一休み二回目 追憶
「そろそろ、一段落したことだし私、う~ん俺の過去を話そうと思う」
『無理して言わなくてもいいからね?』
「大丈夫だ、これはみんなにも、聞いてもらわなきゃいけないからさ。
うんじゃ話すぞ」
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これは、まあまあ昔の話になる。ええと、12歳の時の話だ。
みんなは、自分がこの歳の時何をしていたか覚えているか?
俺は憶えている。あの日あんなことさえ起こらなければ俺の人生の歯車は、
狂わずに生きてゆけたのだから…
その日学校にいつも通りに行き席に着こうとした時、机に落書きをされている
ことに気がついたそこには、死ねやら女男などの罵詈壮言が書いてあった
まあ、そのように言われるのは慣れていた。
なんせ、容姿が容姿だったからだ、目が大きく、肩まで伸びた黒髪
身長も女子くらい、男らしさの、おの字もないような感じだった。
高校までにかなり背が伸びたけれど
まあ、俺は全く気にしていなかったのだが…
そのせいで、男子から中二が終わるまでに二桁の告白
それが原因で女子からのイジメが悪化
美人の姉と街中を歩いている姿を友達だったヤツに見られて
男子からのイジメも悪化
話は変わるがこれから関係あることだ
俺の姉には、数年前からストーカーがいた。
ほとんどは、俺が自分の容姿を使ってフルボッコにしたのだが
その時のストーカーが相手にされないことに逆ギレして、
その日の夜、襲いに来た。これまでどうり素手だったらなんとかなっていた
のだがストーカーは包丁を持って襲ってきた。
ここからは、鮮明に思い出せるから会話の部分も入れようと思う
「恭介!た、助けて!」
「またストーカー?」
姉ちゃんは、すごく動揺していた。いつもならゆるい雰囲気なのにだ
「そうなんだけど、今回のは殺しにきてるんだよ!」
「ッ!姉ちゃん危ない!」
視界の隅に包丁を振り上げた男が姉の後ろにいたから俺は姉を抱いて横っ飛びに
飛んだ。しかし、反応が遅れたせいか背中を深くはないが切られてしまった
「きょ、恭介!大丈夫!?」
「なんとかね。それより家に逃げ込もう」
「うん」
姉には強がってみたけどかなり厳しい、出血とともに力が抜けていくような
感じだ、とりあえず包帯で止血しておき親に連絡をしておく
「あっ、母さん?俺だけど警察呼んでくれない?」
『どうしたの恭介』
「ストーカーが姉ちゃんを殺しに来たんだ。だから早く!」
『わ、わかったわ、それで今どこにいるの?』
「家の中、木刀もあるし大丈夫かなと思って」
『怪我しないでね?』
「わかったじゃあ後で」
まあ、嘘は言ったけどなんとかなるだろう
「ふふふ、やっと追い詰めたよ?優奈ちゃん」
「やだこないで!」
「君が悪いんだろう?僕を無視して」
「のされろ!変態野朗!」
手にした木刀を横に薙ぐ
しかし、ストーカーに包丁で防がれてしまった
「君が女の子だったら良かったのにね」
「うるせぇ!姉ちゃんを…優奈を離せ!」
「やだよ。コイツは、僕が殺すんだ。いたぶってからね」
「ッ!」
姉ちゃんの腕から血が出た。
あんなヤツに姉ちゃんと俺は殺されるのか?
いやだ。死ねない死にたくない。俺にだって意地はある
力の差は歴然としていた、けれども俺が尻尾を巻いて逃げたら
姉ちゃんが死んでしまう
それでいいのか?
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだいやだいやだ
イヤだイヤだイヤだイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ
コンナトコロデシヌノ?
ダレモマモレズニ?
ナニガテンサイケンシダ、ショセンアソビジャナイカ。
ダレモマモレナイチカラナンテナイニヒトシイ
それくらいなら、あいつを殺してでも止める
「なんだ、諦めたのか。つまんないの」
「こ……てでも………やる」
「なんだって?」
「殺してでも止めてやる!」
「ひっ!」
たぶんその時、俺は殺気立ってたんだと思う。後に後悔するんだから
途中の戦いはあまりにグロテスクなため略すが結果を言うと
俺はそいつの腹を木刀で刺していた。
まあその後、出血の量が多すぎて俺はぶっ倒れたけどね
その後俺は3,4日病院で寝ていたけれども
姉ちゃんに叩かれて起きた。寝起きは最悪だ
「恭介!なんであんなことしたの!」
「姉ちゃんがたった一人の姉弟だから失いたくなかったんだ、
それであいつは、懲役何年?殺人未遂だから結構な時間出てこないと思うんだ
。それで何年?」
「ストーカーなら、―――」
それを聞いた時すぐには理解できなかった。姉の口はこう告げた
死んだと、しかも殺したのが俺
警察は正当防衛としてくれた、けれども俺はあんなヤツとは言え
殺してしまったんだ、この手で人を…
だからメグが来て異世界に行きなさいって言ってくれたとき
すごく嬉しかった。
姉ちゃんに助けられもした、親友はそのことを気にせずに話しかけてくれた
それでどうにかなると思った。けれども周りのやつらは
人殺しと言ってきた、死ねなら耐えられた。女男も耐えられた
でも、人殺しって言われるのは耐えられない。
自分でもそのことで自分を責めていたんだから
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「と、まあこんな感じだ」
「あのさ、アキ」
「どうした?」
「私達とお風呂入りたがらなかったのは、背中の傷のせい?」
「ん、そういうことだ。けれども、昨日はこの傷を隠してちゃ、
前に進めないと思ったから背中の開いたドレスを着た訳だしな」
『やっぱり、その話は秋ちゃんにとっては辛いよね』
「こんな私だけれども、これからの旅について来てくれるかな?」
『「もちろん」』
「僕は、隊長の所に戻ります。いや、そういう意味じゃなくて
変に気を使っちゃいそうだから…」
「わかった、じゃあなアスク」
「はい、御武運を師匠」
「師匠はやめて…////」
『秋ちゃんらしいな』
「馬鹿にしてる?」
「まあまあ、じゃあお風呂に行きましょうか」
「だが、断る!」
「ダメ逃がさないわよ?」
「ちょっ、やめっ」
『ミーナ早く行こうよ~』
「姫様、のぼせないようにしてくださいね」
「助けてくれないの!?」
「大丈夫、痛いのは最初だけらしいので!」
『その時は、私が秋ちゃんの貞操を守るからだいじょーぶ!!』
まだ更新します
全力で(笑)