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恭介くんの数奇な生活  作者: 熊海苔
第1章 アルカディア介入編
36/65

32話目 お呼出し

恭介が居なくなってから約1ヶ月(アルカディアとは少し時間の流れが違うもよう)あたしは人が忘れる動物だと今実感している。恭介を今も心配しているのはあたし、裕一、達也、そして恭介の姉くらいである。

なんとも薄情なものだ、つい数ヶ月前まで一緒のクラスだった人間をたった1ヶ月で忘れてしまうのだから


「また、空ばかり眺めて……あたしは何してんだか」

「どうかした?まる」

「ん~?何でもない。授業がつまんないだけ、因数分解なんか大人になっても使うのか疑問だよね~」

「まあね。けど、ここテストに出るらしいからやっといたほうがいいよ」

「ん、わかった」


今話していたのが恭介を心配する数少ない友達、裕一だ。バスケ部員で気さくな良いやつ

もう一人この高校に居るのだが、そいつはちょっとクセが強いと言うかなんと言うか……とりあえずこのクラスの委員長である。もちろん男子だ。あと野球部


「じゃあ、今日はここで終わりだ。予習してこいよ」


授業が終わったようだ。さて、委員長(仮)についてだが……


「ばるたん、ばるたん」


そうそう、あたしをこう呼んで……って来たのか


「どうかした?」

「何やってんの?」

「ボッーと空を眺めてるだけ、授業つまんないし」

「成績下がるよ?」

「別に?平常点下がるだけだし」

「そういえば、まるはその点数とかでなんでここに居るの?」

「ん?ああ、入試の時に手抜いた。それにあたしより、弟の方が頭いいよ?スペック高いし、見た目もいいし」

「ふ~ん」


まあ、あたしには関係ないけどね。と、そこで担任が教室に入ってきたのでHRが始まる。早く終わんないかなぁ?凄く暇


「さてと帰ろうっと」


何しようかな~家で、ゲームでもしよう。


「ちょっと待って」

「ん?」

「今日部活ないから3人で帰ろうよ」

「別にいいけど?」


会話はあたしが頷くだけだけどねぇ


「じゃあ、またね~」

「明日は遅刻するなよ?」

「わかってるって」


しつこいな~あたしだって遅刻するつもりはなかったんですーっだ

さてと、さっさと帰ろ。そしてゲームしよう。


「それにしても、よく部活なんてめんどくさい物を頑張るわね」

「好きだからね」

「ふ~ん、そんなもんか」

「そんなものだよ」


沈黙、喋る事なんてないしいいか。

と、後ろから吸い込まれるような感じを覚えて後ろを見るとそこには黒い穴

なんのフラグ?


「達也、あれ何?」

「あれって何のこ……」


達也が言葉を最後まで言う前にあたし達は穴に吸い込まれた。


****


「ぐぇ……」


穴から落ちると下からくぐもった声が聞こえた。ゴメン達也


「二人?勇者が二人だと?」

「あっ、あたしは関係ないです。コイツですコイツ」


下で伸びてる達也を指差す。面倒事はゴメンだからね~

あとよろしく~達也


「では、勇者様。こちらへ来てください」

「へ?俺?ちょっ、どういう事だよ?ばるたん!?」

「ばるたんなんて人は、ここには居ませんよー」


さて、達也を捧げた事だし、あたしは自由だ。

町へ行って情報収集しなくては


****


え~、町に行って分かった事はここは何かユーランドなる国らしい。それで最近魔王が再登場したから、やっぱ勇者っしょ?的なノリで呼ばれたらしい。

最後に現代っ子が大人を撒けるはずもなく保護?されてしまった。


「とりあえず、城内でおとなしくしていてください」

「………はい」


しょうがないから城内で情報収集しよっと鞄の中にお菓子もある事だし、城の女性陣を懐柔して行けばなんとかなるでしょ?

思い立ったら即行動!

メイドさん達からドンドン懐柔して行こう。


****


ふぅ~気がつけばメイドさん全員を仲間にしてしまうあたしの話術にビックリだ。……まあ、お菓子パワーが一番大きいだろうけれど……

と言う訳で、只今メイドさん大会議(ようするにお茶会)に参加中であります。


「それで何が聞きたいんです?アヤさんは」

「ん~、基本から城内での噂までかな?」

「そういう事なら私達にお任せを!それはそうとしてアヤさん」

「何ですか?」

「女性が胡坐などかいてはいけませんよ?はしたないです」


正論を言われては逆らえないじゃないですか。やるなーメイド部隊

それにしても、二回目の異世界は王道ファンタジーか~。楽しみだなぁ

とりあえず、普通に座り直す。これで文句はないっしょ


「では、まずこの世界について(以下4話目参照)――――と言う事です」

「そういえば、レアールはウッドノースと戦争して負けたらしいわよ」

「そうそう!最近は物騒になったわよね~」

「お城内の事と言えば、なんか危ない魔導書があるらしいのよ」


なんか気付いたら、あたしを無視してどんどん話が発展してってる……

あたしを置いてかないで~

と、そこで廊下からどたどたと走る音が聞こえてきた。


「ばるたん!!」

「だから、ばるたんなんて言う人居ないってば」

「まる!」

「何?」

「申し訳ありせんが。タツヤ様、勇者様と言えど私たちメイドの休憩所にいきなりノックもせず入るのは礼儀に反するかと」

「あ…すいません。まる!ちょっとこっち来て!」

「じゃあ、情報ありがとうございました」

「またいらして下さいね。アヤさん」

「は~い」


まだ、全然聞き出してないんだがなぁ……


「まる!これはどういう事だよ。なんで俺が勇者なんだよ」

「いいじゃんか。坊主勇者(笑)」

「(笑)じゃない!」

「なんで俺だけを放置してきたんだ!」

「ん~?気絶してたから、いいエサになるかと……」


あらら、押し黙った。何を考え込んでるやら……

とりあえず、武器は~?あたしの


「あのさ~、あたしは武器ないの?」

「ん?ないだろ。普通に」

「まあいいや、自分で手に入れるから」

「へー、まあ頑張れ」


疑ってるようだけど、あたしの方が異世界歴長いんだぞ?言ってないけど、ナンナ~?居る?


(呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン)


それもう古いからやめてよ。恥ずかしい


(わしを呼んだ割に対応が悪いの。それでどうかしたかえ?)


なんか、この城の中に魔導書が在るらしいんだけど、取ってきてくれないかな?


(お安い御用じゃ。わしに任せてくつろいでおれ)


おぉ~頼もしい。けど今日は満月じゃないよ?人型になれないんじゃない?


(なんじゃと!?それを先に言わぬか。馬鹿者!!じゃが受け付けてしまったしの。しっかり取って来よう)


よろしく~あたしは寝て待ってるね~

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