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第20話 only you love

だって好きなんだもん!




◆第20話 本気と書いてマジと読む








「ね、付き合っ「やだ」


「………え?」


「用ってそれ?じゃあ帰るね♪」


目の前でぽかんと口を開けてる男子に笑顔で告げ、背を向けようとしたら、腕を掴まれた。


「ちょ、ちょっと待って!この僕が付き合ってって言ってるんだよ!?」


この僕って言われてもなぁ。だって自分、この人のこと知らないし。


「僕等お似合いだと思わない?学校1モテる僕と、謎の美少女転入生の君。」


自分が美少女って言うのは当たってるけれど、この人が学校で1番モテるとは思えないなぁ。


っていうか、自意識過剰?やだなぁ、気持ち悪い。……え?自分は違うのかって?だって朱鳥は本当に美少女だもん。


「悪いけど、あなたと付き合う気ないの」


そう言って手を振り払おうとしたら、逆にひかれて。そのまま──ゲッ!


「ほら、こうすれば自然とドキドキするだろう?」


いやいや、ドキドキどころかゾクゾクだよ!

気持ち悪い!なんでこんな名前も知らない奴に抱かれなきゃいけないわけ!?


「どう?付き合う気に」


「…せ……」


「え?」


「放せっつってんだろこのブスキモ男!!!」


「ぐはぁぁぁぁぁ!」


ドッシャーン!!


思いきり強く急所を蹴ったら、そいつはかなりぶっ飛んだ。


そして涙目で、信じられないとでも言いたげに自分を見てくる。


「アンタみたいな奴がこの朱鳥様に告白するなんて百億光年早いよ。一昨日来やがれ♪」


「…なっ……」


金魚みたいに口をパクパクさせて呆然としてる男子にバイバイって言って、自分は今度こそ踵を返した。









「アンタそれ、隣のクラスの相川君だよ」


「あいかわ?」


教室に戻って沙良ちゃんに事情報告したら、そんな名前が出てきた。


首を傾げると、呆れた顔をされる。酷い、朱鳥ショック。


「相川君はね、とってもモテる男の子だよ。ファンクラブまであるの。すごいね朱鳥ちゃん、そんな有名人に告白されるなんて!」


沙良ちゃんの隣にいた姫乃ちゃんが笑顔満面で言った。


え?ってことはモテるって話ホントだったんだ。そんなにかっこいいかなぁ?


「私はあの人あんま好きじゃないけどね。ナルシストって嫌い。だったら同じくらいモテる純のほうが良い。」


「純くん?そんなモテるんだ。でも朱鳥も純くんのほうが好きだな、良い人だし。」


沙良ちゃんとの関係は気になるけど、なんか好き。インスピだけど。


「でももったいないわね。アンタみたいな奴があのモテ王子に告白されるなんて。なんで断ったの?」


首を傾げて尋ねてくる沙良ちゃん。ふふ、可愛いなぁ。理由なんか決まってるじゃん。


「それはね、正直なんか気持ち悪かったし、何より浮気はしないもん!」


「ちょっと待て。浮気ってなんだ」


「いやん、沙良ちゃん♪分かってるくせに!自分は意外と一途なのよん」


「いつ私とアンタがそういう関係になった!言ってみろ!」


「そんな……、あんなに愛を語りあった夜を忘れたの!?」


「キモイっつーの!!」


ガッシャーン


ぐはぁ!!

沙良ちゃんの鉄拳が、み、みぞおちに……!ヤバイ、吐きそう。朝食べたタコさんウィンナー出てくるかも。


「ひ、ひどいよ〜」


お腹を押さえてうずくまる自分。見上げれば、沙良ちゃんの冷たい瞳。

………可愛いvV(危


「そうやって何でもかんでも変な方向に話を繋げるな!!」


「あ、愛故に」


「黙れ変態!どうせからかってるだけのくせに。生憎そっちの趣味は無いのよ。他を当たってちょうだい!」


朱鳥を指差して、ガミガミ叫ぶ沙良ちゃん。

ほぇ?からかってるだけ??


その時ピーンとひらめいた。自分にブレーキは付属されてないので、一度そう思ったら止まらない。


「ウフフフ」


きゃは、つい笑みがこぼれちゃった♪


だってだって、沙良ちゃん可愛いんだもーん。


「なによその不気味な笑い方は」


「えへへ。大丈夫だよ沙良ちゃん。」


「なにがよっ」


「自分はからかってなんかない。本当に好きなんだよ?」


上目使いで甘い声を出せば、沙良ちゃんがひるむ。やっぱ自分美形だなぁ。沙良ちゃん、朱鳥の濡れた瞳に弱いもんね★


「ば、バカじゃない?」


そう言いつつも、視線泳いでるよ。ホント分かりやすいんだから。


「私は誰よりも沙良ちゃんが好き。どんなに素敵な人に告白されても、揺るがないよ!だって沙良ちゃん以上に可愛い子なんていないもん♪」


笑顔で言って、自分は沙良ちゃんに抱きついた。頬擦りしたついでに、その薄紅色のほっぺに軽くチューする。


たちまち真っ赤になる沙良ちゃん。もう、マジでメロメロなっちゃう!


「……から……」


「ほぇ?」


「だからそういう趣味は無いって言っただろォォォォ!!」


「うにゃあーーー!」



本日2度目の鉄拳を喰らった。






…別にいいよ、愛があるなら。自分は、意地っ張りな沙良ちゃんの照れ隠しだと勝手に思ってるもん!


それに朱鳥は沙良ちゃんが大好きだから、鉄拳くらい我慢できるッ!……限度があるけど。

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