第13話 血の繋がり
Come Back平穏な日々
◆第13話 これが世間で言うセクシーダイナマイト?
「…ん………。」
ベットに寝ながらも、朝の陽の光が入ってきたのを感じた。だけど、それと共に息苦しさが───。
(胸が、重い。なんか乗ってる…?)
覚醒しきっていない頭で考える。その圧迫感で、だんだんと脳が覚めてきた。
プチ、プチとすぐ上で音がする。聞いた事あるような、そう。例えばボタンをはずす音―。
「ってえぇ!?朱鳥なにやって―!!」
一気に目が覚める。ガバッ!と上半身だけ起こすと、私に馬乗りしていたのは朱鳥じゃなく
「だ、だれ……?」
そこにいたのは、見知らぬ美人。長い艶やかな紫の髪を垂らし、翠色の瞳をしてる。着ている服は、大きく胸もとが空いたワンピース。この角度だと谷間がくっきり見える。スリットは太股ギリギリまできていて、教育上よろしく無い格好だ。NHK出るのは諦めるべきね。
いや、そんな事より何が大変かって、その人が私の服を脱がしてるのよ。
「あら、起きちゃった?夜這い失敗。」
「なっ、なに言っ…。」
今サラリとすごい事言ったよね?夜這いとかなんとか…夜這い!?
頭をフル回転させても、この状況は理解できない。ってか、できる人はどれだけ順応性あるんだ。ああ、エジソン助けて。99%の成分が努力でできた人。
「あ、朱鳥…起きて。」
隣で寝てる朱鳥を揺らす。こんな奴より、バッタに助けを求めるほうがずっと良さそうに思えたけど、生憎近くにいるのはバッタ以下のコイツくらい。
「ん〜、ダメだよ沙良ちゃん。私達はまだ早いって…!」
「どんな夢見てんだ!」
ガンッ!
「痛ぁッッ!!」
とりあえずグーで殴った。私のランキング内で、ミジンコ以下になった朱鳥が奇声をあげる。
「ああ、イイところだったのに…。」
(まだ言うか!!)
顔を歪めながらも、朱鳥は瞳を開けてくれた(開けさせたのほうが正しいか)。
「一体どうしたのさ、沙良ちゃ―…」
一時停止する朱鳥。いや、わかるよ。そりゃ驚くよね、見知らぬ美人が私を襲ってるのだから。
「──紫音?」
えっ!なに?シオン!?
「ふふ、久しぶりね、朱鳥。」
ってえぇ!?ちょっ、ついていけないんだけど!え、何?朱鳥とこの美人は―
「知り合い、なの……?」
コクリ、と二人は頷いた。
っていうか、いい加減重いんですけど。
――――――――――――――
「し、姉妹!?」
朝食しながら、私は二人の関係を聞いた。
「ええ。朱鳥の姉の紫音っていうの。さっきはごめんね〜、貴方の寝顔が可愛くて♪」
(…朱鳥と同じ血筋ね。本気でやるあたり、タチ悪いけど。)
「でも、どうして紫音が人間界に居るの?」
相変わらずかなりのご飯を食べながら(食費ヤバイな)、朱鳥が問う。
そう言えば、朱鳥はもともと異界人だった。偶然トリップしてきて、戻れるまでここに住むって事になってる。
アレ?でも、異界人の紫音さんがこっちに来れたって事は、もう朱鳥は帰れるの?
そんな、そんなの────
嬉し過ぎるじゃないッvV!!