8話目
どうも、秋です。ただいまクエスト中です。
ヴェオウルフ3頭の討伐がメインターゲットのクエなのです。
「そういや、狼くんは強いの?」
「強いのから弱いのまでいるらしいなアスク?」
「そうです。強いのになると言葉が分かる者が居るらしいです」
「へ~、今回のは強いのか?」
「あんまり強いのは、出てこないはずです」
なんかつまらんな、こう意外に強いヤツが!的なことになんないかな。
というか、ミーナの持っている武器が意外だな、まさかナイフを二本使うとはな
「そういや、ミーナがナイフってのが意外だな」
「そうかな?私は、ナイフ使いやすいと思うけどな」
「何と言うか二本ってところがらしいな」
てか、最近レイとナハトが出てきてないな。サボりか?
『ねぇ、秋ちゃん』
「どうした?」
『あれって狼だと思うんだけど…』
「ん?ああ居るな十頭くらい………なんで十頭!?」
「囲まれつつあるけど、どうしますか?」
「私がやる、最近ストレスが溜まってるんだ。全部殴り飛ばす」
言うや否や、秋は地面を蹴った。一気にヴェオウルフとの距離が縮む。
秋の手足から闇が滲み出て来た、すれ違う瞬間重力を纏った拳で相手の頭を地面に向かって殴る。
「うらぁ!」
ズドン
狼の頭が地面に当たる瞬間クレーターができた。
重力を纏った攻撃は、ヴェオウルフを突き抜けて地形を変えるほどの威力があった。
そこからは、魔物にとっては地獄だった。
「量が多過ぎるだろ!ちっ、テール!」
秋がそう叫んだ途端、秋の手の内にハンドガンが出現した
――いや、三七口径は、ハンドガンではない。さらに威力のあるマグナムだ
「ッ!消し飛べ!」
銃口から出た弾丸は、1発ではなく4発だった。
4発の弾は、激しく動くヴェオウルフの頭を貫いた。さらに4発撃ち、
残りの1頭を撃った時、戦局はヴェオウルフ側に傾いた。
「ふっ、貴様がアキか、まだまだ未熟だな。一つ一つの攻撃が甘い!」
「何!喋っただと、アキ!逃げるぞ。そいつが居るってことは、
このクエストはBランクなんかじゃない!」
「知るか!敵に背中を向けたら、死ぬだけだろ!」
「しかし!」
「コイツは、俺が食い止める。だから、早く逃げろ!全員だ!」
「ふん、だからお前は甘いんだよ!」
話をしている間に距離を詰めていたヴェオウルフのタックルを食らって吹っ飛ぶ
くそっ、あのスピードじゃ弾が当たんねぇ。なら
「龍殺し、双虎!レイ、ナハトも頼む!」
【あいよ】
【わかった】
「やっと本気を出したか。殺りがいがある」
右からナハトの斬撃、左からレイの魔法、時間差で前から二本の刀で切り掛かる
【うおら!】
【ライトニングアロー!】
「そうきたか、だが甘い」
攻撃が当たる瞬間、敵が有り得ない動きで避けた。
そこに、思いっきり振りかぶって止められない状況の秋が突っ込む
「うおりゃー!」
「単純だな。ふっ」
「ぐあぁああ」
反射的に刀を出して自分の腹を守ったが、刀が蹴りに耐えかねて折れ蹴りは威力が下がったものの
腹にくらってしまった
「はぁはぁ、まだだ、まだ終わっちゃいねぇ!重力と炎を双虎に集めろ、ありったけだ。
俺の魔力も付与する、いいな?ナハト、レイ」
【任せろ!】
【わかった】
そこにできたのは一振りのレーザーだった、炎を重力で凝縮しさらに、自分の魔力で
強化することによって高出力になっていた。
「ほう、そんな隠し玉があったとはな」
「てめぇは、俺がここでぶった斬る!」
「くらえ!わんこ!」
「俺は狼だー!」
しかし、手ごたえがない。よく見ると誰かが俺とわんこを止めていた
「君、その技をそれ以上使うな。それとカイザー、貴様はどこかへ行け」
「ちっ、お前か…いいだろう、今は退いてやる」
「あのあな…た…は…」
そこで俺は気を失った
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誰かが揺さぶってくる。鬱陶しい、まだ寝させろ
しつこい…ミーナか?ミーナだろうな
「んだよ…人が寝てるのに…」
「アキ!よかった!よかった!」
いきなりミーナが強く抱きついてきた。いつもと違い彼女は泣いていた
たぶん安堵かなんかの涙だろう。
「ごめん、心配かけた」
「………なんで……」
「へ?」
「なんであんなヤツがアキを、小脇に抱えて森から出てくるのよ~!」
「『そっち!?』」
「そうだ!メグ!その人は?」
『下でアスクと喋ってるよ。アスクの師匠なんだって』
「なら、話が早い!」
急いで階段を駆け降りたせいか、途中でこけかけてしまった
「あ、あのすいません!師匠さん!弟子にしてください!」
「ふむ、起きたか。なぜいきなり弟子にして欲しいと?」
「ええと、あのわんこがあなたを見て引き揚げたことも理由ですが、
あの技を途中で止めたことが気になったんです」
「まあそれだけ解っていればいいだろう。弟子に迎えてやろう。
俺の名はヴァイシャだ」
「あの!私は秋って言います。これからよろしくお願いします!」
最初は取っ付きにくい感じだったのだけれども、微笑んだ顔は、
人懐こい感じの笑みだった。
「明後日ここを出発する。それまでに、ミーナの買い物について行ってやれ。
お前が倒れて一番心配していたからな」
「わかりました。それは、悪いことをしたと思ってます」
「アキ、気を付けてね。泣きやんだ後のミーナ様の相手は大変だから」
「忠告ありがとう……」
今は、もう夜だがさっきまで寝ていたから眠たくない
やることがないので、夜空を見るために部屋のベランダから屋根の上に出た
『寝れないの?秋ちゃん』
「ああ、今まで寝ていたからな。メグお前はいいのか?」
『夜空が綺麗だから見てたんだ』
「ああ、俺の居た町より空気が綺麗だから、星もよく見えていいな」
『そうだね。この世界に来てよかったと思う?』
「後悔はしてないぞ。ここに来て良かったと思う、命の大切さがよくわかったし
まあ、俺は2回キレちゃったけど…」
『あれは、怖かったよ。特に雰囲気がね…』
「明日は、ミーナに引っ張り回されるだろうし、寝るか」
『そうだね。一緒に寝ていい?』
「別にいいぞ」
その後、部屋の中に戻り床についた。
たとえ現実が辛くても、夢と言う逃げ場があれば人は真っ直ぐ前を向いて歩いてゆけるはずだから…
俺は、夢と親友、姉ちゃんに助けられた時、
それに気が付いて下を向かずに胸を張って歩けたのだから
どうも、本日二度目です。
部活のあとで書いたので秋のテンションやらキャラが若干崩壊してしまいました。
戦闘になると性格変わるのは、気をつけないといけませんね~