35話目 デートを邪魔するヤツには鉄槌を下しましょう
遅れました。
さあ、翌日の話でございますよ。まあ、昨日言った通りミーナとデートですわ。
結構色々な店がやってるんだな。もうちょい少ないと思っていたんだが意外にも賑わっていた。
アクセサリー・食べ物・服・旅用品・etc…
「へ~色々あるもんだな」
「サンゴールドは貿易の中継地点だから賑わうのよ。それに他国よりもモンスターとの遭遇する確立が格段に減るし安全なのよ」
「なるほど……だから、ここらへんの価格が安いのか」
ふむ、これくらいなら結構色々な物が買えるな。四次元ポーチの中身も減ってきたしさ。
いい機会だったな。
「んじゃ、食い物の市場に行こう。ポーチの中身が減ってきたし」
「もう?」
「うん、あと3日でなくなる。人数的にさ、消費量が凄い訳なんだよ」
もうさ、どこの大家族だよって話なんだよな。1升4合半とかイジメだよな?結構お金は持ってっけどさ。毎回毎回米(的な物)の値段が他よりも高いわけよ。物価が高騰してきちゃってる訳、世知辛いね~
最近、ウッドノースで雨が少なかったらしくてウッドノース農業国じゃん?
「あ~財布が軽くなっていく……米も減っていく」
「ちなみに何キロ分買ってあったの?」
「80キロ」
「今の残りは?」
「……6キロとちょっと」
「ほんと?」
「ちなみに一番食ってるのがナハト続いてメグ」
「あの身体のどこに入ってるの?」
「俺に聞かれても困る。俺はあんま食ってないし」
「う~ん……」
「まっ、さっさと買物を済まそうぜ」
「28ゴールドって結構キツイわよね?」
「まあな。けどしょーがないさ。ここに居る間は食事代浮くけどな」
買物~買物~
(久しぶり…)
機嫌悪そうだな
(寝てたのに騒がれたら怒るに決まってるよ)
なら、すまなかった。
(私また寝るから、よろしく)
うい~
「行くべ行くべ」
「は~い」
カンカンカン!!
「なんだ!?」
「警鐘?」
**時間は10分程さかのぼる**
サンゴールドユーランド国境付近
ユーランド側から軍隊が近づいてきていた。彼らはほとんどが馬に乗っているユーランドは牧畜が盛んな事から優秀な馬が揃っている。故にユーランドは騎馬隊が他国よりも強力なのである。
「クレイ将軍、そろそろ国境です」
「分かっている。召喚師に伝えろ。そろそろ召喚の準備をしろとな」
「はっ!」
「さて、スクルドには悪いがサンゴールドを攻め落とさせて貰おう。では、準備はいいですかな?カイザー殿」
「無論だ。ヤツには借りを返さなければならないからな。周りへの対処は伝えた通りだ。だが、ウッドノースの姫君は出てくるかは今の所五分五分だがな」
カイザーと呼ばれたヴェオウルフは右前足にソードブレイカーを持ち悠々と歩き始めた。
「くそっ、なぜ我々がヴェオウルフなどの配下にならねばならんのだ!どれもこれもあの宰相のせいだ!」
クレイ将軍は怒鳴り散らすと地面に向けて魔法を放った。
周りへ砕けた地面が飛ぶ。
その欠片を兵士達は黙って受けていた。
「伝達だ!召喚師に召喚させろ!」
****
警鐘が鳴っている時、ゼトの元へ伝令が来た。
「どうした!?」
「はい!国境付近で不穏な魔力上昇を観測しました」
「ユーランドは攻めてこないはずだったんじゃないのか!」
「ど、どうも向こう側の王は把握していないらしく軍部の独断の模様です」
「そうか…シアもそれなら暴れないだろう」
そこへ、ミーナの手を引いた恭介が走ってきた。
「何があったんだ!?」
「すまない……どうも、ユーランドが協定を破って攻めてきたんだ。今日開く予定だったパーティーは延期だ」
「また戦争か……俺も手伝わせてくれないか?被害を減らせるはずだ」
「しかし…あんたは国の客人だ」
「黒銀の鬼神だと言ってもか?」
さあ、俺は手札を全て見せた。どう出てくる?
「あんたが?鬼神だと?」
「ああ、だから参加させていいただく」
「私も!「ダメだ。ミーナはここで待っててくれ」でも…」
「ゼト、あんたからも頼んでくれ。俺はミーナを巻き込みたくないんだ」
「……はぁ、分かった。俺からも頼むシアと城で待っていてくれ。コイツは俺がしっかり連れて帰る」
「けど…」
「なら、これを持っていてくれ」
いつも首からかけていたネックレスを渡す。
「これは?ナハトとレイの片割れみたいなもんだ。いつも俺が首からかけていたヤツ」
「でも…」
「いいから、俺は大丈夫。そうだろ?いつも帰ってきた」
「うん…」
「だから、行かせてくれ」
「わかった。でもちゃんと帰ってきて」
「まかせとけ!」
「話はまとまったか?ならあと10分後に出撃だ。あの砂漠地帯で決戦をかける」
「わかった」
そして、二度目の戦争が始まる。
また、お待ちさせてしまうかもしれませんが、ご勘弁下さい。