27話目 町へ行こう!その1
和馬の話です。
場所は魔王城、魔王襲撃から1週間が経ったある日である。
職務室へ向かう影があった。この城の主和馬である。
「あのさ、クレア」
「なんだ?今かなり忙しいのだが」
「うん、この城が建ってる島って向こう側まで全然離れてないよね?」
「そうだな」
「時々、人が迷い込んでるらしいんだよ」
「ふむ、それで何が言いたいのだ?」
「もういっその事、島と陸を橋で繋いじゃわない?この島の魔族って友好的だからなんとかなると思うんだよね」
「なるほど……我々側は何も問題ないな。向こうの人間は知らないが」
「それで僕が聞きに行こうと思って……」
それを聞いてクレアが頭を抱えてしまった。僕、何か間違えた?
「今回の魔王は………歴代にそんなこと言った者は居ないぞ?というか、普通そういう発想がなかったな」
「やっていい?責任は僕がとるからさ。ね?」
「しょうがないな。そのかわりお前がちゃんと責任とれ。いいな?」
「じゃあ、行ってくる」
よしっ、最強の難関から難無く許可を手に入れたからもう大丈夫だ
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村のある海岸に来たはいいけど……
どうしたものだろう?向こうに渡る方法が変幻しかない……でも、見つかったら怪しい目で見られるからなぁ
う~ん………
「あっ、魔王様。こんな時間にどうかなさいました?」
「ああ、ツクミのおばちゃんか。畏まって話さないで」
「そうかい。なら、どうしたんだい?和馬君。こんな時間にさ」
「ちょっと向こうに渡る方法を探しててさ。変幻しか思い付かなくて……」
「向こう?人に会いに行くのかい?なら、ウチの船を使いな。おんぼろだけど使えるはずだよ」
「ありがたく使わせてもらうよ」
「じゃあ、船着き場に行きな、おんぼろ過ぎて見つけやすいはずだよ」
「じゃあね。ツクミのおばちゃん」
おんぼろって……沈まないかすっごい心配だな……
「まったく、なんであんないい子が魔王になったのかね?世の中まだまだ不思議だねぇ」
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目の前にはかなりボロボロの船がある。腐ってるんじゃない?と思えるくらい色がおかしい。
「これは突っ込むべきなのかな?とりあえず……こんなのに乗ったら沈むよっ!船体の横に穴が開いてるってどういうことさ!?」
これは変幻するしかないかぁ……でもまだ長時間の変幻出来ないからなぁ
「よし、変幻!」
何変幻したか自分でもわかんないけど……この感じは…………
「これ、ヒポグリフかな?四本足で前が鷲の足、ヒポグリフだね」
助走をつけて飛び立つ。身体に当たる風が心地好い、かなりの距離があるけれど何とかなるよね?
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20分間ほど飛んだけどまだ距離はそこそこある。町?村かはわからないけど明かりは見えてはきている。でも、そろそろ元に戻りそうだ
「や、やばい……変幻が解けそうだ……うあっ」
変幻が解けて僕は海に落ちた。
長らくお待たせしました。やっと更新です。
少し余裕ができたんで投稿できました
ほんと、忙しかったんですよ?いや、マジです
では、次にいつ更新できるかはわかりませんが
さよなら~
※感想ください