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恭介くんの数奇な生活  作者: 熊海苔
第1章 アルカディア介入編
25/65

21話目 断罪の瞳

ついに2万4千PVを越え、ユニークも4千を突破!


ひとえにこの小説を読んでくださってる読者の皆様のおかげです

秋達がレアールとの戦争を止めてから四日後、和馬がこの世界に来て八日後。

魔王城で異変が起きていた。それは…


「和馬!大丈夫か!」


事件の発端は、和馬が執務室で書類を整理してる時に駆け込んできたクレアだった。


「ん?大丈夫じゃないぞ、書類が多過ぎて死にそうだ」

「ふぅ、無事か…」

「人の話聞いてる?クレアの分も僕がやってるんだぞ。仕事が倍だよ?」


そう、僕はクレアの分も処理するようになって四日目、

仕事の量的に執務室から出られるのは食事の時だけ…現在四日連続で徹夜中だったりする


「さすがに可哀相だな。わかった、明日より私の分は私がやろう」

「やった!寝れる」

「その代わり、護衛のために和馬の部屋で寝させてもらう」

「なんでさ!護衛って何さ!」

「和馬、お前は今狙われている。しかも相手は、魔物だ」


クレアの話によると、とある魔物が退屈だから魔王をぬっ殺して人間に戦争を

ふっ掛けようという魂胆で動いてるらしい。さらに情報だけだが、

凄く強い勇者的な人がウッドノースという国にいるそうで、魔王城に向かってるらしい。


「だから護衛か」

「うむ、そうだ。魔王に死なれたら私が雪華にボコボコにされてしまう…」


そこまで言ってブルリと体を震わせた。いやな思い出を思い出したらしい


「わかった。けど今日分から手伝ってくれ。そうしないと僕の部屋に入るのを許可しない」

「うぅ…わかった。和馬も性格変わってきたな」

「気にするな、僕もそれは不思議だったんだが、たぶん、魔王になったからだと思うようになった」

「なるほど…」


それから事が起きたのは、深夜だった。

この世界では4月から夏らしく今夜も寝苦しいほどの気温だった為、部屋の窓を少し開けて寝ていた。

その窓から四足獣の影が音も無く入ってきた。しかし殺気を消さずに侵入したため、

クレアは気がついていた。


「まったく…和馬を襲う気なら殺気を消して入ってこい」

「気がつい…ていたか」

「ほぉ~、喋る事ができるか、ということはそれなりに強いと言うことか」

「なめる…なよ」

「なら外に出ろ。ここじゃ狭いだろ?」

「わかっ…た…いい…だろう」


ヴェオウルフは言うな否や窓から飛び出ていった。


「和馬、起きろ。刺客だ。お前も来い」

「んあ?何?朝食作る時間?」

「刺客だ刺客、起きろ」

「ん?まだ夜じゃんか……」

「刺客だと言っているだろう」

「刺客!?どこに居る」


くっ!呑気に寝てる場合じゃないぞ


「外に出た。私は今からヤツを始末してくる。窓から見ていろ」

「ん。わかった」

(しかし、再転の魔法で使った魔力がまだ、戻っていない私では、勝てるかどうか…)


そう、再転の魔法はクレアや雪華のレベルでも

全魔力の2/3を消費しないと魔法を完成できないのである

しかも、魔力は半分までなら回復も早いが半分以上消費すると極端に回復スピードが下がる。

クレアが全力を出すには、あと二、三日必要であった。

しかし、刺客が来た今そんな悠長なことは言ってられない。


「もしもの時は頼んだぞ。和馬」

「ちょっ、一体どういう…」


和馬がすべてを言う前にクレアは、窓から飛び降りていた


「まっ…たぞ…始め…るか」

「闇神、我、求めるは――深淵の闇――黒龍!」


クレアの手の中から夜の闇より暗く濃密な闇の龍がヴェオウルフへ襲い掛かる!

しかし、ヴェオウルフは軽々と龍を避けた


「そん…なもの…か側近」

(やはり魔力が足りない!)

「次は…オレ…だ」


さっきの龍を遥かに上回るスピードでクレアに襲い掛かる

「くっ!破炎!」

「そんな…もの…効かん…ぞ」


クレアは、攻撃したもののヴェオウルフのスピードは落ちずクレアの肩に食らいつく


「くぅうう!」


ヴェオウルフは噛み付いたまま遠心力をつけクレアを城の壁にたたき付けた


「かはっ!…」

「クレア!?」


僕は、クレアが壁にたたき付けられた時には窓から飛び降りてクレアの元に駆け寄っていた。

噛まれた肩からは血が留めなく流れていた。クレアが死ぬ?

まさか、あのクレアが?

いつも僕と雪華を弄んでいたクレアが?

感情が高ぶる

眼に痛みが走る。関係ない。あいつがクレアを傷付けた、

僕の仲間を大切な友達を…ヤツは僕が殺す

すべての罪が見えてくる。はっきりと鮮明に…


「く、くく、くくくくくくく、くはははははははははははは!

さあ、裁判を始めよう!我が裁いてやろう。圧死。斬死。溺死。毒死。窒息死。

さあ、好きな死に方を選べ。我は、すべてを裁く者。人も魔物も悪魔も天使も神もだ!

すべての罪が我には見える」

「貴様が…魔王…か」

「魔王?我はそんなちんけな者ではない。お前は、どんな死に方がいい?くはははははははははは!」

「だ、断罪の眼の暴走……と、止めなくては…」


腕に力を入れようとしたが力が入らないヴェオウルフの毒が廻りつつある…


「クレアさん!?大丈夫!?今手当てを……あ、あれがカズくん?」

「すまない…私の力不足だった」


そこにいる和馬は死神が持っているような大鎌を持ち。

いつもの優しい黒眼ではなく、ひたすら清んだ清みきった、

しかし奥の見えない六芒星の蒼い瞳、断罪の眼が発動している狂気じみた眼でヴェオウルフを見ていた


「死ぬのは…お前…だ」

「我を殺す?貴様が?我を?くくく、くははははは!

貴様は、我に指一本触れることはできず死ぬ。

それが貴様の運命、因果、結果だ。貴様は、死刑、斬死だ」


やはり、和馬の声とは違う声で話す和馬


「ぐぁ」

「執行終了。さあ、貴様らはどんな死に方がしたい?」


すでにヴェオウルフは細切れになっていて私達を見て言ってきた


「カズくん!目を覚まして!カズくん!」

「和馬、断罪の眼に負けるな、意思を強くもて!」


そこで和馬がピクリと身震いをした


「僕から……出ていけ……お前何かに体…を取られて…たまる…か!」

「や…めろ、出てくるな!」

「く、くそったれぇえええええ!!」


さっきまでの記憶がないがクレアを雪華を守る事が出来た。

しかし、その戦っていた時の記憶がないのがおかしい。


「正気に戻ったか?和馬」

「どういう意味だ?それに今起こったことを教えてくれ」

「ふむ、わかった。和馬お前は、私が吹っ飛ばされたのは覚えているか?」

「ああ、けどそこから記憶が曖昧なんだ」

「……お前は、断罪の眼で暴走していたんだ」

「……暴走…」

「カズくん、何ともない?怪我は?」


雪華が動揺している。たぶん、眼の暴走のせいだろう。

あの狼野郎が細切れになってる時点で僕の想像を越えている。

そして二人の表情から、断罪の眼はかなり危険なものかが窺い知れる


「僕は、どうすればいい?」

「寝るぞ。聞きたければ部屋で話してやる」

「わかった、じゃあ部屋で話してくれ。自分の事だからな」

「うむ」


言うや否やクレアは、僕の部屋の窓へ跳んでいっていた。よく届くなあそこ5階だぞ?


「早く来い和馬!」

「いや、無理だから!そんな大ジャンプ出来ないから!」

「こんなの簡単だぞ?魔力を地面に向かって噴射させるだけなんだからな」


その簡単なことでも魔法初心者の僕には難しいのわかってるのか?

モン〇ンの初期装備でル〇ツを倒すのくらい大変だぞ?


「うぅ、わかったよ。やるって…」


足に集めるのか?

あっ!変幻で鳥かなんかになればいいじゃんか。では、無難に鷹になろう


そこに現れたのはデッカイ、ものすごくデッカイ鷹だった


「我ながらデカイな。怪鳥じゃんか」

「いいから、早くしろ」


と、まあこんなやり取りをしつつ部屋に戻った和馬であった



「さて、本題に入るとするか…」

「ああ、頼む」

「これからやることは、まず精神力をつける訓練だ。断罪の眼の暴走は、

初期段階なら本人の精神力次第でなんとかなるからな。まあ、対策はそれくらいしかない」

「なるほど……じゃあ話が変わるがあの狼野郎には、雇い主見たいなのが居そうだけれども、

どうする?」


書類整理の仕事の時聞いた話だがヴェオウルフは知能は低いらしい、

しかし最も強い状態の者の知能は人の次くらいまで上がっているらしい。

そして喋る事が出来るのはそこそこの強さからならばだいたいが喋れる


「今回襲ってきたヤツは、頭が良さそうじゃなかったからさ」

「ふむ、では明日からの訓練の間、和馬の処理分は私がやっておく。

和馬は訓練を第一に考えて行動しろ、情報収集は雪華にやらせる。いいな?」

「ああ、わかった」

「では、寝るか。和馬お前は下だぞ。ベッドは私が使う」

「ああもう、わかった、いいよ。またか弱いなんたらだろ?」

「よくわかってるじゃないか。では、おやすみ」


今日から当分、床で寝るのか…つらい

明日全身が、バキボキいうな


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