31話目 絶賛迷子中だよ!
さて、問題です。ここはどこでしょうか?ヒントは木です。さあ、答えをどうぞ!
「って………知るかぁああああ!こっちが聞きたいわっ!」
と、自分に聞いて叫び返してしまった訳だが、ここはあと少しでサンゴールドに入れる場所に位置する。迷いの樹海だ。
なんで迷いなのに入ったかって?事の発端は今俺の後ろでしょぼーんとしている金髪ツインテール娘が原因だ。
目の前に『この先、迷いの樹海につき立入禁止』っていう看板があって、それをみたミーナが国内の地理なら任せなさい!と豪語して突貫した結果がこのザマなわけだ。
そうそう、すまんな。この小説には触手は出ないからエロは少ないぞ。…………今更か。
「なんか、今回は地文が多いな」
「メタ発言も多いけどね!」
樹海に入ってからはミーナのツッコミが絶好調だ。俺のおかげだな
「ねぇ。恭介、前方に人影」
「だな。しかし、耳と尻尾の生えた人間なんか………居たな。ウチのパーティーに一人」
「我の事か?」
「他に誰が居る馬鹿狐」
「ここに入ってからイライラし過ぎだよ?」
「木しかないからな。同じ景色を見てたらどんどんイライラしてきただけだ」
(私に変われ~!)
いやだ。黙っていろレズ
(ひどっ!?う、うるさい!男のくせにずっと女の子になったままで過ごしてるくせに!)
かち~ん
今の発言には流石にキレた。あんだと?もっかい言ってみろ
(何度でも言ってやるわよ!女の子になったままで過ごしてる変態!)
ブチブチ
(優柔不断!へたれ主人公!)
ブチブチ……プツン
おうおうおう!言ってくれやがってこのクソガキが!言われるだけで終わる恭介様だと思うなよ?そもそもよ。人から勝手に分裂して中に居座りやがってよ。家賃払え!てか、当分お前を無視するからな。以上!
「これで片が付いたぜ……さてと、あの人影に近付くが反対の人挙手!」
見事に誰も手を挙げない。ここまで行くと逆に凄いわ……
「じゃあ、ちょっくら会ってくるわ」
「いってらっしゃ~い。迷子にならないでね~」
誰がなるかっ!とは言い返さない俺は大人なはず……違うか
「すいませ~ん。聞きたい事があるんです……が!?」
「す、すまないが、ここはどこだ!?」
肩を思いっきり掴まれて涙声で言われた。
逆に聞きたいがまず落ち着いて貰おう話ができない
「だ、大丈夫ですよ。向こうに俺の仲間が……って居ねぇ!?」
「い、いなくなったのか!?人影なら1つあるぞ」
「いやいや、あんなオッサンぽい人知りませんよ!誰ですかあれ!」
「あたしに聞くな!あたしはここまで一人旅だったのだぞ」
なんか、言い合いをしてる間に人影が近付いてきた。
「ひっ…」
「だ、大丈夫ですよ!人なんですから話し合えば……」
「へ、変態だったらどうするんだ?犯され…」
それは流石ににヤバそうだからと思ったが、さっき秋と喧嘩した時に男になっていたから大丈夫そうだ。
まあ、俺は…だがな
「ほ、ほら、俺男なんで大丈…」
「ウホッいい男……」
「そっちの方でした!?女なって無害なら、俺はなるぜ!」
「美女一人に少女一人、ヒャッホォオオ!」
「んなっ、ちょっと流石にに逃げましょう!」
男に戻って女の人の手を引いて逃げる。
と、後ろから「やっぱ、人間を驚かすのは楽しいなぁ」という声が聞こえてきた。こう何と言うか……ねぇ?……さっきまでビビってた自分が馬鹿馬鹿しくなってきてさ。逆にイライラが溜まったと言うか……要するにキレてるんです。
「さてと……相手が人外と分かったらこっちがやることは1つだよなぁ」
じゃあ
「火の精霊サラマンダー、力を貸せ……」
圧倒的な
「炎撃……」
力量の差を見せつけるか
「紅蓮双槍!!」
退治するかだ。
前方へ二つの大きな火の槍が一直線に飛んで行き化け狸を炎の柱の中に巻き込んだ。
「二度と出てくるな。虫酸が走る」
「ほぉ……オリジナルの魔法か……君、名前は?」
「俺?恭介ですけど……それがどうかしたんですか?」
「恭介君か。ちなみに何処へ向かっているんだ?」
「隣のサンゴールドですけど……」
こんな事聞いて何がしたいんだ?この人は
「へ?ここはサンゴールドではないのか?」
「ウッドノースですよ。あと、ここは迷いの樹海だそうです」
「しまったぁ……」
なんかよく分からんが落ち込んでしまった。よくわからん人だなぁ
「あのとりあえず名前を教えてくれませんか?呼びにくいんで」
「ん?ああ、あたしは……あねさんか姐さんとでも呼んどくれ」
「はぁ……わかりました。姐さんて呼びます」
ふむ、なぜにヤーさんの方面なんだ?と言うか服装が斬新過ぎる……なぜ着物の下にジーパン着てるんだ?なんか深く突っ込むのもなんだしさ
「それで、姐さん。と言うことは目的地が同じって事ですよね?なら、一緒に行動しませんか?」
「もとよりそのつもりだよ。しかし、迷いの樹海か……変な所に迷い込んでしまったなぁ」
「そろそろ行動を開始しましょう」
ああ。と頷いた姐さんと共に樹海最深部へ向かう。
まあ、たぶんの向きだけどな。
「それで銀姐さんは、何をしに?」
「いつの間に銀がついたんだい」
「いや、耳と尻尾の毛の色からですけど……」
「まあ、いいか。ああ、それはね。最近ヴェオウルフがやんちゃになってるって聞いてねぇ。ガキ共に再教育をしにきたってわけさ」
「でも、銀姐さんは大丈夫なんですか?相手はヴェオウルフですよ?」
「はぁ……話を聞いてないかい?強いヴェオウルフは喋られるって話」
「ああ、知ってますよ。一回会いましたし」
「知ってるなら話が早いね。ヴェオウルフの最高レベルをLv.5だとすると、1が赤ん坊とか子供。2が大人。で、3が喋る。4以降は二足歩行が出来るようになる。そしてLv.5があたしさ」
「はい?」
「だから、あたしが最終形態なんだよ。ヴェオウルフ界最強」
「え~と……要するに銀姐さんはヴェオウルフだと言う事?」
「そういうことさ。おっと、あたしは人を襲わないから大丈夫だよ。食べるなら牛だね。あれはうまい」
ああ、幻想郷の兎的感覚ですね。わかります。
じゃあ、あのヴェオウルフもこうなるのか?
早く倒さないとな。あれ以上強くなられると困る。
「にしても……この樹海の中心はまだなのか?流石に、距離あり過ぎだろ…」
「まあ、簡単についてしまっては迷いではないだろう。だからと言って……ん?恭介君、あたし達は今同じ場所をぐるぐる回っているんではないか?」
「え?うわぁ……最悪…念のために幹に傷付けときますかね」
懐から小刀を取り出し木の幹に×印を付ける。
こういう時こそサバイバルナイフが欲しいな。
刃が厚いし頑丈だしな
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「「……………」」
「またっスね……」
「ああ、またこの場所だな」
今、さっき×印を付けた木の下に居る。
なんでかって?なんでだろうね。おにいさん少し涙ぐんじゃいそうだよ。
「なんか、一定の距離を歩いたらここに戻ってんだよなぁ」
「だろうな。恐らく何者かがこの樹海の中心に居るのだろう。そして、その者から一定距離の場所と、ここがメビウスの輪のようになっているのだろうな。他には考えられん」
「メビウスの輪ですか?となると、その境界を探すしかないですよね?」
となるとここの木には悪いが進むたびに×印を幹に付けるしかないか……
よし、一つ目
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「30本目。結構きましたね。あれを31本目にしま……」
「あれが限界だったな。ということは、あそこのどこかにある魔法の構成を壊せばなんとかなるのだが」
「俺達じゃ、できない。ですよね」
「ああ、専門のブレイカーに頼まなくてはいけないくらい難しい術式だ。あれは」
「できない事もないんスけどね。如何せん魔力の燃費が悪いもんで」
あれはいかん。使った後にテンションやらなんやらがおかしくなる。
それは、エデンの園に行った時に証明済みだ
「やれるならやればいいじゃないか。ここから先に進まなければならないんだからな」
「どうなっても知りませんからね?」
ふと思い出す。ナハトとレイが居ないと出来ないんじゃね?試した事ないけど……まあ、やってみるしかないか……サポートなしは色々と面倒だ。あとやり方変わるし……
「時間軸、空間軸ともに固定。魔力構成解析、魔力量、循環率ともに安定」
「な、何を言っているんだ?」
「解析終了。離れててくださいね。ブレイク!」
パリンとガラスが割れるような音が響いて前へ進めるようになった。
よっしゃ!
いざ、最深部へ!
次は新キャラ登場&この世界に介入です。
あと2人現代っ子がこの世界に来ます。お楽しみに!