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恭介くんの数奇な生活  作者: 熊海苔
第1章 アルカディア介入編
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7話目

「ちょっ、私の取らないでよ!」

『いいじゃんか、慣れてるんだから』


こんにちは、秋です。

馬車の中では、座布団の取り合いが発生して大変に、賑やかになっております。


「そろそろ、喧嘩はやめろよ?アスクがぶっ倒れてるから」

「ほとんど…アキのせいだよ…あんな厳しい鍛練させて」

「あれくらいでへばってたら、この旅では足手まといになるだけだよ」

「姫様、それはひどいです」

「姫じゃなくてミーナって、呼べって言ってるでしょ?」

「しかし…」


ぶっちゃけ、収拾がつきません。自分の力不足でもあるけど

でも馬車の中での女子は、無敵だから助けに行けない訳です。


「口論は、それくらいにしとけ、体力なくなるぞ?」

「『は~い』」

(意外とあっさり収まったな)

【秋は、自分の凄さを分かってないわね】


どうせ、わかってないよーだ。


「そういえば、私達ってどこに向かってるの?」

「私の御祖父様の家よ」

「『御祖父様?』」

「ミーナ様の御祖父様の家ですか。懐かしいですね」


ほう、アスクは会ったことがあるんだな。ミーナの爺ちゃん。

話合ってるうちに到着


「御祖父様~、入ってよろしいですか?」

「よう来たな。セントラルから聞いとるぞ。

ミーナ、そこの可愛らしいお嬢さんは?」

「初めまして、峰治秋です」

「ほ~、日本人か。ふむ、拙者、マイケル・ジョンソンと申す。アメリカ育ちじゃ」

「いえ、時代設定間違ってますから……」

「………」

「て、え~!お、私と同じ境遇なんですか!?」


初耳だ。てことは、ミーナは俺の居た世界が第二の故郷?


「まあ、そのことは、部屋で話てあげるから、家にお入り」


まさか、俺以外に世界を渡った人がいたなんて…

とりあえず、部屋に入れてもらい、ミーナとアスクには部屋を出てもらって

マイケルさんの話を聞くことに


「最初から説明すべきじゃな。長い昔話だと思って聞いておくれ」

「はい」

「まず、わしの事からじゃな。おぬしと同じくらいの歳の時にわしも喚ばれた。

喚ばれた理由は、戦争を止めてほしいと言うものじゃった、しかし、わしは戦おうとしなかった。

するとどうじゃ、敵が攻め込んできて、国境付近にあったわしの居た村は、

蹂躙され逆奪、放火もされたし娘達は連れていかれた。

その時わしが感じていた感情は恐怖などではなく、抑え切れないほどの圧倒的な怒りじゃった、

わしも神から力を貰っておったからその力を怒りに任せて奮った、敵は倒せた。

しかし、あとになって村人が掛けてきた言葉は、恨みの言葉じゃった。

『なぜすぐに、その力を使ってくれなかった』、

『お前のせいで娘は連れ去られ、妻は死んだ。恩を仇で返しやがって最低だ』

これを言われた時、わしは何も言い返せなかった。

自分のことしか考えないで王の言った言葉を無視したのは、

紛れも無い自分自身だったのだから、その後は、せめてもの罪滅ぼしにと戦争の終決に尽力した。

さて、君がこの老いぼれと同じ過ちをしないことを、祈っているよ」


話をしめた時のマイケルさんの顔に浮かんだ微笑は、哀しく、苦しく、辛そうな感じだった…


「それで、解決したんですか?」

「いや、解決するはずがないから君には、誤った選択をして欲しくないんだよ」

「なら、私も…いや、俺も話さなきゃならないことがあります。

俺は、秋じゃなく恭介…峰治恭介が本名です。元の世界では男だったけど、

この世界に来て性別が変わったんです」

「だから、違和感があったんじゃな」

「違和感ですか?」

「いや、気にせんでいい、話は終わった。さあ、行きなさい」

『じゃあ、出発しようか?』

「そうだな」

「行きましょ」

「なっ、なんで居るんだ!話盗み聞きしてたな?」

「なんのことかな?恭介君?」


うわっ、性格悪!


「じゃあ、出発!目指すは、隣町ね。手綱はアスクよろしく、アキは後ろに乗るから」

「「えっ!?」」

「拒否権は?」

「ん~、ない♪」


あ~手綱引いてた方が楽だったのに…


「そう、ガッカリしないの、色々教えてあげるから」

「だから、嫌なんだよ!毎回そう言っておいて抱き着いたりするだけじゃん」

「え~そんなことないよ。あ、そうだったね」


この人自覚ないよ。危険すぎる!今は、魔王なんかよりミーナの方が危ない!


「いや、俺は屋根に乗るから、な?」

「ダメでしょ?口調が戻ってるよ?」

『そうだよ。屋根の上は、危ないよ』


いかん、メグまで毒されてる

「メグは屋根の上に一緒に連れてく」

「なんで私は、のけ者なのよ!」


いや、メグと俺が危ないからだろ

パチン、…なんかミーナとメグの間でアイコンタクトで意思疎通があった気がする…


『いい天気だね~』

「そうだな」

『あのさ。恭介』

「ん?どうした?」

『私が勝手に恭介をこの世界に連れて来たこと怒ったりしてない?』

「う~ん…」


今日の朝から、あんまり元気がなかったのは、これが原因だったのか

今更だけど、引け目を感じてたんだな


「気にしてねぇよ、もう終わった事だし、その事でギクシャクしたらやだしな」

『そう、だね』

「過去の事に捕われて今を無駄に出来ないからな。それに楽しきゃいいんだよ」

『うん、うん』

「だぁ、泣くなよ。俺が悪いヤツみたいじゃねえか」


本当、面倒なヤツだな

泣き止むまで頭を撫でてやる。


『うっ、きょ、恭介ぇ~』

「ほら、泣き止んでくれ、な?」


頭を撫でるのは、逆効果だったな。

メグをあやす秋は、一定のリズムで背中をぽんぽんと、叩いてやっていた


「落ち着いた?」

『うん、毎回ごめんね』

「いいよ、別に、泣きたければ泣けばいいんだし、我慢するもんじゃないさ」

『うん、これからもよろしく』

「それでさ、二人にはナハトとレイの事話した方がいいよな?」

「まあ、二人とも仲がいいこと、恋人みたいね」

「なっ」

『あはは、言い過ぎだよ。ねぇ、秋ちゃん?』


みんなわかるだろ?不意にあんなこと言われたら、顔が赤くなるに決まってる。

だから今、顔が真っ赤になってると思う


「やっぱり、この子。元男とは、思えないくらい可愛い~!」

「抱きつくなー!鬱陶しい、メグもくっつくなよ」

『秋ちゃん可愛いんだもん。私の嫁になって~』


ああ、メグがどんどん腐の付く人種の仲間になってゆく…

下に居るアスクは、こっちを見て苦笑している。あいつ、絶対仲がいいなとか思ってるぞ。

ほんと離れてくれないかな、町が見えてきたんだけど…そういう趣味の人だ思われたくないしさ

てか、魔法の使い方教えてくれないかな?誰か。刀だけじゃ心配なんだが

――――と考え事をしていたら、みんなは馬車を降りていた


「ちょっと、おいてかないでよ!」

「アキが遅いだけだろ?」


うっ、言い返せない。しょうがないじゃないか考え事にふけてたんだから

それで、どこに行くんだろう?金は持ってないはずだが…


『ギルドにレッツゴー!』

「ギルド?依頼をこなして報酬をゲットのギルド?」

「ああ、登録しなきゃいけないから、早めに行っとこうと思ってさ」

「ふむ、経済的に厳しいもんね私達」

「ミーナ様が、無駄遣いするんだよ。これが…」


アスクが苦労する姿が思い浮かぶよ。


「そのミーナが今まさに無駄遣いをしようとしてるけど、いいの?」

「え、ちょっマジで?」

「うん、ほらあそこ」


俺の指さす先でミーナとメグが露店で買い漁ろうとしていた

指輪くらいならと思っていた、しかし露店の商品は高いからイタイ出費になると予想される


「ミーナ様、無駄遣いはやめてください!」

「いやだ。買う!それでアキに付けるぅー」

「いや、私は要らないから、無駄遣いはさけてくれればうれしいんだけど…」

『わかった、今回はやめとく。お金が貯まったら3人で服を買いに行こうね』

「とにかく、早く行くぞ」

「僕は、行かなきゃいけない所があるから三人で行ってて」


ギルドに到着したはいいんだけれど、周りの視線が自分達に集中してるのが怖い

たぶん、あんな女子供が来んじゃねぇよみたいな感じだろうと想像する。


(おい、なんだ?あの嬢ちゃん達は)

(まさかギルドに登録しに来たとかじゃねぇよな)

(そんなことないだろう。あんなヤツらだぜ?)

(でも美少女二人に美女一人だぜ?ちょっと脅してやろうか)

(賛成だ)


たく、聞こえてるっつーの、メンドくせえな。あの手のヤツらほどしつこいのは、

居ねえんだよ


「よう、嬢ちゃん達。俺らと遊ばねえか?」

「あん?うっせえよ。用事があるから失せろ」

(ちょっ、それはさすがにヤバイよ)

(まあ見てろ)

「んだと、人が下手にでてりゃいい気に、なりやがって」

『秋ちゃん、どうするの?コイツら』

「ちょーと、痛い目に遭ってもらうのさ♪」


満面の笑みを浮かべた秋の顔を見た人達は思った、この少女を怒らせると命が危ういと。

それほどに、この時の秋の笑顔は怖かった


「ま、ず、は、そこのモヒカン!ちょっとおいで♪」

「やんのか?ああん」

「うっせえぞ、伸されたいか?あん?」


相手の反応を見る前に、鋭く、貫く様に拳に魔力を纏わせて相手の鳩尾にアッパーをかました。

魔力を纏わせたのは無意識だったがかなりの威力になっていた。

モヒカン男は物凄いスピードでギルドの外に吹っ飛んで行った。


「まだやるか?」

「「すんませんでしたー!!」」

「ふんっ、……あの受付のお姉さん」

「は、はい、なんでしょう?」

「私達ギルドに登録したいんですけど」

「畏まりました。では、この用紙に名前と年齢、性別、使う魔法の種類を書いてください」


俺以外書き始めてしまったが、魔法の種類ってなに?

そもそも魔法ってどうやって使うの?


「あの~」

「なんでしょうか」

「魔法の種類って何なんですか?」

「放出系かエンチャントかです」

「両方と書くのはありですか?」

「大丈夫ですよ」


ええと、名前は秋のほうでいいか、年齢は15っと、性別……女、魔法は両方

これでよし


「書けました。これで終了ですか?」

「あとは、このブレスレットを着けてください」

「この石は何ですか?」

「それは、ギルドが決めたランクを示す物です。依頼にはD、C、B、A、S、SSがあり

それぞれに黄、緑、青、赤、白、紫の石があり、ランクが上がる事にそのランクの石を

ブレスレットにはめ込んでいきます。Dの人はDランクしか受注することが出来ません。

なので、自分のランクの依頼をこなしていき、一定数依頼をこなすとランクが上がるので、

がんばってください」

「もう登録は終わった?」

「アスク遅い、おかげで変なヤツに絡まれたぞ」

「ごめんごめん、依頼は僕が居ればBランクまで受けられるから、怒らないでよ」

「むぅ、わかった、ならこの依頼を受けたい」

【それはさすがに内容が厳しいと思うのだけれども】


久々の登場ですね。レイさん、今まで何やってたんですか?


【ナハトとポーカーしてたのよ】

「アキ、別にいいけどこの依頼内容はキツイと思うよ」

「大丈夫、私だよ?」

「まあいいけどさ、この依頼を受けたいんですけど」

「畏まりました。何名ですか?」

「四人です」

「Bランクの方は」

「僕です」

「ほかの方の安全は保障出来ませんがよろしいでしょうか?」

「大丈夫です。私のストレス発散に使わせていただきます」

「はい…では、お気を付けて」


依頼内容は、ヴェオウルフ3頭の討伐、この狩りによって物語は動き始める…


*************************


「ギルドに加盟したか」

「そのようですね」

「お前がまず様子を見てこい。頼んだぞ?」

「承知」

どうも、熊海苔です。

いやはや早いものでもう7話目です。

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