13話目 Shall we dance?
いや~、ダンス難しい!
「ほら、誘っといてどうしたの」
「ダンスなんて初めてだし、ドレスも踊りにくいし…大変なんだよ」
そもそも、誘った俺が馬鹿だったんだが…
「逆にリードされてるな私」
「そうだね。あのさ」
「ん?どうした?」
「アキさ自分のことを“私”って言うの慣れてないでしょ?
なら、仲間と喋る時は無理に言わなくていいよ」
「いいの?」
「その代わり、人がいる時は口調も変えること。いい?」
ああ!卑怯だ!う~んでも一理あるな。従うしかないな
「その代わり魔法教えて」
「まだ知らなかったの!?」
「うん…剣術だけでいいかなと思ってたから」
「じゃあ、明日は午前中買い物、午後練習でいい?」
「わかった」
「まあ、曲も終わったことだしパーティー楽しんでね。
あと、心配してくれてありがとう」
あーばれてたか、元気になってくれただけ儲かりもんかな。
んあ?貴族のボンボン達動くのが早いな。囲まれた
「君がアキかい?僕と一緒に踊らないか」
「いえ、私と踊ってください」
「抜け駆けとは卑怯だぞ」
「あの、落ち着いてください。お願いします」
手間が掛かるなコイツら、落ち着きというものを持てよ
まったく…
「どうして私なんですか?他の方のほうがお綺麗じゃないですか
見た目もこんなんですし」
「そこがいいんだよ」
ちっ、コイツロリコンか、面倒だなロリコン
しかも、ニコニコしてるよ。うぅ寒気が…
「いえお断りします(ナハトでどうにかしよっと)」
「相手がいるのかい?」
「僕じゃ役不足なんだね…」
「では、これで…失礼します」
(ナハト~出てきてーあ、人の状態でね)
【わかったよ、話は聞いてたから。なんで呼ばれたかは察しがつく】
(成長したなナハト)
【あん?どういう意味だ】
(だいぶ大人しくなったって意味だよ)
バルコニーに行かないと目立つと、ナハトに言われ、とりあえず向かうことに
出てきたナハトは、いつもと服が違い燕尾というヤツ(後で教えて貰った)
を着ていて、ガラの悪い兄ちゃんではなく面倒見のいいお兄さんという感じ
になっていた
「ナハト…かっこいい!」
【お前なに抱きついてんだ?】
「あ~いや~つい…」
【まあいいや、踊るんだろ?早く踊ろうぜ】
「今夜だけ口調を上品にして!お願い!」
これをやると大体の人が頷いてくれる。上目遣い
【ちっ、分かったよ。これでいいかな?】
「ナハト最高!」
【早く踊りませんか?(周りの男どもの視線が痛い)】
「あ、うん、そうだね」
促がされて踊ったけれども、ナハトはなんでこんなに上手く踊れるのだろう?
けれども、気持ちよく踊ることができた
【ほら、水持って来たぞ】
「ありがと。そういえば、なんであんなに上手く踊れたんだ?」
【レイに相手をさせられたから】
「なるほど…納得した。でも今日はありがとね」
【別にいいさ、今現在楽しませて貰ってるしな】
悪戯が成功したような笑顔をナハトが浮かべている
「一体なにをした」
【それ】
「水?これがどうかし……これお酒!?」
【一気飲みしやがって、半分で止めるつもりだったんだけど、お前が一気
しちゃうから止められなかった。まあ、楽しい時間をありがとう。
んじゃ、俺は戻ってるよ】
「あっちょまっ…逃げられた」
あ~騒いだら酔いが回って来たかも
『秋ちゃ~ん、どこ~』
「ふぇ?ここらよ~」
呂律が…回らなくなってきた
『秋ちゃん!?どうしたの?!』
「お酒のんだらこうなったんらお?もっと飲んでくる~」
~ただいまから音声のみでお楽しみください~
「おじさ~ん、お酒ちょうだ~い」
「これは、アキ殿酒はまだ早いですぞ」
「む~、いいもん自分で取ってくる!」
「あぁ!アキ様お酒を飲んでは!」
「あはははははははは、もっともっと~」
「なんの騒ぎ?」
「ミーナ様、アキ様を止めてください。
勝手にお酒をがぶがぶ飲んでるんですよ!」
「アキそれくらいに「お姉ちゃんだ!」お姉ちゃん!?」
「一緒に飲も~よ~」
その後パーティーが終わるまで秋の暴走は続いた
「う~気持ち悪い…ふらふらする…」
『ほら、しっかり歩いて』
「ここまでなるまで普通飲むかな~」
「部屋まだ~?」
「あとちょっとだから、頑張って」
『やっと着いた~』
「うぅこのドレスじゃまだな~うぅ脱げない…」
秋がうんうん唸りながら、ドレスを頭から脱ごうとして暴れてる
実にかわいい、愛でたい!
「まあいいか…おやすみ~お姉ちゃん、メグちゃん…」
『「…………」』
少しの静寂
『今ちゃん付けで呼ばれた…』
「まだお姉ちゃんって…」
二人が固まっているところで無邪気な寝顔で寝ている秋がいた
秋を暴走させすぎました