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84話 女子会開催(SIDE YUZUHA)

 「ユズっち、今週末空いてる?」

 「今のところ予定はないけど……」


 修学旅行が終わってから数日が経った週の中頃。

 午前の授業が終わるとカバンから学校に来る途中のコンビニで買ってきたであろう、ビニール袋を取り出しながらアリアさんがそう話しかけてきた。


 「それじゃ、うちで女子会をやろうよ!」

 「え……!?」


 最も『女子会』という言葉を使わなそうなアリアさんの口から出てきたことに驚いてしまう。

 そもそも女子会って何をするんだろうか……?

 

 「ほら、ユズっちとは学校でも話すけど、たまには1日中話してみたいんだよねー」

 

 輝くような満面な笑顔で話すアリアさん。

 

 「ってことで今週末私の家に集合ね!」


 半ば強引に予定が組み込まれてしまった。

 前の席に座って虎太郎くんと談笑している奏翔を見るが、話に夢中になっているのか聞こえていないようだ。

 帰ったら伝えておこう……。


 「……ちなみに聞きたいことがあるんだけど?」

 「どうしたの?」


 女子会?をできることがよほど嬉しいのかアリアさんの顔が輝いていた。


 「……女子会って何をするの?」


 私の問いかけに対してアリアさんから返答が返ってくることはなかった。




 「いいんじゃないか?」

 

 夕方、いつものように虎太郎くんと遊んできた奏翔が帰ってきたので、女子会のことを話すと悩むことなくそう答えた。


 「むぅ……」

 「なんでOKしたのにそんな不服な顔をしているんだよ……」

 「少しは心配したり、『寂しいじゃねーか!』とか言ってもバチは当たらないんとおもうんだけど?」

 「心配って……別に相手がアリアなら問題ないだろ」

 「そうなんだけど……」

 

 そう返すと奏翔は2階への階段を上がってしまう。

 しばらくすると部屋のドアを閉めるバタンという音が聞こえてきた。


 「少しぐらい寂しがってくれてもいいのになあ……」


 修学旅行から帰ってきた日とその次の日は珍しいぐらい私にベッタリしてたのに、学校が始まった週明けからは前と変わらない態度に戻っていた。

 やっぱあの時は旅行の疲れとかで体調崩してたからなのかな……。


 「ずっとあんな感じでいいんだけどなあ……」

 

 まあ、奏翔が甘えてくれないならいつものように私から奏翔にベッタリ甘えるんだけどね。

 そう思いながらダイニングに戻って夕飯ができるまでアニメの続きをみていた。


 

 

 「それじゃ行ってくるね!」


 約束の週末の日、玄関で靴を履きながら紺のパーカーとジーパン姿の奏翔に声をかけた。


 「帰りは遅いのか?」

 「特に決めてないけど、そんなには遅くならないと思うよ?」

 「そっか……」

 

 靴を履き終えてから奏翔の顔を見ると少し嬉しそうな表情をしているように見えた。


 「あ、もしかして寂しい?」

 

 揶揄うような声でそう告げると奏翔はムッとした顔をしていた。

 あれ、もしかして図星……?

 

 「ちがう、夕飯の時間どうするか考えてたんだ……」

 「別に恥ずかしがらなくてもいいのに〜」

 「……ほら、早くいかないと待ち合わせに間に合わなくなるぞ」

 

 奏翔は自分のスマホの画面をこちらに見せながらそう告げる。

 昨日、夕飯を食べながら待ち合わせ時間などを話していたが、まさか覚えているとは。

 

 「それじゃ行ってくるね、寂しかったらいつでもLIMEしていいからね!」


 そう言って玄関を開け、外へと歩き出した。

 

 「えっと、アリアさんの家があるのは……」


 駅までの道のりを歩きながらスマホのLIMEアプリを起動させてから、メッセージを確認する。


 「ここから4駅かぁ……」


 アリアと待ち合わせは彼女の家の最寄駅で待ち合わせとなっている。

 若干遠いなと思いながら歩いているうちに駅へと到着する。


「2番線に電車が参ります、白線の内側で——」


 スマホのアプリで改札を抜けようとすると、放送が入っていた。

 ちなみに来る電車はこれから私が乗ろうとしている電車だ。


「こんなタイミングで電車が来るなんて、日頃の行いがいいからかなー」


 自分でそう呟きながらやってきた電車に乗り込んでいった。




 「おーい、ユズっちー!!」


 目的の駅で降りて、改札を通り抜けた先で黒のジーンズジャケットにジーパン姿のアリアさんがこちらぬ向けて大きく手を振っていた。

 アリアさんの元に行くと、すぐに彼女の家に向かって歩き出していた。


 「ここが私の家だよ!」


 駅から10分ほど歩いた住宅街の一画に彼女の家があった。

 

 「……なんか意外かも」


 彼女の家を見た第一声がこれだった。

 これは私の勝手なイメージだが、彼女の家はファンタジー系のアニメに出てくる洋風の家だと思い込んでいたが、私の目の前にあったのは、他の家と似たような作りの家だった。


 「あー……パパも似たようなこと言われたって話してたっけ」


 アリアさんは「ははは……」と苦笑いをしていた。


 「パパが日本好きで、『一度でいいからウサギ小屋に住んでみたい』って言い始めてこの家になったんだけどね」


 ちなみにウサギ小屋とは海外の人が日本人の住んでいる家があまりにも小さいことを揶揄した言葉だとか。


 「まあこんなところで話すのもなんだから、中に入ってよ」


 そう言ってアリアさんから背中を押されながら彼女の家の中に入っていく。

 

 

 「私の部屋は2階だよ」


 アリアさんはそう告げると、先導して階段を上がっていった。

 その後を着いていき、彼女の部屋に入ると……。


 「す、すごい……!」


 彼女の部屋は俗にいうオタク部屋ともいえるぐらい、アニメのポスターやグッズなどが陳列された棚がたくさん置かれていた。

 ちなみに一番最初に目についたのが、『究極勇者ライガ』のライバルキャラであるフウヤ単体が描かれたポスター。

 しかも1つだけではなくいろんな種類。中にはレア扱いとなっているポスターも。

 

 自分の部屋もそれなりにグッズは置いてあるが……比べものにならないぐらいだ。


 「汚い部屋だけど、適当にくつろいでて、お菓子とか飲み物とってくるから」

 

 そう言ってアリアさんは部屋を出ていった。

 どこかに座ろうかと考えたけど、ただ待っているのも落ち着かなかったので、部屋に置かれたアニメグッズを見ていくことに……。


 「さすがアリアさん、大半がフウヤで埋め尽くされてる……」


 その中には私の『旦那』であるライガや奏翔のガチ恋相手のカイリのグッズも置かれているが……。

 

 「おまたせー! あ、やっぱり見てたね、どう?すごいでしょ?」


 グッズを見ているとアリアさんが戻ってきた。

 お菓子と大きめのペットボトルに、ガラス製のコップが置かれたお盆を持っていた。

 

 ——ちなみにペットボトルの底には炭酸だと思える泡が。

 

「それじゃ女子会やろうか!」


 そう言ってアリアさんはお盆をミニサイズのテーブルに置くと、コップにペットボトルの中身を注いでいったのはいいが、コップの上部には並々と炭酸の泡が出来上がったいた。


「そ、そうだね……」


 炭酸は飲めないと伝えようかと思ったが、出してくれたものを無碍に断るわけにもいかず、注いでくれたコップに口をつけていった。


 ——温泉旅行みたいなことにならなきゃいいけど。

お読みいただきありがとうございました!

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