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プロローグ

 フロリアナは目を細めた。


 穏やかな春の朝、王都の景色はわずかにかすみがかっているようだ。ただ、眼前の川面だけが、日の光を弾いてきらきらと輝いている。

 川べりに座り込むフロリアナの横では、一日中消えることのないたき火が、ぱちぱちと音を立てて燃えていた。


 フロリアナはすがすがしい空気を胸いっぱいに吸い込んで、うっとりとため息をつく。

 大自然を前に温まることができるなんて、なんという贅沢なのだろう。実家の公爵家よりも、この国の王宮よりも、この川べりはよっぽど恵まれているではないか。


 振り返れば堤防の下に、無数のたんぽぽが咲き誇っていた。フロリアナは立ち上がると、そのうちのひとつに手を伸ばす。

 川にかかった橋の下には、現在のフロリアナの住まいである、フロルハウスが建っている。木の板でできたフロルハウスにたんぽぽの花を飾ったら、可愛くなるに違いない。

 しかし、たんぽぽのぎざぎざの葉に手を触れて、フロリアナは手を止めた。


 いま、咲いている場所が、たんぽぽたちのお家なのだ。


 お家がなくなってしまったら、とっても大変なことを、フロリアナは身をもって知っている――。


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