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現状把握ターン
遺伝子操作。
DNAの配列を人工的に操作することが本来の意味だが、それでヒトに後天的に翼を生やす事は2020年代前半では出来ていない。が。
「魔法か夢か、やれるもんだね」
まさにチート能力。腕が肩甲骨辺りからもう一対生えてかつそれが翼になった。そして。
「すげー滑空だけじゃ無く飛べる!たーのしー!」
筋力を最適化。気嚢を追加して呼吸性能を向上、ミオグロビンも使って酸素を確保、骨を軽量化する為に骨格構造も最適化、その他諸々めちゃくちゃ改造してようやく飛べる身体を得た。
「エネルギーの確保のためにシロアリの能力、さらには白色腐朽菌の能力まで使ってその辺の森の一部を喰らい尽くすという力技で何とかなった」
あとはシロアリ、カワラタケ、何か名前の分からない菌根菌、スギ、ノイバラ、ササ、クリ、等々土地丸ごと支配下に置いてログが見えなくなってさらには
「これでこのダンジョンの全ての生物種を対象にスキル行使出来ますね」
「うん、やってる。すげーわ森の土壌ネットワークこうなってたんだはー」
「ご主人が人間を辞めてるワ!」
「元々では無いのカ?」
あ、空の飛び方を烏に習ってついでに触れまくってるうち一羽念話覚えたのを連れている。
「よし、地面は何とかなったので次は海へ移動しようすげーぞ森から海から雲までの生物網!こうなってたんだなるほど良く出来てるなあ!」
「下僕楽しそうだナ」
「魚食べに行くか」
「良く出来た下僕だナ」
「ズルいぞタマ〜ワたしも食べたいですご主人」
「あっやべ深海底から地下生命圏まで繋がったうわそうか生物とは進化とはこうなってたんだ」
情報の奔流に飲まれる。全能感が湧き上がる。知覚が拡がる。
「飛ぶ必要なくなっちゃった。ついでに食事も」
「完全に友が人間を辞めた件について」
「クロ、語尾どうした」
「既に必要なかろ。元家畜はそのキャラ付けを気に入ってるみたいだが」
「ワ、クロが頭良さそう」
「長老感あるよナ」
「誰が年寄りだまだまだ現役よ」
「ジン、本当に大丈夫ですか?」
「平気。よしこれで全種コンプか?まだか?そもそも種とはなんだ?」
シミュレーター地球の表層を捕まえた。そして。
「おや」
「ワ?」
「ナ?」
「…えっ?」
「マントル、コア、認識完了した。星丸ごと生物として把握」
知らないチカラを得てしまった。
ガイア理論すこ