・・・・気持ちイイコトしてやろうか?」

「・・・・・・・・・・・・え?」


園崎のセリフに俺の脳裏に様々なヤラシい場面が浮かんでは消えた


待て待て待て

慌てるな俺


これはマンガなんかでよくある肩すかし展開だ


エッチな行為か!?と思わせておいて肩揉み、とかっていうアレだ


「ん?何してくれるんだ?」


俺は内心の動揺を隠し、努めて冷静にそう応えた


「ふふん。それは・・・」


園崎がそう勿体振ったセリフと共にゆらりと立ち上がる


そして・・・


「これだ!」


振り向き様に片手をこちらにズビシッと向けた


真っ直ぐに伸ばした人差し指と中指

その二本の指先、真横に挟まれた一本の細い棒


「えっと・・・・・・・・・竹串?」


「ははは、違う違う。これは『耳かき棒』だよ。けーご、耳かきしてやるよ」


俺の言葉に園崎が笑いながら正解を言う


「なんだ、気持ちいいことって耳かきのことか」


ほらやっぱりな。別にエッチな行為じゃ・・・


「じゃ早速・・・ほら、けーご」


園崎は再びベンチに座り直すと昨日のようにふとももをポンポンと叩いた


「・・・・・・え?」


「耳かきしてあげるから・・・・頭乗せて」


なん・・・・だと・・・・・・!?


再びあの感触が味わえるというのか!?


なんだこのご褒美?

神が俺に味方してる?


「ほら、遠慮しなくていいぞ」


そう言って笑いかける園崎に俺は喜びのあまり飛び上がりたくなる衝動を必死に堪えた


「そう言うなら、まあ、お願いしよう、かな?」

「うん、どうぞ」

「じゃあ・・・失礼します」


俺は改まった態度で頭を下げてから昨日のようにそこへと頭を乗せた


やはり・・・素晴らしい!


この感触は病み付きになる


「くふふ、経吾。耳かきだって言ったろ?横向いてくれなきゃ」

「あ、そうか・・・えっと」


園崎に指摘され、俺は急ぎ身体の向きを変えた


ぴと


「・・・・・・・・・・・・。」


ナマのふとももに


ほっぺたが


密着した


大事なことなのでもう一度言う


ナマのふとももに


ほっぺたが


密着した!!


おお、おおおおお!!

なんだこの肌触り!?


柔らかくてスベスベしてて柔らかくてスベスベしてて柔らかくてスベスベしてるぞ!!


俺は頬擦りしたくなる衝動を必死で堪えた


高まっていく心臓の鼓動

それとともに硬化していく肉体の一部分


いかんいかん


この状況にイヤラシイ感情を持つのは純粋に俺の世話をしてくれようとしてる園崎に対して失礼だ


気を落ち着かせるように一度目を閉じる


硬化が収まってくると、代わりに微かな不安が頭をもたげてきた


「だ、大丈夫なのか?園崎・・・他人の耳かきなんてしたこと無いんじゃないのか?」


ひざまくら自体、昨日が初めてだって言ってたし・・・


「まあ、そうだけど・・・、心配するな経吾、勝手は分かってる」


園崎は俺の疑問を肯定した上で自信有りげにニヤリと笑った


園崎が手先が器用なのは知ってるけど、やっぱり耳に何か突っ込まれるのはちょっと怖いよな


「じゃあ緊張を解く為に面白い話をしてやろう」


「うん?」


「暗殺方法のひとつに『針を耳の穴から入れて脳を直接破壊する』ってのがあってな・・・」


「やめろぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


全然面白くねえよ!!


「ははは、じゃあそろそろ入れるぞ?身体を楽にして力を抜いててくれ」


不安は残るが今さら止めることは無理なようだ


それに男としては恐怖心よりこのフトモモの吸引力の方が勝ってしまう

こうなったら限界までこの感触を堪能してやる


「園崎・・・頼むから痛くないようにしてくれよ?」


俺はそう園崎に念を押した


「・・・・・・・・。」


俺の言葉に園崎が何故か身体の動きを止める


「?・・・・園崎?」


「経吾・・・・今のセリフ・・・・もう一回言ってくれるか?」


「え?・・・・えーと、痛くないように・・・してくれ」


俺がもう一度そう言うと園崎はその身をぴくんと動かした


「くくっ・・・、大丈夫だ・・・僕に任せておけばいい・・・じゃあ、入れるから、力を抜け・・・」


・・・なんで低い声で囁くように言ったの?


・・・うおっ


微妙に困惑する中、耳の中に異物が入ってくる感覚


「・・・くふ・・・ほおら入ったぞ・・・入ってるの・・・わかるか?」

「・・・あ、ああ」


だからなんで低い声で囁くように言う?


「それじゃ・・・動かすからな・・・」


だからどうしていちいち確認するように低い声で囁いてく・・・る・・・お・・お・・・おおっ!?


す、すげえ気持ちいい・・・・


なんだこれ!?

耳かきってこんなに気持ちいいモンだったのか!?


園崎が耳の穴の内壁を絶妙な力加減で掻いてくる


「・・・どうだ経吾?・・・どんな具合だ・・痛く・・・ないか?」

「だ・・・大丈夫・・・っていうか・・・すげえ気持ちいい・・・」


身体の内側に与えられる、得も言われぬ快感


そして頬に感じる柔らかくてスベスベした肌の感触


俺は園崎に身を委ね、その心地好さを堪能した


「くふふ・・・片方終わりだ。じゃあもう片方もやるぞ」

「あ、ああ」


園崎に促され身体の向きを変える


一度、仰向けの状態に戻ると俺の顔を覗き込む園崎と目が合った


女神を想起させるような慈愛を感じる眼差しに頬が熱くなる


えっと・・・


僅かな躊躇いのあと・・・身体を先程と逆の向きへと


それは当然、園崎のカラダへと向き合う方向なわけで・・・


ぴと・・・ふに・・・・


左の頬にも先程と同じ感触が伝わる

と同時に唇に何かが触れてちょっとくすぐったい


これは・・・スカートの裾?


心臓の動悸が激しさを増す

口にくわえたくなる衝動を必死に堪えた


「くふふ・・・こっち側の穴も・・・たっぷりと掻き回してやるからな・・・」

「お、お願いします・・・」


園崎の表現に違和感を覚えつつもそう答える


「くく・・・柔順だな・・・いい子だ・・・そう・・・僕に身を任せて、ただじっとしてればいい・・・」


さっきから妙な言い回しで喋ってるけど何かまた変なキャラのスイッチでも入ってるのか?


多少の不安はあるものの、あの心地好さの誘惑に抗うほどのものではなかった


「う・・・は・・・」


再び侵入してくる異物感

しかしそれが動き出す途端に生み出される快感


これは・・・病み付きになりそうだ


「くは・・・僕のが経吾の中に・・・出たり入ったりしてるぞ・・・わかるか?」

「・・・は・・い」


「可愛いな経吾・・・快感に身悶えるお前は本当に可愛いよ・・・」


耳かき棒の擦れる音に混じって聞こえてくる園崎の声には妙な熱が籠もっていた


「くふ・・・終わったぞ経吾、どうだった?」


「ありがと園崎、・・・すげえ気持ちよかった・・・」


快感の余韻にぼおっとする頭で俺はお礼の言葉を口にする


もう暫く園崎のふとももを堪能していたいが、そうしていられる理由がもうない


名残惜しさに後ろ髪引かれつつ身を起こそうとした時、園崎の指先が俺の耳たぶをつまんだ


「ふふ、どういたしまして・・・まだ少し時間があるから、今度はマッサージ、してあげる」


園崎が俺の耳をふにふにとつまみながらそんな事を言ってきた


「え?マッサージって・・・耳を?」

「うん。耳たぶってツボがいっぱいあるんだよ」

「そうなのか?」


言われてみれば聞いたことあるかも・・・耳ツボとかなんとか・・・・うおっ!?


ぞくっときた


園崎の指が耳たぶの縁をゆっくりと撫でてきたからだ


穴の中とはまた違う快感・・・


「うくっ!?・・・ちょ、園崎?」


今度は耳たぶの溝に沿って指先をくすぐるように這わせてくる


俺の想像してた耳ツボマッサージとちょっと違うぞ!?

こんなふうに指先をなまめかしく動かすものなのか?


「くふ・・・けーごかわいー。耳、弱いんだね・・・・」


そんなセリフとともに尚も執拗に指を這わせてくる園崎に俺はただ無抵抗にされるがままになっていた


なんだかこの状況は・・・

いつかの図書館での事を思い出す


あの時は交代してやり返した形になったけど・・・頭を抱え込まれたようなこの体勢だと一方的にされるだけだ


「ふ・・うく・・・・」


堪えても知らず吐息が漏れる


「くふふ・・・・けーごの息で・・・おなか熱い・・・」


そんな呟きを漏らす園崎の身体にも次第に熱が篭り始めてくる


それとともにいつも身体から漂う甘い匂いが濃くなったような気がした

花の香りにも似た甘く濃密な・・・女の匂い


考えてみればこの体勢、上には豊満な胸の膨らみ・・・そして下側・・・頭を乗せてるやわスベなふともも・・・その付け根の奥にはまだ見ぬ神秘の××××・・・


俺の頭はいま二つの女の部分に両側から挟みこまれてるような状態になってる・・・


目の前には園崎のおなかが視界を塞いでいる


至近距離で見る制服のベストのチェック模様

ピントがズレてぼやけて・・・サイケデリックな世界に落とされたような感覚に陥る


それが催眠術にも似た状態を作り出していく・・・


俺の頭を包み込む濃密な女のカラダ・・・匂い・・・熱


耳を滑る細い指先・・・それが生み出す這い廻るような音・・・快感


それらが混じり合い溶け合い麻薬的なトリップ感を伴って・・・俺の中に園崎という存在を深く刻みつけていく


俺は園崎の生み出す甘美な世界に身を任せ、なすがままになっていた


ずっとこのままでいたら俺はきっとおかしくなっていたに違いない

だがその行為は唐突に終わりを遂げる


隣の新校舎屋上に設置されたスピーカーから予鈴のチャイムが鳴り響きその音で俺の頭は唐突に解放された


「・・・残念。時間切れだね。また後でシテあげるね・・・・マスター」


そんな言葉とともに妖艶ともいえる微笑を浮かべる園崎

イニシアチブは完全に園崎のものだった


マスターなんて呼ばれてもこれじゃどちらがご主人様なのか・・・


でも・・・園崎になら下僕みたいに傅くのもそれはそれで魅力的かも


跪き従属する俺に彼女はどんなご褒美をくれるだろうか・・・


長時間のひざまくらで俺の頭はまるで風呂でのぼせたような状態になり、その混濁した意識の中そんな考えが湧いた


しかしその後、冷静になったあとで思い返した俺は、思わぬ自分自身のM的嗜好の表出に愕然となるのだった


(つづく)


〈あとがき...そしてお詫びと言い訳〉


なんとか続きを更新出来ました

予定を大きく遅れてしまい、いつも読んで頂いてる方々には申し訳ありませんでした

私、ストーリーを組み立てるのがヘタなんですよ・・・


『最初にシチュエーションを思いつき、それを表現するためのストーリーを後から考える』という手段と目的が逆みたいな書き方をしてるのでブツ切りになってる話が繋げられないといつまでも完成しないのです

結構、毎回苦労してます


今回の耳かきシチュも第1話くらいから考えてたネタだったんですけどやっと話に盛り込めました


そんなこんなして書き続けてきたこの話も今回でもう40話です

まさかこんなに続くとは…しかもまだ夏休み前


夏といえばラブコメ定番のあれやこれやがありますが例によって一つ一つのシチュエーションは出来ててもバラバラで繋がってません…

果たしてどこまで書けるか自分でもわかりませんがどうか今後ともよろしくお願いいたします


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